2012/12/31

支離滅裂な思考で

自分が思っていたよりも汚いって知って

なんとも言えない気分になる


好きにになったひとをまた

同じような予感をもって打ったメールで傷つけて

送信を押す前のあの感じ

後悔したはずじゃなかったの?

今度の人はって甘えたから?


みんな同じように離れていくのは

自分が変わってないからだったって

知った


ぼーっとして

悩んだり

悪いなって思ったり

悔やんだり

諦めたり

苦しんだりする

自業自得の人生


それはとても簡潔な風景

行き交う車

降り続ける雪



2012/12/30

亡き母

何度も財布の中の回数券をみて
お金が足りないって
二つ前のバス停で降りたこともありました

口癖は
『あなたにまでお金のを心配させたくなかった』

でもね

子供ながらにも
あなたを責めたことはありません

怒られて
何度も追いかけられて
泣いて謝るまで
外に締め出されていても



給料日のたび
胃を痛め
自分で働けない身体を呪っていましたね

子供ながらにも
あなたを責めたことはありません

『私だって女なんだから』
一人でつぶやいていたことを思い出した
意味が分かるまで何年たったろう



身体が痛いって
夜歩き回ったり
昼お酒を飲んでいたり

何で少しでも気付かなかったのだろう

お金がないからって
病院にいかなかったあなた
ガンに気付いた頃には
あなたを安らかに死なせることしか出来なかった

お金がないからって
病院に行けないあいだ
僕は遊び回っていた
自分で稼いだお金だったけれど
何も孝行できないまま逝かせてしまうことになった



後悔があるとしたら
ガンで床に伏せたあなたに
会うことを避けたこと

ガンと知らないあなたに
『治ったら家に早く帰りたい』って聞く度
胸が張り裂けそうになって
死に向かっていくあなたを見ることに逃げてしまったこと


死に目にも会えず

死に際にずっと僕を探していたって聞いて
どうしようもない気持ちになった
居たとしても
死んでゆくあなたに何が出来たろうって言い訳をしながら

家族ながらにも距離をとって接していた
誕生日も 死んだ日もろくに覚えていない僕ながらにも
自分を責めずにいられなかった


ありがとう

高校受験の発表日

いたたまれなくなって家の外で待っていたあなたへ


中学生のとき

おとうさんと付き合う前の恋人の話をしていたあなたへ


小学校のとき夫婦喧嘩で睡眠薬も何錠も飲んで

死に掛けたあなたへ



七歳の僕に

何度も何度も『おとうさんとおかあさんどっちがすき?』ってきいてきたあなたへ

そのたび『どっちも』って答えたあとがっかりしていたあなたへ


おかげさまで

お金にも困らずなんとか生きています

人を心から愛せるようになりました
同じ以上の愛を求めるのが難ですが


こう思うのもたまにしかないけれど

・・・ほんとうにいつぶりだろうってくらいだけれど
まあこんな性格分かっていますよね

さようなら

また思い出すときまで

孝行ができたと思ったことは
お葬式で号泣してしまったこと
自分らしくないって思ったけど
あの時ばかりは素直に悲しんだかな

またね おかあさん

愛する人をいつか紹介できたらいいな










歌  大好きな歌

何度も聴き返して

口ずさむ

大好きな歌


僕はこれから

また独りになるけれど

あなたはいつもそばにいて


寂しいね

どこにも

何でも優しく包んでくれる人は居なかった


僕はあなたを口ずさむ

メロディは僕の周りに広がって

そうして

僕の中に入って癒してくれる


いろんな歌にすがたを変えて

僕を癒すのは僕でした

なんて悲しい人生でしょう

僕は歌う

僕を歌う

明るく生きる殿様がえる

明るく見せるのって簡単

笑って 冗談を言って

怒ったり 悲しんだりしなければいいだけ

少なくとも 見えるところでは


殿様がえるは言う

『武士は苦はあれど高笑い』

そんなとの様がえるものは

『苦しゅうない人生じゃった』とうそぶくこと


****%%$$$$$$


・・・って


殿様がえるは意味のないようなあるような

長い言葉を吐きました

『かたじけない』

とかいったとかいないとか

それで殿様が得たものは

幸せな日々?

それとも・・・

2012/12/29

ぼくは思うのだ!

長い真っ暗な道を

諦めに負けず歩いてきて

開けた明るい道は

結局は真っ暗な道へと続く道でした


まあ

前向きかどうかはわからないけれど

その先に明るい道があれば

そこに続く道だとも言えなくはない

そこに明るい道があればだけど


結局はほら

最後がどうかって人生だから

その時その時が全てだから

一喜一憂で結構

最後に明るい道に立っていれば

そう思えるのだろうね


真っ暗な道を抜けられず

もがいている僕は思う!

幸せであれ!

ずっと幸せで

寂しさのない世界であれ!

会えなくなった人たちへ

思い出すこともなくなって

思い出してもああそうかっていうだけの人たちへ

それなりの交友と

それなりの笑い 楽しみを過ごした人たちへ


同じ学校 同じ何かにいただけの人たちへ

記憶って 想い出って 何なのだろうね

今 繋がっていなければ 

何の意味もないなんていうつもりはないけれど



老婆と係員(そこはなんの入り口だったのだろう)

入り口で質問を続ける老婆

聞くことであなたは何がどうなるのか

まったく分かっていない

分かる気もない

何を知りたかったのか

途中で意味をなくしていても

質問は続く


入り口の係員は

どんな理屈も通らない

納得をしない老婆に困って

考えるのをやめる

聞かれたことに答えるだけ

もう終わってくれって気持ちも

もうどうでもよくなっている

それが正しい答えかどうかさえ


老婆は帰って行った

その分寿命を費やして

納得はいかないまま


係員は胸をなでおろした

その分寿命を費やしていても

納得いかせられなくても

部屋

真っ暗な部屋

ここは

そんな部屋だったっけ

違うような

どうでもいいような


僕が動かないと

なにも動いていない部屋

これからも

ここはこんな部屋なのかな


音楽を鳴らしてみると

音楽の流れる部屋になった


寂しいなって呟くと

もっと寂しくなった僕がいる部屋になった


2012/12/27

聞いてるようで 伝えてるだけなんだけど

心が躍る

何にもいいこともないけれど

心はほんと

制御不能


一気に下る気持ち

耐えるだけ

耐えられてはいないんだけれど


人間って

内側のことになると急に曖昧になって

デジタルとは程遠い存在


ねえ

そんな人間二人がさ

こんなにも一緒のことで語り合えて

共有できるって

素敵じゃない?


少なくとも僕は

こんな奇跡を目の当たりにして

そう考えずにはいられないんだ



2012/12/24

猫と海辺

気の抜けた返事をする猫

お前の自由を分けてほしい

家畜になれきれない

そんな君の強さも


今日は穏やかな日で

君もちょっと機嫌が良さそう


ねえ

ちょっと分けてあげたいな

僕の素直なところ

ほら

こんな笑顔

見てみたいんだけどな


何を失ったというのか

財布のなかに入っている

使われはしないクーポン券なら

失ったとしても何も問題はない

悲しみはない

それなら良かったんだけれど


きっと他の人には

何にも変化はない

でも

一人だけ

緑という色が失われたような

そんな喪失

緑を誇る森も

ただの灰色の木の集まりにしか見えない


うっすらとした危機感が伝える

失われたことすら

失われていく恐怖

無為に過ごす日々に

正しかったと思い込み押さえ込んだ思いは

脆くも崩れさる


灰色にしか見えない人生

どこから間違ってしまったのだろう

あるいは

色がついているって勘違いに気付いたのか


起きてしまった結果に

理由を求めたって

何にもならないんだけど

電気を消した部屋のベッドの中で

独り考える


2012/12/22

おはよう

うっすらと世界は朝を迎え

僕はその世界を迎える準備をする

眠る前に僕の体温を使って

あっためたベッドは

夜に栄養を奪われて

僕の体温すら標的にしつつある


頃合いとさとった僕は

さっと…

イメージではさっと飛び起きて

歯を磨き

着替えて家を出る

青白い朝焼けは見れなかったけれど

心地いい青い空にこころは踊る


おはよう


今日もあなたと

あなたの笑顔へ

僕は挨拶をする

2012/12/16

神様って

ぼやけた焦点で

人生を眺めていた

他人事のように


ありきたりとは思ってなかったけれど

どうにも本気になれなくて

幸せって

妥協って言葉に聞こえてならなかった


どこから変わったのか

君に会った辺りからどうやら

現実から覚めちゃったみたいで

だれのせいかは知らないけれど


君に会った辺りからどうやら

毎日が楽しくてしょうがなくて

僕を取り巻く世界が 変わったというよりは

舞台ごと取っ替えられたみたいで

本気で笑って

本気でけんかして

幸せって意味が

こういうことなんだって知らされたんだ


神様ありがとう

望みもしない幸せを授けてくれて

でもこれからは祈ります

どうかこの幸せな時間が

少しでも長く続いてくれますようにって

するとあなたは笑って

『私に向かって何いってるのよ!』

っていった

ラインを引いて

冬特有の乾いた空気を

太陽の光が通り抜けて

僕らは照らされている

僕らだけのテラスで


帰り道

ゆっくりとしかもう歩けない老婆を

四人の自転車に乗った小学生が追い抜かしていく

言葉にならない思いが

どうしても言葉にできないまま残留する


人生

それぞれの人生がこの世界で

重なったり

重ならなかったりする

僕らはそんななか出会い

重なった

これからの人生に 真っ白な未来に

確証のないラインを引いていこう

それを辿れなかったとしても

結局は楽しめそうな気がするから


僕ら特有の空気を

きっと 太陽の光は通り抜けるんだろう


ずっと

雨涙

傘で雨をうけとめる 傘の下で落ちる涙を 地面がうけとめる

2012/12/12

喪失

ここに至るまでの

大いなる 喪失をどうか

自分自身に

忘れないでほしいって呟いた


このまま失うものがないほどに失うのもいい

持ちきれないほどの幸せをてにしてもいい


でも 忘れないで


僕は僕に言う

今が現実か夢か分からないほどの

そんな不確かな状況でも

それは必ず通るべき場所なんだってことを

逃げたくても

忘れないで



あの沈んだ太陽を背にしながらも

それでも進んだあの時を


無駄なんて思うことが

何よりも無駄だってことを



そして今日が終わり 明日が始まる

何もかもが止まらずに進んでいくこの世界で

2012/12/05

辿り着くこと

長い道程。 時間と歩みが同化する。

2012/12/03

ただ出会っただけの二人だけど

人間としての根が

人間としての奥深くで

一緒だといいね


それで

全部言わなくても伝わったり

仲が良いときも 悪いときも一緒で

振り幅がとんでもなく大きいのも

説明がつくんだけれど






目が覚めれば

覚めてはいけない

夢が覚めようとしている

どこかでそれが現実だって言い聞かせていたんだ


本当の夢のように

画像の外から見ていた自分が

覚めないでって祈っていたのに

希望という夢はもう

あなたとの非現実な関わりはもう

心のなかで終わりつつある


これからはどうやって

あなたと決別すればいいかを考えている

いつものように笑いながら

いつもとは違う現実を迎え入れようとする


独りぼっちという現実に戻るのはつらい

覚めて欲しくなかった夢をいつか

懐かしい想い出にできるだろうかなんて

覚めきっていないうちに思える自分に

ほんの少し笑った

2012/12/01

マフラー

大好きな人からもらったそれは

巻いていても 巻いていなくても

心をいつも暖かにしてくれる

2012/11/29

悲しい相槌 

面白くもないのに無理して

『おもしろいですね』

本当に面白いときにわざわざそんな言い方をする人はいない


何だか逆に馬鹿にされた気分のなか

聞こえてきた クラクション

本当に危ないって思ったとき

悠長にクラクションなんか鳴らすかよって

何だか逆に馬鹿だなって気分になった

2012/11/28

メモ

悲しい歌になる前に

悲しい歌を聞かせます


死にたい死にたい 生きたいと


どうしようもなく孤独な世界を生きている

何もかも言える人に出会えない

そんな愚痴を漏らしながら



世界はいつも繋がって

長い長い生

楽しいのはほんの少し

苦しい時期と 寝てるとき

その他大勢はいつも記憶に無い

だって その他大勢なのだから


何でも嘆き悲しむくせに

楽しいときは何故か控え目

本当に幸せになりたいのかって

いつも疑問におもっています

愛するサラ

愛するサラ

いつも眺めていた


食事をするときも

しないときも


きれいな色 形 

毎日飽きないでいられた


でも 別れはやがて訪れた

とても最悪なこと

そう定義してしまえるまで どれだけかかったろう


僕の手からすり抜けて

あなたは遥か遠くへと



床に落ちて 割れてしまった サラ

破片を集めて捨てることが

何より残酷な罰に思えた


さようなら

燃えないごみが明日なのが

何よりの救いだった

亡骸は明日 引き取られて行くのだから


感じることは 意味よりも強い

あなたは悩む

悩むべきでないことも


日々摂る朝食が毎回おいしくなくたって

過去に追いやられていくだけなのにって


それでも今を捨てきれない気持ち

分かります


人間

それ自体の意味なんて あってもなくても僕たちは

僕たちであることを捨てることは出来ないのだから

2012/11/24

制御できない想い

自分では制御できないことを考えよう

世界は手強い

ほんの小さなことでさえも


雪がすべて綿になればいいとか

毛虫なんて全部死に絶えちゃえばいいんだとか

そんなことを考えよう


でも

僕は僕自身すらすきになれないんだけどね


ほんとうに世界は手強い

僕の意図なんて

細くて弱い糸みたいなものさ


でも

僕は君を愛してるんだけどね

ずっとそうでいられるよ

君がよければ

それは

絶対に切れない赤い糸みたいなものさ

誰も助けてくれないのなら

すとんと何かが落ちるように
何もかもがどうでもよくなる時がある

過去も

未来も

真っ白なシャツを 墨汁の海に投げ込まれたような黒
黒い無気力の海に ただ漂う

拾い上げてくれる人はいないので
我に返ったあとゆっくりと
岸辺まで這い上がる

いつかきっと
這い上がれずに自殺してもいいかな

岸辺は少しずつ遠くなって
自力じゃ戻れない日が来る予感がするんだ

効能

ふと口ずさみますこのうたを

ほんとに意味はないんだけれど

うたうと心がほぐれます


寝不足の朝

突然の雨

理不尽な説教にも


ちょっとは効果があるようです

あなたは悩み私も悩む

悩むくらいなら

躊躇があるくらいならって

それならもうやめてしまえば?って


つきはなそうとして

悩み躊躇する日々

帰り道

足音

通りすぎる車

遠くの犬の鳴き声


そして足音

オレンジ

オレンジ色のオレンジをむいて


食べないまま捨てる


意図したことがどのくらい


形になったのだろうって考えながら


そう …そう僕は

オレンジ色のオレンジをむいて

食べないまま捨てたんだ


オレンジをむかなかったことはもう できないのだけれど

2012/11/21

祈りとは目を閉じて行うものだ

この世には 知らなくていいことが多すぎて

理解をするたびに何かを落としていく気がする

ぼくはやがて必ず死んでしまうってこともそう


買い換えられていく電化製品


大量に殺され食肉になる牛や豚

電話で聞こえる声って

ほんとは誰の声なんだろう


目の前のあなたは

どうして僕を愛してくれるのだろう


ほんとうに愛されていると知ったなら

僕は喜びの涙を落とすだろう


僕は祈る


知りたいことは知れなくて

知らなくていいことばかり知らされる

そんな世の中でも

あなたとの変わらぬ愛と

永遠の幸せを



 大いなる逃避だと知りながらも

目が覚めただけのこと

朝に目が覚めるのになにか理由がいるだろうか?

ひらがなはいつも漢字より幼くみられてしまうというのに

見えもしないのに心にぽっかりと穴が開いてしまうんだぜ?

無料アプリで得をしようって有料の本を出す出版社

もちろん立ち読みは厳禁なんだろうな


ともかく

朝になって目が覚めたので

今日も歯を磨いてやることにしたんだ

2012/11/20

守ろうとすることで 守れなかったもの

大きなうねり

世界を大きく変えてゆく

そんな中僕は

どうにかしてそのままでいようともがく


何もなかったかのように笑って

新聞も テレビにも注意を払わないように注意を払う

それをすることで 自分の何かが変わらないようにって

負けないようにすること全てが

自分の弱さを浮き彫りにする

それは勝利と呼べるのだろうかと

いつも疑問が目の前に座って一時も離れないでいるのに

網膜に焼きついた光景

見えない振り 見えていない振り


大きなうねりが

世界を大きく変えていっても

そんな中僕は

どうにかしてそのままでいようとするだろう


自分だけ負けていないって思い込む

一番みじめな生き様をさらし続けていくとしても


つじつますら合わない 自分の中の世界へ逃げた男は

どんな漂白剤も効果がない 真っ黒な 真っ黒な気持ち

その奥底で じわじわと上に登ってくる悪臭には

どんな消臭剤も効果がない


言葉にあらわせないものを 誰にどう相談すればいいのだろう

あざ笑うかのように

それは全体に広がってゆく

言葉もなく理解してくれるような人が居れば別なんだけれど


きのこの群生する 紫色の土

ぎらぎらとした目をした長い尾を持つ魚が

その周りの沼を泳いでいる

夢ですら見ないような光景に

たった一人で立ち続けていくような孤独


誰も居ない

何も助けのない 

終わりのない 自分の作り出した世界に

ただはまり込んで目を閉じる


現実を直視するよりはましだという

本当の恐怖から逃げた先で












2012/11/18

秘密の部屋

誰もが胸の奥に作っている秘密の部屋

疲れた自分を匿う
最後の逃げ場所

今日も叫びきれない叫び声が
その部屋で上がる


真っ赤な花びらのついていた
かつては花であったものが
考える限りの方法で千切られている
踏みつけられたものが多数の破片

例えばそんなものだらけの部屋

何度も椅子は放り上げられ
机はひっくり返った後元に戻されまたひっくり返る
白と黒を何層も重ねたカーペットの上で

時刻むもの全てが排除された部屋

言葉数や韻だけでないもので積みげられた
不思議なリズムに迷い込んだカマキリは
獲物は自分だと知らされた瞬間に首を刈られる

その瞬間にまたその部屋に迷い込む

そんな真闇の運命の繰り返しを味わう部屋

フォーカスされた画面はどんどん尺を伸ばされ
最後に写りこんだのは

本物に限りなく近い笑顔の自分だった




幸せのため息(それは春 もしくは冬ではない季節とでも表せるだろうか)

足先に染み込む寒さ

白い息

手袋越しの感触でもいい

あなたと手を繋げるのなら

そんな寒さなんて端っこに追い込んで

幸せな心の温度は上がってゆく


手と手から繋がる心

愛情は互いを行き交って

目と目から伝わる言葉

愛情は互いを行き交って

幸せの ため息が出る


周りの静けさなんてお構いなしに笑って

笑い声の作る暖かな空間が

冬を駆逐する!


あなたと私の辿る人生が

いつもいつも

若葉を誘う春のようでいられたらいいねって

無邪気に語り合っていられる二人を


端っこに追いやられた冬の乾いた寒さが


羨ましそうに見ていた

耳ごしのよい音楽

静かに流れる音楽を

耳の先でワインのようにころがして味わう

その空間を

なんの疑問もなく

音楽と自分で満たす


小さいけれど

そこに確かにある幸福

2012/11/16

新雪のように

新雪に足跡を残すよろこび

小さな頃

覚えている


同じように

初めてと感じる思い

あなたと出会って

多く残せて

子供のように

喜ぶ

2012/11/15

平常

上がり下がりを続けるガソリンに

テレビや新聞が取り上げたときだけに関心をもつぼくら


戦争 治安 貨幣価値 

代替エネルギー 新たな掘削技術の発見 なんて

ほんとうは何にも理解はないくせに

読みかじった知識で 

結局はしょうがないよねって うすら笑う


ちょっと安いガソリンスタンドに

列を作って並ぶのがオチ


車は走る 渋滞を作る

守られない法定速度

守られない交通弱者


明日もまた続く平常




あやまり続ける人

四角の箱の隅っこに

ずっとうずくまって動かないひとがいる


何度声をかけても

顔も上げずに

ただなにかを呟いている


耳をすまして聴いてみると


どうやら『ごめんなさい』っていっているようだ


目が覚めた

夢だったようだ


顔は見えなかったけれど 

わかった


昔の自分に出会ったんだって

呑気

本当に呑気で人任せな

メディアでみたことそのままにしか情報を受け取れない

いつも後ろで固まって

文句ばかりの

何も自ら行動しようとしない人たちに


今日も朝が来る

2012/11/14

白い壁紙がくすんでしまうまで

ふと訪れたモデルルーム

この部屋の真っ白な壁紙が

家具に当たって傷付いたり

生まれた子供に落書きされて

生活の色に染まっていくんだね


そして


色もくすんだころ

子供も独り立ちして

また二人になって

壁紙を張り替えるとき

思い出がよみがえって

幸せな気持ちに包まれる


そんな夫婦になりませんか?

2012/11/11

必要な無駄

嘆いたって進んでいく人生

過ぎていく時間

でも、ゆっくりと無駄に過ごすことも必要

深呼吸

ひといきに吸い込んだ夜の空気

疲れと眠気を二酸化炭素と一緒に吐き出した

2012/11/10

問題

問題は外から


答えは内から

2012/11/09

埋める

大きな穴をほりましょう

世界は埋めてしまいたくなるような

嫌なことで一杯だ


たくさんたくさん入れましょう

後で後悔することのないほどの

嫌なことを捨てるんだ


少しくらい


大切なものも一緒に捨ててしまいそうだけれど


大きなほらを吹きましょう

世界には捨てても捨てきれないくらい

幸せなことも埋もれているんだって

2012/11/06

レタスの欠片が

ハンバーガーを包んでいた紙に残っていた

レタスの欠片が落ちた

僕らはそれを身動きせずに見つめている

捨てるものがただ途中で落ちた

だがそのごみはさっきまで

たしかに食物だったものなのだ


僕らの恋と重なって

少し悲しみの予感を感じたけれど

繋いだ手の温もりは

少なくともまだだと言っている


僕らと手の温もりは

レタスの欠片を拾い

ダストボックスに捨てた

悲しみの予感と一緒に

お別れの日の天気はやや曇りで

お別れの日が早まって

ねえ

ふたりはどんな別れをするんだろうね

どんな言葉、表情、雰囲気で


本当は来てほしくないけれど

ちょっと気になってしまって


できればたまには話せたら嬉しい

とか言いながら疎遠になって

悲しさが残らなければいいな


思ってたより早くなったけれど

ちゃんと教えてくれてありがとう

新しい道を頑張って

こっちは何か頑張ってみるから

じゃあねって


笑顔でさようならができますように



天気は、そうだな やや曇りぐらいで

2012/11/04

わっか

ちぎれないまま続く

ちぎれないわっか

ねじれても 引っ張られても続く

きれないわっか

でも

いつちぎれてもおかしくない

お互いにわかっていること


二本の線は繋がって

どこか繋ぎ目かわからないほどなのに

どうしてこんなにも儚く感じるのだろう

ちぎれない苦しみ

それでもちぎれない

あなたとわたしでできたわっか

2012/11/02

私と猫が失ったもの

笑顔を絶やさない猫

自由を捨ててまで生にしがみつく

爪を立てる相手もなく

ミルクと工場で作られた餌を胃に入れる


ねえ

あの精悍で

ギラギラした目は

一体どこにいってしまったの?

結局は

切ない風が吹く

心はその度に

小さく震える

けれど

暖かな明日を考える

担保のない希望に逃げる


どれも うまくいかないまま

明日が来る

タイル

交互に続く二色のタイルに

突然現れた違う色のタイル

あなたを何かに例えるなら

そう表現する


僕の人生への鮮烈な登場

どうかこれからは

あなたの色だけで タイルは続いていきますように

2012/10/28

靴音

くつのおと

くつとじめんがならすおと

こいのおと

わたしとあなたがならすおと

2012/10/27

完全に限りなく近い完全に

山を越えるように

頂上までの苦しみや

山を越えるように

頂上での一時の達成感や

山を越えるように

降りた後の寂しさが

あなたとの付き合いにはあって


仲良い日々が続きはしなかったね

でも 本当に大切に思える日々


ありがとう 

大好きだけど離れる二人の

こんな思いが全て 宝物

完全ではなかったけれど

限りなく完全な二人に

感謝と労いと寂しさとともに

もう一度 同じように出会えるといいねって

叶わない祈りを捧げながら




おかまいなしに

寝てばかりの一日を過ごしていても

誰かと毎夜飲み明かしたりしていても

おかまいなしに 歳をとる


馬鹿だよね どうしようもないことばかりの世の中で

諦めなければ道は開けるとか

その無責任な励ましや それを信じる無力な人々


ねえ 君はいくつ思い通りに物事を進めることができたのかい?

ねえ 何もかも満たされた人を 自分や周りの人で見たことがあるかい?

ねえ 世界に何人いるか分からない 貧しい人たちに何をしてあげられるのかい?



大きな無力感 

でも それをいつも忘れようとしている 忘れている


心のゲシュタルト崩壊 もう何に悩んでいるか分からないまま抱える悩み

どんどん大きくなっていくスケール


そんな中

僕はあなたを愛している 

何もまざりっけのない思いで

世界のほかのどんなことにも

おかまいなしで

2012/10/26

処世術

まあ、何したって死んじゃうんだし



それなりの自由なこころで生きていければいいのかな




どうだっていいんだけれど

自分の誰かが 引きとめる


世界

のなかの





さようなら みんな

人と打ち解けることの苦手な僕は

独りの寂しさと 集団の中の寂しさを知る人間

とはいえ

独りの過ごし方と同じように

集団の中ではうまく過ごせなくて

なんだか世界の一部しか生きられないって気がする

風も吹かない 明かりのないところにそっと

ほのめいている灯火になりたい



寂しさを感じない生き方をすることをあきらめて

僕はもう 独りでいいや


これ以上誰かに期待して がっかりするよりも

2012/10/23

消化する

悲しいことを 消化する

ゆっくりと

苦しみながら


楽しいことを 消化する

あっさりと

浸る間もなく

もうさなぎは大きくなって

会えない間にも成長しているんだろうな

想い出はいつもそのままなのに

引き裂かれたもの 

引き裂いてしまったもの

自分にとっては 仕方がなかったもの って 

言い訳を独り

幸せになって欲しい

もう会えないのかも知れないけれど


君たち二人を忘れはしないから どうか

ずっと大好きだからって言ったこと

ぎゅっと抱きしめたこと

すれ違ったときのあの すがる様な顔が忘れられない

どうすることも出来なかったって弁明を

嘘だろって遮る声がどこかでした気がした

自分のせいじゃないって 誰に言い訳していたんだろう


人を好きになること 好きじゃなくなること

好きになってもらうこと 好きじゃなくなられること

納得してもらえる言葉はないけれど

パパとママはもう ばらばらになっちゃって

もうみんなで過ごすことはなくなっちゃって

ばらばらにならない努力をしなかったこと

残酷かもしれないけれど 後悔はしていません


だけどせめて

ママの好きになった人が 君たちを好きだといいな

パパの好きになった人が 君たちを好きだといいなって思う


もう 君たちの想い出は鮮明じゃなくなってきて

本当に悲しくなる

そのまま なんて言えなくなってしまうのかな


それでもどうか 幸せに過ごしてくれますように

資格はないかも知れないけれど 祈っています

2012/10/19

青空と雲

青空に浮かぶ雲

空は実はあんまり青くないし

雲もそんなに白くないんだけど

それぞれがそれぞれを

青と白になるように引き立てあっている

きっとぼくらも

青空に浮かぶ雲のように お互いを引き立てあっていけるはず


いまは全てを覆う雨雲だっていいから

まずは僕に浮かんでみてくれないかい?

冷たい頬 風に吹かれ 雨は来ない

ただ吹いている

だけ


電灯はついたまま 誰も通らない路地で

座ったままの僕の頬に 風は吹き付ける

冷たく

2012/10/18

世界があなたを産んだのは

世界があなたを産んだのは

あなたが ただ 産まれて来たわけじゃない意味があるのです

だから あなたはあなたでいいのです

どんなに胃が痛む毎日を過ごしていても

見過ごしている 幸せがある

どんなに切ない夜に眠れずにいても そう

気付けばそうだったって 思うことは多い


そして もし

あなたに子供が産まれたら

その子が ただ 産まれてきたわけじゃないって思えるように

いろんな愛を与えましょう

暖かい愛 厳しい愛 

いつかはきっと気付いてくれる

あなたが見過ごしていた 幸せのように いつか

だから今 伝わらないからって焦らないで 苛立たないで


ゆっくりと咲く花 あなたの花は何色ですか


あなたが注いだ優しさが 咲かせる花は何色でしょう







2012/10/14

後悔は後を立たず

滝の近くでマイナスイオンを摂取しても

どうやら僕には効果が無いようだ

時折落ちる涙にも マイナスイオンは発生しているのだろうかなんて

落ち込んでいるのか

余裕があるのかわからない僕


相変わらずの心の振り幅

例年のデータなんて 予測に意味がないままで

ただどれだけ酷かったかどうか判断するだけの材料

今日の涙は例年より10%も多いんだって

馬鹿みたい


後悔はやっぱり先に立たないようで

また落ち込んじゃったりしているけれど

切り替えて行こう!

ミスを繰り返さない僕になるんだ!


滝の近くでマイナスイオンを浴びて

ってあれ?

ロールを合わせて引くということ

人生とは

ロールがボックスで隠されたトイレットペーパーだ

いつか終わるし いつ終わるか分からない

自分で切ってしまえば終わらせることができる

汚れた手で引けばそれなりのリスクもある


それじゃ恋ってどう表せばいいのかな

近いとすれば

さっきのロールを向かい合わせて途中で紙をあわせたイメージ

どちらかが終わるとダメになるし

歩幅が合わないとすぐ終っちゃう


こりゃ大変な作業だ

大切に、大切に過ごしていこう

それはもちろん

いつ終わるか分からないってだけじゃないよ


僕は今日から祈るんだ

…あなたとこの紙を

 ずっと引けていられますようにって

結局は

過去は決して未来へは行けない

未来は決して今を通り越せない

ピアノは作曲が出来ないし
.
楽譜は音を出せない

馬鹿話に知性はないし

前向きな愚痴を聞いたことはない


そして


僕は君のことがすきだし

君は僕のことをすきになってほしい

2012/10/13

ねえ

今まで見たことがないほどきれいな

すんだ青い海を見たとして 

僕は

今までの青は青じゃなかったって思い

これからもし 

これ以上の青があったとしても認めたくないって思うだろう


ねえ

君は どう感じるかな?


例えば今言った事がすべて

君とであった僕のことだとして


ねえ

君は どう感じるかな?





秋。 夏の強いイメージがあるからこその印象。
春の後に秋があったとして、秋は秋でいることができるだろうか。

同じように、僕らも過去と未来に繋がっているからこそ僕らであるはずだ。
自分を土台にしない夢は逃避だ。
過去をなかったことにしてあなたはあなたでないものになろうとしても無理というもの。
この世に意味はないといっている時間ほど意味のないものはない。

2012/10/11

上を向いたからって

上を向いたからって

心が上向くもんかって

励ましにまで牙を向けたりして


でも


わかってるんだ

上を向けば空が見えるってこと

下を向いたままじゃ地面しか見えないってこと

簡単。

諦めるのは簡単。
私がそう思えばいいんだから。

別れるなんて簡単。
理由なんてたくさんあるんだから。

この建物から見える海は 青と波の白で飾られて とてもきれい。

飛び込んじゃえばもう 何もかも楽になれるのかな。

そしたら少しは 悲しんでくれて 忘れないでいてくれるのかな。


ああ、会えない日のこんな気持ちくらいは
投げ込めたらいいんだけどな 。


言うのも簡単。
思うのも簡単。

できたらこんなに悩みはしないんだから。

怒らないで

立ち寄った店のタイルの青に
夏の海を想う

夏の海をみて
この店のタイルを想うことはないだろうけれど

同じように

街を行く女の人の髪型に
あなたのことを想った

怒らないで

あなたをみて
その女のことを想うことはないから

2012/10/09

例えばそれが

青い空がこの世からなくなって

じめじめとした雨が 毎日降り注ぐような世の中になったとして

例えばそれが 皆が嘆き悲しむことだとしても 僕はそう思わない


傘をさそう

屋根をたどろう

明かりをつけよう


濡れっぱなしで騒いでもいい

心にいつも青空を


例えばそれが

強がりからでもいいじゃない

2012/10/08

芝生を僕は突っ切って

乾ききっていない芝生

靴が少し濡れ

突っ切る気持ち

靴をさらに濡らす


ねえ

そんな僕は報われるかな


きっとこんなことで

あなたの気持ちが変わるとは思わないけれど


道路にたどり着き 乾いた舗装路を走る

何とか間に合いそう


ねえ

君は笑ってくれるかな

息を切らして迎えにきた僕を

おはようとおやすみの間

満月を真っ二つにしたような月の下

草木は眠っている

眠れない夜 そっと起きたまま

眠りを待つ

朝との境目をまたごして


草木は目を覚ます

気づかずに 入れ違いに眠りに落ちた

挨拶も交わさないまま 草木は笑っている

僕が眠っているのも知らずに

旅と旅

あなたはあなたの夢に旅立った

私を帰りの 目印にして

ならば私も応えましょう

遠くからでも分かるほど

安心して旅立つこ とのできる目印になって

ただ ひとつ聞いてほしい

旅立つあなたを見守る私の 動かずにいるこの決心は

旅立つあなたのその気持ちになんら 変わりがないっていうことを


留まるという旅に 私は出るのです

また会いましょう

お互いの旅の果てに



共に 再会の喜びを分かち合えますように

2012/10/06

夏のあと 波のおと

人も少なくなった海岸

貝も岩陰でほっと一息

波の音だけの日々がやって来る


花火のあとも

知らないうちに消えて行く

少しかなしい 夏のあと

揺れる船

波と風に揺れる船

きっと 船は目を閉じて

そっとからだを投げ出して

なすがままにしているのでしょう

いかりはいつも

海底と船を繋ぎながらも

引き上げられて船との航海を

楽しみにじっと待っているのでしょう

裏の裏が表であるならば

現実感を失って 仮の土台の上に積み重ねている日常 いつか 簡単に崩れてしまいそうで 失う前の喪失感に悩まされる あなたは本物? 偽物かもしれない僕は問いかける 本当は 包んでほしいだけなのに お願いはせずに問いかける

2012/10/04

腕をもがれたたぬき

罠にかかってもがれた腕は

雨のたびにうずいてくるが

たくましく生きる心は

その目を強く輝かす

冬の寒さも

春をあたためる儀式

だと


穴の底

少しでも動かないで過ごす

たぬきの春もあたたかい

日の光

深く吸った草の緑

大理石に染み込んだ涙

言い出せないことがいつまでも言い出せなくて

このまま言い出せなければいいのにって思えてきた夜

ため息は何故出るんだろう


いつだってそう

結局は傷つけたくないからって理由で

傷つけるのを遅らせているだけ


ごめんねって言葉で

おわらせられたらいいんだけれど


大理石

染み込む涙


あなたをあなたでいいって思える僕じゃなくて

ごめんね

2012/10/02

夢をたどる

夢をたどる

途切れ途切れの記憶でも

きっと見つかる心の奥

世界は

きっとそれなしでは乗りきれない

と言うほどではないけれど


自分を持つ上では必要な作業

彩りのある夢も空しい

灰色の空だけでも悲しい

自分自身を追うこと


それは

昔見た夢の詳細を思い出すような作業

限界が見える

限界が見える

その人との限界や 物事への限界


きっとその通りではないかもしれない

それでも 一度見えた限界は

心に深く作用する


そっとあきらめていく自分

そしてまた

限界が見えてしまった

2012/10/01

じかん

なにもしたくないときの

なにもしないじかんはいつも

ながつづきしないんだ


なんでだろ

なんかすぐにやめてしまう


なきそうでも

ないちゃったとしても


なくたってかまわないじかんってないんだね

2012/09/30

ビルの谷間のビルボード

どうしてこんなにも

疲れた顔をしたひとが多いの

にじみ出た というよりは

わかって欲しいためにしているような

そんな顔をして歩いても

誰も気に留めてはくれないというのに


まるで

そう これからも こうやって生きていきます

といったテスティモニー

フレッシュ&ボーンも腐ってしまいそう

人生の手仕舞には早すぎる


前場のなりゆきも

後場でさしねでいきましょう

ヘッジはかけずに

今までの弱気を取り戻すような強気で

もうはまだなり

あなたの人生もきっとそう

株価なんて結局は希望と絶望の現在値

実際は何にも織り込まれてないんだから

2012/09/29

少し目覚めの早い朝に

目が覚めたときにいつも

太陽は昇っていたから 今日の

目覚めの風景 闇の世界はすぐに

夢か現実かを判断する必要があった


時計を見ても

明かりをつけても ...明かりをつける必要があること自体が

明けぬ目覚めを認めさせようとする


冷蔵庫を開け 水分を摂る


少しの留守の間でさえ

ベッドは温もりを失っていた


温まっていくのを感じながら 再度眠りにつく


太陽が昇ってゆくところなんて

何の興味もないことを少し誇りに思いながら

理由

花をめでる気持ちに

理由は必要ない

花がその生を得たことに

理由は必要はない


その花が

いずれしおれて

そして

土に帰ること

それにも理由は必要ない

2012/09/24

ありたい

大切だった人が大切じゃなくなるってことが恐ろしい

大切に思ってくれている人に大切に思われなくなるのとは違って


そうありたいと思う自分でないことが悔しくて

歯がゆいことも多いけれど


それでも足掻いていきたい気持ちは残っている

飛ぶことを止めた鳥のようにはなりたくはないから

眠らない人

眠らない人は夢を見ない

眠ったとしても夢を見ない

いちいち新聞のいう物事の角度を信用しないし

流行りの音楽に無条件に迎合したりしない


世界と自分との境界線を持って

決して泣くことを恥と思わない

想いが風になったなら

優しく吹き付けてくる風

この風のように

誰かを思うその気持ちが 相手に感じさせてくれないものだろうかと

ベンチに座りもの思う

きっと

台風のような風で その人を飛ばしてしまいそうだけど

2012/09/22

おやすみ世界

水路から這い出たカニ

久しぶりに殻から顔を出したヤドカリ


目深にかぶった帽子で 見過ごしてしまう


誰かが泣いている声も

どこからか聞こえる救急車のサイレンも

外に漏れでてしまうほどの音量の

ただ叫んでいるだけの歌で聞こえないでいる



おやすみ、世界

今日が正解じゃなかったとしても

眠いから眠るんだ

別れ

自分にとっての幸せが いったいなにかわからなくなる時 あなたにとっての幸せが 必ずしも一緒じゃないってわかる時 そっと どこかで音が聞こえます それは 心が割れて崩れる音 それは 私が消えてなくなる音 本当に 私が思う私にとっての幸せが あなたにとっての幸せでないのなら 私はいつか近いうち あなたに別れを告げるでしょう きっと大きな後悔を 長く続けるとわかっていても 絶対にその判断が 最良でないとわかっていたとしても そして私は歌うのでしょう 誤りに謝りを添えて 不運の人生を彩る 愚かで愚かな決断を いつもそう 結局は 自分のことしか考えていない 身勝手でどうしようもない人間なんだって

2012/09/20

トマトは言う

大きなトマトはこう言った


瑞々しい私を食べて

少しは元気になりなさい

程よい甘さと酸っぱさが私の取り柄

少しかための外皮のなかの

溢れんばかりのなかみを味わいなさい


体裁を気にせずに 一気に丸かじり

さあ お食べなさい

私が私であるうちに

ガラス越しに見える木に僕は

カウンターから見えるガラス越しの木

いつもの席から見えるそれは

季節に合わせ葉を失っていた


次の次に来る頃には

きっと黄色がかった葉を僕に見せるのだろう


ねえ君

僕はどう変わって見えているかい

それとも何も変わっていないかな


君が四季の君を見せながら成長していくあいだ

僕はいったいどうなっていくのだろうね


ガラス越しのカウンターに座る僕は また来るよって店を出た

飲みかけのお茶のように

冷たかったものでも 熱かったものでも

飲みかけのお茶はなまぬるい


やがて濁って


 捨てられてしまうような 悲しい悲しいなまぬるさ

2012/09/18

渦巻き貝の見つけかた

海から離れて森に行け

木々をすり抜け

草をかき分け

音を聞き分け

奥へ 奥へ


もうこれ以上進めないって思えたら

海へ戻って探しなさい

渦巻き貝の見つけかた


意味のないことが 意味をもつ

それは突然現れて

バッグの底に傷ができて こいつとも長いなってじみじみ そんな 今日という日に スーパーの自動ドアが開くと 眩しい日差し 秋だというのに汗がじっとり そんな 今日という日に ふと虚しくなって じっと動けなくなった そんな自分を自分で同情した 今日という日

きままな味付け

夏の太陽

その強い 日差しを和らげるような 雲になりたい


時には 月の優しい光を 意地悪に遮る雲に


生きるってことはきっと 無味無臭の食材

調理するのは僕ら


うまくもまずくも全て

僕ら次第でかわるし

うまくもまずくも全て

僕らの感じ方なんだ


てなわけで僕は

太陽だけの青空


ちょっと休んで遠くにいっている 気ままな雲になりたい

なんてごちそう

あなたの おはようのメールで目を覚ます

なんてごちそう!


それは

こころの朝ごはん


言葉って 理解って 

お礼の気持ちを 上手くあらわせなくなったとき

人は ありがとうっていう

過ちを犯し 上手く謝れなくなったとき

人は ごめんなさいっていう



相手のつらさや悲しみがわからなくたって

人は たいへんだねっていう

2012/09/16

食卓を囲めますように

炊きたてのごはんのように

つやのあるまっしろな愛は

炊飯器に何日も残ったごはんのように

変色し固くなることもある


ぼくらは、どうだろう


何年も手を繋ぎ いつまでも変わらぬ想い

ぼくの想像では

笑顔の絶えない二人しか浮かばない

だから、いつも願っている


少しでも早く叶ってほしいこと …ぼくの炊いたごはんで


朝の食卓を囲めたらなって

時間と心のベクトルは

秋を感じさせる虫の音に

ぼくはなんとか力を借りて

心を落ち着かせようとする


何が焦らせ

何が虚しくさせるのか


答えはいつも自分の中

分かっているはず

どうして人のせいにばかり


もう虫の音なんかでは

どうしようもないと知って


本当は知っていて

渦巻く胸の中

何が?って自問する

何が渦巻くの?って


そして時間は明け方へと向かう



ぼくの心はどこへ向かうのか

虫の音も 時間も 答えをくれない

ねえどうしたらいいの

誰に?って自問する

誰に訊いているの?って



2012/09/15

横断歩道

犬が鳴いて

その声が聞こえて

考えが途切れる


何を考えていたのかはもう思い出せない

それまでのこと


それまでのこと


親子の愛

差し出される小さな手

受け取る暖かな大きな手

繋がった手と手

心と心が流れ込む

互いに



人が渡る

横断歩道

渡らずに立ち止まって独り考える


車の警笛

突然の大きな音で

考えが途切れる


何を考えていたって思い出す必要は無い

それだけのこと


それだけのこと

差し出された痛み

どんな季節の風が吹こうと

心の何かが動くわけじゃないし

寒くたって 暑くたって

汗をかくかどうかの問題でしかない


四季なんて 一年を勝手に区切っただけ

青春がいつからいつまで決まってないのと同じ

何が何を決めるの?

何かが決めたものを守る義務なんてどこにあるの?


何が本当かどうか考えないまま死んでいくひとは幸せだろうなって

皮肉抜きで思ってしまいそうなほど


夕暮れの 橙がかった赤

胸に響く


悔しいけど


結局は自分もその他大勢

括る枠が少し大きくなるだけで

太陽はぼくの裏側を照らす

小さなこころ、夢の切れ端

くすんできた壁紙

曇りの取れない鏡

ポケットのないズボン

かけることのできないハンガー


みんなおいたまま太陽はぼくの裏側を照らす

自分の命

かけがえのないかげがえのないという言葉

本当はなくたっていいものばかり


自分の命だってそう


意味なんて勝手にあったりなかったりするもの

意味なんて言葉には意味なんてない


自分の命だってそう

目覚め

目を開けると

見たくない現実が襲ってくるようで

私は怖くてたまらない


実際は いつものベッドで 白い天井が見えるだけ

毎日のように続ける 愚かな目覚め

2012/09/13

彩り

木製の家具で揃えられた中に

そっと置かれた陶製の花瓶のように

あなたは私の人生を彩ってくれる

どんな花を飾っても

 …飾らないときでも


ねえ

いつも感謝しているんだ

まだ きちんと言葉には表せていないけど

結局は悩み終わる夜

もうすぐ寒さがやって来て

眠れない暑い夜は去ってしまうのだろうけど

眠れない寒い夜になるだけの話で

どうやら安息はやって来ないようだ


どうしても 安息が欲しいのだと

そう思ってはいないし

そう思う自分を認めたくない


今 自分におかれている状態では

満足出来ていないのは事実



季節の変わり目の

眠れない快適な夜に独りもの思う

2012/09/08

今日という日に

今日という日に

何を残せただろう

不安なときに限って 周りに人はいないけれど


誰を助けてこれたのだろう

いつもそう 被害者のように振る舞うくせに

絶対になにかをなそうとしていない


今日という日に 何を残せただろう

何ができていたのだろう

2012/09/04

わいん

倒れたままのわいん

ビニールからは白か赤かはわからないけれど

まず君を起こすことから始めよう


ビニールごとに立てたわいんは

まだ 白か赤かは分からない


君が何色だったって構わない


倒れたらいつでも

君を起こしてあげるから

2012/09/01

何を考えていたのかも考えたくない夜

扇風機の音

遠くで聞こえる車の音が

何の感情も抱かせずに耳から僕に入って消える


ただベッドに横たわって

ただベッドに横たわっているだけ


携帯の充電のランプ

切れかけだったから赤く光っている


少し寒くなってきたけど

遠いリモコンは遠いままで

何を考えていたかも考えたくない僕は

無駄に時間を使って眠る

深夜にトイレに起きて

ベッドに戻って眠る途中

携帯のランプが緑になっていたのが見えた

2012/08/28

親子哀

扶養される以上

親子という避けられない絆って奴が

決して覆せない上下関係を生む

人間は善意だけの生き物ではなくて

歪んだ多くの人間は数多く子供を産む


ストレスを 他愛なく向け

逃げ道を知らない子供を追い詰める


ほんの稀にみせる 

笑顔や優しさで

絆をどうにか保ちながら


その稀な 気まぐれな感情は

子供を更に悩ませる


家族に逃げられない子供は

社会で受ける傷を癒せないまま 


傷に傷を重ねる

もう誰のせいか分からないまま


回りまわって自分で自分の命を終わらせるまで

2012/08/26

空き缶

空き缶が 僕を追い越した

飲み干して無造作においた缶が


ぼくは長く立ち止まりすぎて

進むことに違和感を覚えていたのだろう


ともかく


いつのまにか倒れて転がった缶は

悩み立ち止まる僕を追い越した

それについていくように

誘われるまま歩き出す僕


街灯が二人を映し出す

まるで一緒に仲良く歩いているように

風は吹いて

風は僕の近くを通りすぎ

その先の木の枝を揺らしていった

遠くに聞こえる車のおと

近くで鳴く虫のねに

何かを考えていたけれど


すぐに思い出せない僕


そしてさっきの風がやって来て

僕の心の枝を揺らしていった

それはあたかも

それはあたかも当然であるように

起きるすべての出来事は受け入れられていくけれど

何も必然なものなどなく

何も仕方ないものなんてない

僕らは生きていく中で起きるすべての出来事を

もっと意味あるものに感じるべきだし

もっと気楽に吟味していくべきなんだ

…そんな何をいっているかわからない

曖昧で何かをいっているようで何もいっていない人の言うことを

あなたは人生の時間を無駄に費やすことはない


あなたは何も考えず受け入れていく人生こそが

何よりも敬虔で思慮深い人生の送りかたであることを知っているのだから

2012/08/21

夏vs.自分

陽射しにまけないようにと、ぼくは。

帽子を被らずに街を歩いて、すぐに後悔の念。

日陰を求め、クーラーを求めコンビニに逃げ込んだ。

夏。

僕はいつも自分の弱さを思い知る。

来年こそはって、敗北を完全には認めないのも毎年一緒なんだ。

2012/08/20

独白

わたしのなかの

ゲーテやリルケやヘッセがいくら首を傾げても

表現の型はわたしの幅でしか広がるわけでなく

 『わたし』 の詞でしかあらわすことはできません

どこかにいるような 無理矢理な韻で世界を狭めるような真似も

定型にその魂を合わせて使いたくもない言葉をはめ込むような

そんなひとにもなりたくありません

2012/08/18

景色

少し高いところにある神社から 見下ろす海がとてもきれいで

買ってきたハンバーガー

二人ならんで食べていたっけ

今 独りでこの場所からみる景色

昔ばかりに想いが向いて ちゃんとみることができない


あなたは今も元気でしょうか


夏だというのに

強い陽射しと 蝉の音に負けず しんみりと思う


気持ちの抜け殻に話しかける


あなたは今も元気でしょうか

2012/08/15

夏の日差しを反射する

ガラス越しの世界

太陽の光を元気いっぱいにはねかえす

緑の木々が枝を風にまかせている


セミの声


僕は飲みかけのコーヒーを置いたままカフェを出た

降り注ぐ太陽の光を

少し照れ臭そうに反射しながら

2012/08/14

天国

清潔な駅にするために

段ボール生活者を排除します


僕らは何者なのだろう


高所得者は税金の安いところへ

タックスヘイブン

そんな真似をしてまでたどり着く天国ってなんだろう


日差しは今日も降り注ぐ

風はなく

暑い日が続くでしょう


今日が終われば

明日になる世界


どうして僕たちは

貧富をもっと向かい合わさないのでしょう

愛するあなたの謀

遠くに見えるからこそ尊くて

手には入らないからこそ貴重なんだよって

そんな無責任なこといって逃げないで


あなたはいつも逃げ腰で

期待だけさせて終わらせる


我慢できずに別れを切り出す


…それさえ計算しているようで

愛ゆえに

憎い

たとえ、それがいくら追いかけても追いつけない、手に入らない蜃気楼のようなものだったとしても

いつも遠くに見えていた幸せが

少し近づいて見えたようで

僕はその足を

ゆっくりと早めていった


幸せという蜃気楼

それでも僕は信じよう


セミの鳴き声と一緒に差し込んでくる真夏の太陽の光

ぼくは飛び起きて

先ず歯を磨く

2012/08/11

なんの変哲もない日に思う

例えば僕が死んだとして

誰にも知られず死んだとして

僕が生きてきたことのすべてがそれで無駄になるわけじゃない

もうすでに

死ぬ前に意味がなかったことだったのだから


死んだことでなんの変化もないことなんだって

うずくまりながら考える


気の持ちようだよって人は言うけど


じゃあ簡単に切り替えられるものなのって言い返すような

暗く閉じた心が今日も僕の心を占める

2012/08/07

見えないもの

会えないでいる間のメールや電話に

我慢と不安とが混ざりあい

僕らはもっと会いたくなった

こころって見えないものが

二人の関係っていう見えないものを形作る


見えたとしたらどんな風だろうね

大きなピラミッドのようなものかなってあなたに言うと

どこまでも広がる海のようなものよってあなたが言った


電話越しの二人だけどきっと お互いはちゃんとお互いを感じている


どこまでも広がる海に浮かぶ大きなピラミッド

2012/08/05

『今』は時間を駆け抜ける僕らにとって

降り注ぐ未来と僕らが面した瞬間だから

ってよく分からない顔をしている君に言う


『今』ってそんな難しいもの?

君は赤い傘を開いたり閉じたりしながら

雲の切れ間から見える青い空を見つめている


降り続く雨が未来として

わたしに当たった瞬間が『今』だとしたら

この晴れ間は何なのでしょうね


僕らは考えにつまって話題を変えた

傘から滑り落ちた水滴は 水溜まりに飛び込んだ


僕らはそんなことに気にも留めず

やっときたバスに乗り込んだ

2012/08/02

外は晴れ、内は曇り

太陽しかいない空

風もなく


夏はイメージそのままを僕らに見せつける


もし心が これ程までに澄んでいたなら

なんて思いながら今日も悩む

2012/07/31

幸せは時として深い傷痕を疼かせる

幸せの階段をのぼろうよ

ためらわなくていいから 振り返らなくていいから


どうして立ち止まってしまうの

こわい?

どうして?


あなたの傷痕 こんなにも深いんだね

私のてをつかんで

そう

ゆっくりいっしょにのぼろうか

私は離したりしないから

大丈夫

2012/07/28

しあわせなひととき

しあわせをかんじるひととき

であうまえのむねのたかなり

あってからのあんしんかん

わかれぎわのなごりおしさ わかれたあとのさみしさ



つぎのやくそくのひをてちょうにかくときのにやけがお

2012/07/22

恋愛事情

遠く離れた僕らを繋ぐ

メールはいつも行き交って

互いの想いを伝えます

記号や電波は今の時代 心さえ運ぶようになりました


とか言いながらこっそり僕は

君のすむ東京へ向かう


時代が変わっても変わらない 恋が生む機動力

かっこわらいをつけて

ちょっと現代風にしてみましょう

夢のような夢

寝ても覚めてもあなたのことばかり

僕にとっての‘世界’って

あなたがそのほとんどを占めているらしい


今日も目覚めて あなたのことを思い

今日もねむって あなたのことを思う

でも

と僕は考えた


あなたがいなくなったなら

僕は本当に世界を失ってしまうのだろうか


一瞬迷った自分に驚いた


夢と現実が混ざりあった この世界は結局

自分本位でしかなかったのだ

2012/07/20

あのころとこれから

何を話してきたんだろう

楽しかったことは覚えている

あの頃の僕ら

学校をでて

君が玄関のドアを閉める音を聞くまでの時間


日常って 思っていた

本当はとても短い限られたものだったのに


ねえ

これからの僕らは

これからの時間を大切にしよう

一緒にいられる時間を 日常なんてものに埋もれさせない

僕と君と

君のなかにいる赤ちゃんと一緒に


ねえ

これからの僕らは

何を話していくんだろう

2012/07/17

空港で過ごすオレンジ色の夜

オレンジ色に照らされた

深夜

空港の駐車場

心はもう 僕はあなたの住む地へと


胃の異常は緊張か食べすぎた朝ごはんのせい

 『早く会いたい』のメール

表示された携帯を何度も眺めて眠れないでいるこの時間


悪くない

僕は一人呟いた


時間までもう一眠り

車に差し込むオレンジの照明をタオルで遮る


僕は朝

あなたに会いに行く

2012/07/09

灯る意味

ぼくという灯火を

あなたはいつも見守って

突然の風や入り込む雨で 消えそうになる火を救ってくれる

大丈夫

私がいる

言葉だけじゃなかったんだね

あなたのためにも灯っていたいって

心から思えるんだ


ぼくは言える

大丈夫

あなたがいる


いま 炎がゆらめいたのは

とっても幸せに感じたから

ありがとう

ぼくはなんのために存在しているのか

やっとわかった気がしたんだ

2012/07/04

思い出したくないことを燃やせれば

いつ倒れてもおかしくないほど積み上げられた新聞

一年以上も買った箱のままの組み上げられない本棚

その二つが同時に存在するこの部屋には

その二つを同時に存在させてしまったぼくがいる


用も済み 捨てられもしない

用も果たさず 作られもしない

ぼくの不安定な精神が この世界に現れたかのよう


すべてはそう

あなたがぼくから去って生まれた

どうなっても構わないっていう気持ちから始まった


あなたはきっと

すべて自分のせいじゃないって

いつも何かのせいにするんだからってぼくを罵るんだろう


わかってる


明日ぼくは

ぼろぼろになりかけた箱をあけ 本棚を組み上げて

たまっている新聞を詰め込んで 全部燃やしてしまおうと思う


あなたの別れの最後にみせた 醜いまでの顔

思い出すたびに胸が痛む 汚い言葉が少しでも消えてくれればって願う

2012/06/25

あめ

また君は風邪を引いて

僕の予定は真っ白になった

嘘じゃないって思ってるのに ついきつい言葉をつかったりして


駄目だなこんなんじゃ

昨日の天気とはうって変わって 朝からずっと雨が続いている

外にも ぼくの中にも


空に広がる厚い雲

君の言葉を遮った

ぼくはただ 思った通りにいかず拗ねている子供

わかっているからこそ わかりたくない


帰りついたポストに君からの荷物

欲しがっていた携帯ケース

嬉しさと情けなさと申し訳なさがいっぺんに襲ってきた

ぼくはなんてバカなんだろう

喉が悪いってきいてたから

お礼はメール

慌てて打った 『ごめんね、ありがとう』


雲を君の優しさが打ち破り ぼくに届いた

ただ君は 優しく許してくれる ぼくを照らしてくれる

何もしてやれない自分が悔しいのに

なんでこんなに穏やかな気持ちなんだろう

幸せって こういうことなんだな


昨日の天気とはうって変わって 朝からずっと雨が続いているけれど

ぼくの心は 快晴






2012/06/19

きれいな石を積み上げて

きれいな石を積み上げた

積んでいくほどに揺れだして

いつしか倒れてばらばらに


そう

あなたとわたしの恋はこんなふうに

積み上げすぎて倒れちゃったのかな


もう

倒れた後に残った石は

きれいな色じゃなくなっちゃった


たくさん たくさん

あの青い空の向こうまで

この幸せを積み上げていきたかったんだけどなあ

2012/06/17

食べ物では言い表せない あなたの唇

納豆が嫌い

あなたが好き

今いえること

間違いなくいえること


『なにそれ』って

不機嫌だったあなたが笑った

葉っぱと葉っぱの間から

光が差し込んでくる 公園でのひととき


あなたの笑顔

まるで頭上の木がすべてなくなって

たまっていた光が全部落ちてきたみたいに輝いた


どうにかして仲直りしたいぼくは

ほんとうに ほっとして

『ごめんね』って謝った

『いつもずるいんだから』って許された


春菊が嫌い

あなたが好き

今いえること

間違いなくいえること


『もういいから』って

あなたはぼくの口を塞いだ

僕の唇が

あなたの笑っている唇を


感じた

2012/06/12

心が輝く優しさを

心が輝く優しさを

あなたは注いでくれました

何度も拗ねたりいじけたり

本当に恥ずかしい自分を受け止めてくれる


ありがとう


どうして見捨てないでいてくれるのだろうと

今でも不思議に思います


初めて会った日 入ったカフェ

あの時だけは正反対で

緊張を隠せない あなた

奇跡の確率で落ち着いていた 僕

今も笑いの種

あなたが寝坊して慌てて向かった渋谷駅は

僕をいつも安らげてくれる存在に


絶対に距離を置いたり 離れたりしないからって

私は優しく無いから言うけど 大好きですからって

あなたはくれる 僕を支える言葉を いつも


二度目の出会い

呼び出されて待ち合わせた原宿駅

到着したって電話を折り返せない 入ってきた仕事の電話が終わらない僕を

そっと隠れて すぐ折り返すか見ていたあなた

電話をきるまでのいらいらを見届け 一応試験は合格とのこと

意地悪って叫んで始まる 楽しい言い合い

遅刻したくせに って言ったら

遅刻したからよって 言い返されたっけ


その時もらった手紙の一文の

出会えてホントにしあわせです に

本当に僕は幸せに



心が輝く優しさを

あなたは注いでくれました


ありがとう

三度目に会ったときも 遅刻をしたあなたへ

待ち合わせ場所全てに 微笑の思い出を残してくれるあなたへ

2012/06/11

左手が握っているものを

左手でにぎりしめた悔しさを

右手が我慢できない映画を見たいのです

エンドロールが終わるまで

涙はきっと止まらない



よく考えなければいいことを

なんども考えすぎて後悔してしまうのです

疲れて眠ってしまうまで

悩んでいてはたまらない


だから


今日のつらさは昨日忘れましょう

明日の喜びは今日感じましょう

世界の半分はあなたの思い込みで出来ている

あなたを形作るのは

分子や原子や陽子や電子や素粒子ではなく

孔子や原資や陽気や陰気やソリューションなのです


あなたの人生という映画の

エンドロールが終わるまで

よく考えなければいいことを

よく考えずに生きていけばいいのです

2012/06/09

勘違いのない生き方

勘違いが多いひとよ

一歩ひいて視野を広げてよく見て考えなさい

身をわきまえて生きなさい

良いように解釈しないこと

相手の気持ちを察して、言葉を発するまえに必ずその言葉でいいか考えること

気持ち=結論と受けとめること

理由は後付けだからほころびをあげつらっても意味はない

不幸で当たり前と思うこと

2012/06/06

お思い通りの悩み事

今だって悲しくてたまらないのに

どうして僕は笑っているの

どうして


切り替えがきく利口な人間

そんなものになりたくなかった

そんなものに


知らなくていいことを知って

知りたいことは知らないまま

別に何もかも願いが叶うような 都合のいい人生を望んでいるわけじゃないんだけれど

いや

望んでいるのかも

そうだとしてもいい この悩みが別のなにかに置き換わるだけなら 今の悩みでいいや

自分すら思い通りにいかないのに

世界が思いどおりにいくわけないもんな

ラエルスーンの詩の作り方

あまり多く

愛とか恋とか直接使わない僕は

いかにひとつの世界を

僕の言葉でまとめられるか努力している

定型にはないリズムで

ありきたりの言葉をどう演出してありきたりにしないかを考える

自分にしか分からない世界じゃなく 共有できる世界

自分以上に相手に伝わり 広がる世界を書き出せるかで言葉を使う


あまり世界を説明しない

技法を技法としてあからさまに使わない

熟語に頼らない記述で

かつ 流れるように描き出せたものだけが残る

つぎはぎだらけの詩は 僕の中では下の下

生きた表現は すっと心からでたままのものであるはずだから

感情と言葉の差が少ないときは少ない

意味と言葉の主従関係を解き放ち

思い描いた物語を同調させ

言葉と感情の垣根をなくせることが理想
 







2012/06/01

ぼくの祈り

あなたがどんな悲しみや苦難に遭遇しているのかはわからないけれど

僕がいま直面しているトラブルより上か下かは関係ないけれど

何かで あなたがあなたでいられないとしたら

それは とても寂しいこと


あなたがそれに 立ち向かうのか諦めて流れていくのかはわからないし

受け止めて克服できるか いつまでも傷を残し うずくのかはわからない

でも 僕が本当に思っていることはひとつ

それは あなたが戻って来てくれること


身勝手?人の気も知らずに?

でも 僕が人を心配や祈る気持ちは 自由

自然に出てくるこの気持ちを だれが邪魔できるのでしょう


僕は祈る そっと祈る

少しでもあなたが 安らかで居られますようにって

繋ぎ 分つ

人と人を言葉がつなぐ

人と人を宗教がわかつ

人と人を経済がつなぐ

人と人を貧富がわかつ


あなたとわたしをつなぐもの

わたしとあなたをわかつもの


そっとあなたは微笑んで

きっとわたしは手を出して

開いた心と握り合う手が 二人を繋ぐ

これまでの 着かず離れずの二人とを分かつ


シンプルなもの これこそが

何よりも強く 二人を形作るもの


難しげな言葉なんて ほんとに脆弱なもの

意味を飾る 虚しい努力は

芯のある 本当の意味のあるものに何も及ばないのだから


 だから


あなたとわたしは 手を繋ぐ

やがて訪れる死が 二人を分つまで


神様がいたら

あなたと訪れた神社は

なぜか猫の置物が所々に置いてあって

ベンチはミッキーマウス

小さいからって別々に座ったのは少し寂しかったけれど

話題に事欠かないところだった


あなたが決めかねている二つのお守り

僕が一個買うから解決だねって 笑った

人が書いた絵馬から どんな人か想像したり

買ったお守りの猫の目つきが悪いって言ってみたり


神様がいたら 怒っただろうか


帰りに見つけた無料の巡回バス

小さめの座席

あなたの後ろに座ろうとすると

なんで一緒に座らないのって 少し怒られた

くっついて座って 見る景色

今日一番の幸せ


神様がいたら 笑っただろうか

2012/05/23

あたりまえのこと

夜は眠りを 朝は目覚を あなたは幸せをくれる

2012/05/21

銀世界と雪球

放物線を描く雪球の軌跡が

僕とあなたの間をゆっくりと結ぶ

君の頭にあたって びっくりした顔で振り向いたよね

ガッツポーズの僕

笑いながら投げ返す君

輝くようなあの頃に

負けずに輝く銀色の世界


ねえ

あのころは確かに幸せだったよね

港で君と昔話

少し笑って最後の時間

あなたは船に乗り込んで

僕は車に乗り込んだ


後部座席に響く汽船の汽笛が

僕とあなたの間をゆっくりと結ぶ


さようなら


僕とあなたの恋はもう

あのころの雪球と銀世界と一緒に 

形も無くとけてしまった


やがて

汽笛も聞こえなくなって

僕はカーステレオの音量を 上げた

2012/05/12

理由

少なくとも

少なくとも今ぼくが幸せなのは

君がいるから


君とであえたから

2012/05/09

つきのようなせいかく

まんまるだったり かけていたり

ぼくはつきのように ちがうすがたをみせる


とかいって

君に冷たくした理由にしたら

もっと怒らせちゃうよね


ごめんなさい

幸せになるために

幸せになるために必要なこと


穏やかな心を持つこと

人の悪口を言わないこと

欲張らないこと

席を譲ること

献血をすること

困った人に「どうしたの?」ということ

その相談を親身になって聞くこと

間違っても「それは君のあまえだよ」とか

「人生なるようになるさ」とか言わないこと

ちょっと優しくされたからといって

自分が好かれているなんて思わないこと

無駄に夜更かししないこと

肉ばかり食べないこと

お酒やタバコが一番の趣味にならないこと

無駄に愛想笑いをしないこと


最後に

決して幸せになろうなんて思わないこと

2012/05/06

しにたくなる

しにたくなる

さびしさがおそってくるので

しにたくなる

みらいがどうしてもひらけてこないので


ぼくはいつもげんじつになっとくがいかない

おもったとおりにいかないことがどうしても

ねむっているときのゆめさえあやつれないことも


けっきょく

いくらひとをすきになったって

あいてがすきになってくれるわけではない


わかっている

いままでそうだったので

わかっている

これからをあきらめているので


きょうもこころのあながおおきくなる

いたまないいたみがぼくをおそいつづける

まえをむいてもどうしてもなやんでしまうってことになやむ

2012/05/05

空を見上げて

空を見上げておもうこと

あまりに寂しいことばかり

抜けるような青空も

僕に映るのは曇り空


世界すべてを遮光する心


でも

せめて空を見る時ぐらいはって

願う心は持っている



空を見上げておもいだしたいこと

あなたと過ごしたあのときの

なにも遮ることのできなかった幸せ

あの日見上げた空の

僕を突き抜けていくような青


たとえ現実にもどって

もっと悲しくなったとしても

2012/05/03

一時の別れ

いつも手の届くところに居て

と君が言う


僕は笑って


いつも僕の姿を目に映し出して

と君に言う


いってらっしゃい


いってきます


...あなたはずっと見送って


...僕は何度も振り返る

さざなみ

水しかない世界

波立つこともなく水はあり続ける

何かが放り込まれ

異物が水を押し出すと

そこを中心に波が立つ

同心円状に広がるそれは

世界すべてに異物の進入を知らせる


恋とはそういうもの

あなたとはそういう人

会話


肩にそっと置かれた手

ぼくはほっとする

見あげると君の笑顔

何を話そうかなんて

そんなこと考えた事がない

自然な無言の時間すら

会話のひとつ



2012/04/30

涙は波にすくわれて

海岸から砂を二粒とってきたような確率で

僕と君とは知り合って


よせてはかえす波のなか

二人のなかは狭まった


乾燥しきった貝殻からは

懐かしい二人の笑い声



なみだはなみにすくわれて

すくわれないぼくがのこった

笑顔のち 晴れ

車は向かう

君の待つ駅へ

フロントガラスに落ちる雨粒

ワイパーは何度も何度も払い続ける

無駄? ではない 放っておくと進めなくなるのだから

悩みという雨粒は僕に降り注ぐ

生きるため何度も何度も振り払ってきた

雨、まれに晴れ残りは曇りの人生のなか

いつまで心のワイパーはもってくれるのだろう

そう考えながらしばらくすると

車は駅へたどり着く

そして


君の笑顔ののち


僕は晴れた

からあげ

あげたてのからあげを手に

急いで家に帰る子供

走る

揺れる

行きすぎ戻るうちに

きれいに並んでいたからあげは

元の位置をなくしてしまったけれどまだ暖かい


あったかいうちにたべてね


おかあさん 仏壇に三個お供え


おとおさーんはーいからあげ

おかあさんからあげてきたんだよ

だいすきだったもんね


三人で囲む食卓 さびしいけれど あったかな家族

2012/04/26

夢が夢で無くなるとき

子供から大人になるまでに

僕らは夢のスケールを失ってゆく

出来ること 出来ないことに縛られて

夢は夢でなくなってしまうから


暮れかかる空の下 僕があなたにそういうと


『だけどね、私はあなたと一緒に過ごすことが夢。』


子供の頃になりたかった、世界の英雄に

あなたと一緒にいることが劣るとは思えない


『ありがとう もうあなたの夢は夢じゃなくなってしまうけど。』


二人の思いが重なって 夢のような現実が訪れた

手をつなぎ 帰る二つの影

二人で見る夢は きっと何ものにもかえがたいもの

影はどこまでも 夢と一緒に伸びていく

2012/04/25

かなしいなみだ

ゆめをみた

とってもかなしいゆめをみた

なんだったのかはおもいだせないけど

なみだのあとがものがたる

かなしいかなしいものがたり


うれしなみだじゃないかって?

なみだのあじがちがいます

しょっぱいあじはかなしみのあじ


なくほどのことっていえば と

なんのゆめだかかんがえてみました

なんだろう きっととってもかなしいこと

そうなると

あなたがいなくなってしまうことかな

ぼくはそれがいちばんかなしい

そうかんがえただけで もう

しょっぱいなみだがにじんでしまう

どうしてそうなるまでいってくれなかったの?

『あんまり電話をすると疲れるから』っていいながら

困ったときだけかかってくる電話

『わがままでごめんね』って毎回言うけれど

文句をいっても変わらないから いうこともない

だけど

いわれないから不満がないって 本当に思っているとしたら

ただ呆れるしかないだろうね

そして

静かにたまっていく君への不満は

いつか最後に吐き出されるでしょう

『どうしてそうなるまで言ってくれなかったの?』って

慌てる君が見えるようだ

2012/04/24

心に種を

心に種を植えてみた

水をやったり

声をかけたり

なにもしなかったり

そして一週間


芽がでてふくらんで

気がついたら足がはえて

走ってどっかにいっちゃった


元気でいるだろうか

どんな花を咲かせたんだろう

今日もいい天気

2012/04/22

すずめ

あなたがいない人生を生きて

あなたがいる人生を過ごし

そして

あなたがいなくなった人生を歩んでいる

なんだろう 今の僕はまるで

太陽がどこにも無い 青空

有るべきものがないまま

不自然な生を続けていくって

なんで悲しく虚しいことなんだろう


ガラスでできた箱に放り込まれたすずめのような僕は

どこにも飛べずにぶつかり続けている

それでも羽ばたくことをやめないでいればいつか

本当の外へ

太陽のある青空へ いけるようになるのだろうか

迎えに行くよ

あなたが待つ駅へ

この電車は向かっている

半分ほどでもう

「早くつきすぎちゃった」のメールがくると

途中の駅でとまるたびにそわそわしては

漏れる笑顔を隠せなくなる

「途中で降りて走っていきたいよ」って返事を打って

冗談が冗談じゃなくなりそうでこわくなってしまったり


最後の停車

最後の助走

君へ向かうこの電車と僕

君と、昨日から先についてしまった

ぼくの心を迎えにいくよ

2012/04/21

あしあと

悲しいときは過ぎ去って

とけたこおりからでてきたあおいめのように

僕はゆっくり立ち上がり

ぬかるんだじめんにあしあとをのこしてゆく


雪の夜にそっと去っていった

あなたがゆきにのこしたひーるのくぼみをたどるように


舗装された道路に辿り着き歩くと

くつのかたちのどろがぼくのあとにつづく

縋り付く泥を全て捨てさる頃

くつのぎょうれつはそこでとぎれてしまうだろう


新しい僕の歩みはもう何も残さない

たちどまったようにのこるあしあと


それはあなたを失った悲しみ

すすんでいくぼくをうらめしそうにみつめている

もう遠く離れて見えなくなった今でも

めぐるふるがふらせたゆきにかくされたとしても

2012/04/20

窓から見える山と太陽

二階の窓から見える遠くの山

あそこをめがけて 太陽はいつも降りてくる

いつか燃えてしまわないかと

オレンジ寄りの赤に染まる 夕焼けをみては思っていた


そんなこと全部 君に伝えると

うっすらと笑って 目線はあの山へ

夕焼けなんかより 君の横顔は何倍もきれいだった


どうして僕は 失ってしまったんだろう

君を その横顔を

愛しすぎた僕という太陽は

君という山を燃やしてしまったのか


答えは返ってこない


夕焼けよりもきれいな君が去ったあと

僕という太陽は沈みこみ

いつまでも続く夜が訪れた

2012/04/19

病に伏せるあなたに

思うがままって 難しくなった

ぼくら本当は どんなことでも願えてたはずなんだ

現実が心についてこないことを知ってしまって

いつしか出来る範囲しか願えなくなってしまった


川辺に咲く 黄色い花はとてもきれいでも

いつまでもそこには咲いていられない

いつまでも咲かせておくことは出来ない


ぼくらの出来ることって 本当に限られている

だけど

いつまでも あなたが生きていられるのならって

そう思うことを止められない

出来ないこと そんなことはわかっている

だからこそ ぼくは祈る

心の中のだれかが 無理だといっていても

ひざをつき 手を合わせ 目を瞑る

仕方ないって 済ませられない

死にゆく者たちに 幸せは必要か

真っ暗

何をしても 行き着く先

死にゆく者たちに

いったい死ぬまでの間の幸せって

何の意味があるのだろう

宗教は嫌いだけど それらが生まれる意味はわかる

死ぬのは嫌いだけど ぼくらが生きる意味はわからない

2012/04/18

おんりーあす

例えば

パンにあんこを入れてみたらどうだろう?

的な画期的な発想で

君と僕との仲が 大きな進展をすればいいんだけれど

二番煎じ 二匹目のどじょうを狙ったような

そんなこんなで 下り坂


もうお互いをさらけだしてしまって

ネタを出し尽くした漫画家のよう

打ち切りにびくびくしている毎日なのであります


新展開も尻すぼみ

銀天街も客まばら

定食のおかずも減っているのに お値段は据え置き

そんなことはさておき

僕らは危機的な状況なわけで 冗談なんか言っている暇はないのです


愛しているって言い合うのは 排しているぼくら

どうにかしようって気持ちだけが つないでいる仲


例えば

あんみつにクリームをのせてみたらどうだろう?

的なありきたりな発想で

進めていく未来ならありそうで

もうちょっと ゆっくりーむな気持ちでやっていこうって

今日は互いの家に向かいます

背水の陣でおんりーあす

2012/04/14

無気力という名の大家なの

さあ気分を上げて

って簡単に上げられるなら

僕はこんな僕じゃないはずで

階段をだんだんと音をたてて上がってくる

無気力という大家がまた 希望という家賃を取り立てにやってくる


もう小銭ほどの希望もない僕は

だんだん支払いも滞る

心も凍る催促の言葉に 意味もなく

この世にまかり通る 不平等なことを逆恨み


大家 あんたも歌おうや

なんていえたら いいのにな

生きていくきも うせた

あきらめて

上を向いたら 鼻水が逆流して むせた

2012/04/12

てとめとことば

こころとこころをつなぐのは

しっかりとにぎりしめた てとて

じっとみつめあう めとめ

えがおでかわす ことばとことば


あなたとわたしはべつべつのにんげんで

いつもおなじことをかんがえているわけじゃないけれど


そんなふたりが わかちあう

このじんせいのなかのじかん

かんじるしあわせは きっとおんなじもの

ぐうぜんのきせき ふたりはそういつもいっている


これからにぜったいは ないけれど

いまのふたりは ほんものだから


こころとこころがつながった

てとめとことばが

しあわせとは こういうことだといっている

2012/04/10

手と心

ただ一人でもいい

誰かを救えたならって そう思うのはとてもいいこと

でも

本当にその人に手を差し伸べる前に これだけは絶対に忘れないで


差し伸べた手は 決して離せないってことを


あなたの優しさを信じて 目の前に伸ばされた手

両手でしっかりと つかんであげて

信じさせた責務を あなたは果たす義務がある

つかんだ手を 必ず上に届ける義務が


ねえ 手と手が伝える暖かさ その気持ち

きっとあなたは感じるでしょう

この手と手が繋がってよかったと


言葉では言い表せないってことは こういうことなんだなって


そうして上についたなら

互いは対等に 喜びを分かち合うでしょう

助けてくれて ありがとう

助かってくれて ありがとうって

2012/04/09

薪になる

少しでもあなたをしりたいと

少しでも僕をしりたいと

二人は本当に心を通わせて

まるで今までずっといたように 

お互いの気持ちを通わせあったよね

少し前の会話の言い回し その意図を答え合わせしたりして


長くいるうちにそんな気持ちは消え去って

どうしてだろう 心は通い合わなくなった

分かり合えないことが 二人の恋を錆びさせて

どんどんと互いがわからなくなる日々

皮肉にも


ほんと 皮肉なものだね

まるで初めて会った二人のように

何もわかんない 

例え答えを言ったとしても


優しい言葉は枯れ落ちて

むき出しの枝はただ 風に吹かれカラカラになっていく

大きなだけの年齢を重ねた木

切り倒されて 薪になる

そうなったほうが ましになる

パズル

桜の花はきれいで

いつのまにか暖かくなって

親子の幸せそうな笑い声が聞こえる

春が きた

取り残された僕は

今もなお 冬の中にいる

ぼくはまるで

別のパズルから持ってこられた1ピース

決して溶け込むことは出来ない


でもいつか

桜の花びらが飛び散って

どんどん暑さが増して行き

親子の幸せそうな笑い声が聞こえる頃


少し遅れてでも 春を迎えられたらって

周りに合わせて 不器用な笑顔でも

パズルに溶け込もうとしていいですか?

2012/04/01

窓 雪

どおりで世界は銀色の

雪の景色になっているわけだ

窓はその冷たさで僕の手を冷やし

開けさせないよう抵抗をしていた

冷たい風は容赦なく入ってくる

まるで待ち構えていたかのように

僕は この誰も踏んでいない雪のようなまっさらな人生に

長い足跡をつけてきたんだなあ

時には二人 殆どは一人の足跡で

どちらかが息途絶えるまで 足跡を続けていけるような

そんなひとにであえたらどんなに幸せだろう

そう独り言をいいながら 僕は窓を閉め

また眠りについた

悲しみ自慢

あなたと私が話している

それは生きているってことのひとつ

どうして悲しいことばかり

そうしてひきこもってしまうことを

どこか自慢げにつぶやいてみせるのですか?

こんなにもあなたはふつうで

楽しければ笑い 悲しければ泣くというのに

空を見あげて その青さに目が痛くなってしまっても

それも生きているってことのひとつ

闇夜に慣れたあなたの目 青や白が映ることは稀なので

どこか実際に感じている自覚が欠けているのですか?

こんなにも青空はすてきで

晴れた日は笑い 雨の日にはがっかりするのに

浮いていても 沈んでいても どれも生きているってことのひとつ

ほんとうは知っているんでしょ?

楽しいことに目を背け 悲しいことばかりの人生って自慢するあなたにも

2012/03/30

変わる

あの時のまま変わらないでいたら 

どれだけ幸せだったろう

きっと

二人は終わりを予感して 

あの時そう言い合ったんだろう


こんなにも無残に終わるとは想像できなかったけれど


そんな僕もやっと 半年を過ぎ 

色々な人と関わるようになって 周りの人に 『変わったね』って言われるようになった


でも まだ変わんないよ

傷はいつだって 不意に心臓を串刺しにする

でも 傷だらけの心を さらに傷だらけにしながら

僕は歩き出す だってうずくまっていたって 

何も変わらなかったのだから


大切なものほど 手から零れ落ちていく ぼくは 

手にこびりついたどす黒いぬったりとしたものを 少しでもすすぎ落とすために

前を向いて生きていくことにした

2012/03/29

心だけかんじ

どうしよう

このうずくまってしまいそうな心のいたみを

ほんとうに いたい

どこにも いたくないみたいに

心ははいつも ぼくのじゆうになってはくれない

じぶんの心も 

あなたの心も

2012/03/26

芥ー

気にしてないっていいながら そっと離れていく心

だってわざわざ 気にしてるって答えるわけが無いでしょ?

起こってしまったことをどうにかしようってこと自体が あなた 虫が良すぎじゃありませんか?

やるだけやって 謝って済ますなんて

許さなかったらどうせ こんなに謝ってるのにって思うんでしょ?

もう 自分の敷いたレールに乗せようって気が満々

絶対に乗りません


だから

気にしてないっていいながら 

あなたのその脚本に沿いながら

謝った 誤ったあなたへの 静かな反撃の作戦は温まっているのです

そうやって生きてきて 当たり前に進めてきたその劇が

わたしというアクターによって 芥になればいいのです

流れ星

あなたと私は ただのあなたと私

突然日本人 と括られたとしても

だからこそ 共感できるところは大切にしたい


私は海亀の産卵をみて 一緒に涙する

突然動物 と括られたとしても

だからこそ 生を共にする感覚を大切にしたい


私は輝く星空の下 ただ息を呑む

突然原子出来ている と括られたとしても

だけれども そんなにも輝くことはできないって知っているから

時も忘れてただ見上げ続けている


きらりと落ちる 流れ星

君にとっての終わりを 

不謹慎にも僕らは 幸運のひとつとして感じてしまう

ちりになって燃え尽きる君に どうして僕らは 願い事をしているんだろう

命を終えるまでの 一瞬の最後の輝き

ああ そうか それを僕らの人生と重ねて きっと 願うんだ

幸せになれますように 輝くような最後が送れますようにって

2012/03/24

あさ

あたらしいあさに

ぼくはきょうもきぼうをもてないでいる


どうせきたいしたって がっかりするだけ

そしてこころは どろどろとしたえきたいに

ぼくにとってまいにちは だれかがいうように 

おなじひはない なんておもえないんだ

ちがいがあったとしても ごこかろっこのまちがいさがし

まるで しょうがくせいのざっしのふろくのようなもの



やがてこころは つめたいこたいになってしまった

さいごのあさって いったいどんなめざめなんだろうって

ふとおもって ないた

2012/03/23

君は笑む

雨が降る

僕は駐車場から駅までの少しの時間ですら

とんでもなく不愉快に思った

君が来る

僕は早く着きすぎた駅の椅子に座り

何万回もの貧乏ゆすりを続けていた

雨が降る

僕は駅から駐車場までの少しの時間ですら

同じ傘に入っているあなたで幸せを感じた

雨が止む

僕と君との笑いだらけの会話は

だからといって止むことはなかった

僕は祈る

雨にも風にも そして晴れにも左右されない 君と続く永遠の幸せを

いつものように おーい って 待ちきれずに遠くから大きな声で呼ぶと

君は笑む

2012/03/18

うらはら

さよならがいえるだけ幸せだったのかもしれない そういい聞かせたとたん 涙がこぼれた

2012/03/16

パラレルライン

何でも病のせいにしてしまう弱さと

弱さをただ攻め立てる心の狭さとが

この社会を黒くうめつくしていく

言い訳ばかりする結果を残せない人

結果だけでしか物事を判断しない人

どちらもずっと過ちを続けていくのだろう


絶対に交わることのないパラレルライン

それすらも僕は 無駄と思えないでいる

お説教

頑張れという人を嫌いという人が嫌い

そりゃあね 陳腐で他人事のようで

これ以上頑張れっていうの?って感じるのはわかるけど

わかるけど

言葉はみつかんないなか どうにか声をかけたことばでしょう

なんでその気持ちを汲み取ってあげないのさって

お酒を飲んでるわけじゃない僕が 君に説教しているわけなんですよ

それでもあなたが好きだから

お腹が痛くなってうずくまっても

だれも『だいじょうぶ?』って言ってくれはしない

小さな子供の頃には戻れないんだ


気持ちが折れて心のなかで叫んでも

誰の耳にも届きはしない

助けてほしいくせに 言わなくても気づいてほしいなんて

高慢なんじゃないかな

それで相手を見限るなんて 男を見る目がなかったってため息をつくのは

 ひどいんじゃないかな


あなたの声が聞きたい

そんな君のままでいいから

今度は聞き取ってみせるから

2012/03/14

得失

人間は何かをうしないながら生きているんだよって

小さな頃言われた気がする

だからいつか 皆死んでいくんだよって


私は 確かに多くのものを失ってきた

けれど

何も得なかったわけじゃない

あなたの愛 授かった子供達 生きてきてよかったって

本気でそう思えるんだ

2012/03/13

部屋に響く地獄の声

広い部屋に独り

空間に押しつぶされるような感覚

ソファーはソファーのまま ピアノはピアノのまま

突然しゃべりだして 遊び相手になってくれることもない

茶色の床 白い壁紙 黒い壁掛け時計 そして僕

不調和はここまでくると なにかしらの調和を生んでいるように感じる

時計の音 遠くを走る車の音 冷蔵庫のぶうんとする音 僕の心臓の音

これ以上の音はない あったところで 何も変わらない

広い部屋に独り 自分のネガティブさが十分に発揮され

僕は 僕のまま あの頃は あの頃のまま


幸せだった過去は 突然現れて僕を鬱にする

へへへ あの頃の幸せは いまのお前を苦しめるためだったんだ 

と 頭の中 胸の中を ぐわんぐわんと響き続けている

天井は裂け その上の空も裂け 一瞬で真っ暗な世界に包まれる

あなたのことをずっと好きでいるねって

あの言葉が今は 僕を地獄に落とす

2012/03/06

青と茶色 空と地面

幸せを 例えば青色としたら

僕はいま 茶色

豊かな心も持てず 得たいものは多く 努力は少ない

飛び立つことの出来ない地べたを這いつくばる羽をなくした虫


青い空は いつまでも高く 高く上にただ存在するだけ

ねえ あなたを例えるなら 青色

僕はいま 茶色

 羽は失ったんじゃない 自分からもぎとってしまったんだ

見上げるだけの恋

選択した不自由な自由に 時折苦笑い 穴を掘り 眠る

そしていつか 茶色は黒へ

2012/03/04

言葉は介する

言葉が涌き出る感覚

考えと言葉が一つになる時は少ない

イメージはいつもイメージでしかないのだから

その出てきた言葉がまた

第三者にそのまま伝わることも

それ以上に少ない

2012/03/01

幸せの鳥が破れ 思ったことは

世界とあなたが 一緒になって

僕は幸せでたまらなかった

青白く輝く鳥が

闇夜をそっと 飛び立つように

何ていえばいいんだろう

言葉はつまり 言葉でしかなかったってこと


笑顔が笑顔を呼び

笑いの上に 笑いがのっかっていくような


牧歌って 誰かが呟いた気がした


ああこんな人生なら 今終わったって構わないって

思ったことは本当 思っただけだけど


そして人生は決して四季になぞらえるべきじゃないって

言い聞かせていた僕に訪れた冬

草木は枯れ落ち 僕は再び一人になった

世界からあなたが 剥がれ落ちてしまって

狭い 暗い 寒い世界だけが残った

幸せと名のつくものすべて 持って行かれてしまった僕は

闇夜にそっと戻ってきた 鳥

闇と同じくらい深い黒い 鳥


何ていえばいいんだろう

言葉はつまり 言葉でしかなかったってこと

流れていく涙で

言葉は詰まり 言葉すらでなかったってこと

くやしくて惨めな中で 思ったことは



ああこんな人生なら まだ続いたって構わない

恋人以上 友達未満

どうしてだろう

あなたと話しているときの

冗談まじりの 大好き や

仕返しに呟く 冷たい が

深く心に刻まれるのだろうって


友達でもない 恋人でもない関係で

ここまで素をだせるのだろうって


話し始めの頃

あなたはとても優しかったと

いうとあなたは切り返し

だけど今は 親密じゃない?って

確かにそう でも


やっぱり僕は思うんだ

どうしてだろう

友達でもない 恋人でもない関係で

こんな会話が出来るのだろうって


青い 青い空に 太陽じゃなく 満月がきらめいているような


恋人以上 友達未満


あなたへ伝えたい

すきだって言葉

どうして届かないんだろう


声にださないからだって

ほんとはわかっているんだけれど

2012/02/28

宝箱

子供が大好き

そんなわたしには

園児がいっぱい乗ったバスが
 
宝箱にみえるのです

大事に 大事に届けてねって

いつもお願いするのです

2012/02/27

一回ごと

一回ごと 一回ごとの会話で

悲しんだり

ちょっと喜んだり

自分も相手も疲れる性格

どうしても直せない

質問。

裏切られて生きてきた僕でも

誰か一人くらいは 信じられる人に出会いたい

ねえ 僕はあなたを信じます

よかったって思えたまま 死んでいきたいって言ったら

どんな顔をして 何て言ってくれるでしょうか

2012/02/25

愛という貝殻

好きだって言った僕をびっくりした目で
まだそんな気持ちがあるのって言った君
何年もの間過ごしている中で
同じものを持ち続けることは出来なかったんだね

ぼやけた危機感は確信に変わった

残念でならないけれど
それを失わせた僕の責任は
決して少ないとは言い切れないから

君がいつか落としてしまったもの
僕も仕方なく捨ててきた

僕は本当に残念でならない
でも
どうしてもあの頃には戻れないと知ったから

音も無く砂に帰っていく貝殻

強くあること

全ての人があなたのように

強いわけではないのです

あなたは 弱さを憎み 見下す

手を差し伸べる優しさを捨ててまで

強くなることは そんなにも大事なことだったの?

2012/02/23

生きる=死ねない

びくびくと恐れながら生きる人生

あなたは何故生きているの?

死にたくないからって理由も

言い訳にすら聞こえる


何を手にできたわけでなく 手にしようとしたわけでなく

それなのにただ 世を嘆くっていうの?

ピエロすらやれない 余りにも馬鹿げたショーは

笑い 罵声 すらない

客もいないし そもそも観客席すらないテント


流れていく人生のフィルム

何も感じようとしないまま 垂れ流しのシーン

時間通り放映しようが 早送りで終わらせようが

何も問題が無い 月の裏側でひっそりと存在しているだけの映画館


あなたは何故生きているの?

生きているからだよって馬鹿にした答えも

あなたのどこにも焦点が合ってない目が

本当の答えを語っている

砂粒をつけた手で言う お帰り

何者か分かっているつもり

世界はまだ 気付かないでいても

僕だけは気付いている ちょっとした言葉にこもる香り


にぎりしめたこぶし

砂だらけの地面に落とし

そりゃちょっと痛いけれど

自分の中で何かが起きる


砂は払い落とさなくていい

痛みも忘れなくていい

ちょっとだけ 頑張って

歩き出せる 起きた何かが歩みを進める


僕は何者かに 語りかけて見る

世界はまだ 何にも気付かずにいるけれど

僕だけは気付いている


お帰りって 独り言

誰にも聞こえなくって いい

僕は その言葉を言えた

それだけでいい

希望 というには余りにも汚れた思い

いつも輝いている時期ばかりではない

けれど

そうでないときがあまりにも長い


いつも話しているあの人も

もし僕が 姿を消してしまったら

心配になってくれるのだろうか

それとも

その時々の風景にあわせ

同じように誰かと話し 過ごすのだろうか

今日飲んだ水 明日飲む水

同じではない 同じもの

あなたにとって私は 水でしかないのだろうかって


自分ではどうしようもないことに恐れるのは

本当に馬鹿げたことと分かっているのだけれど


いつか輝いた時期がきたらきっと

居心地が悪くなるに決まっていても

僕は そうでない今に落胆し

そうでない自分自身を 恥ずかしく思っている



本当に馬鹿げたことと分かっているのだけれど

2012/02/22

祈りが繋ぐ何気ないひととき

あなたと交わす会話の中に

どれだけ思いを込めているか わかっていますか?

あなたにはただ 何気ないひとときかもしれないけれど


本当は もっと近い存在になって欲しいけれど

今はもう この関係だけで十分だから

どうかこまま いつまでも続いてくれますように



僕は祈らずにいられない

あなたにはただ 何気ないひとときかもしれないけれど

苦しいときのおまじない

いつも運がない人生を送ってきたくせに

どうして今さらそれを嘆くのか

深く愛されたことも 何かに満たされたこともないくせに

そうやって生きてきて 生きてこれて 文句を言うなど欲深いこと

だから今日も 起きたあるがままの現実のなかから

幸せを拾いなさい

2012/02/18

死ぬというのなら

『あなたとの繋がりが消えるのなら

私は自殺する』といわれた

うれしくもあり 少し怖くもあった

ほんとうは

そこまで思うのなら何故

一言『すき』と言ってくれないのだろうと


そんなぎりぎりの試すような言葉なら

ぼくはいらない

そのぎりぎりを踏み越えた

本心から出た言葉が欲しい


2012/02/15

君に問う

真っ暗な世界が 

太陽が昇ることにより光を取り戻す

あなたは 

僕にとって そういう存在


僕は何でも人のせいにする

悪いことや 

良いことさえも

自分ってなんだろうって考えたときに浮かんだのは

僕は流れていく出来事を 

あっちやこっちにえり分けるだけの存在


君に問う

あなたが降らす光は

僕に当たって陰を作っていますか?

それとも 僕を通り抜けてその先を照らしていますか?

コーヒーと人生

例えば、

ホットのブラックコーヒーを買いにいって、

ここのコーヒーはブラックじゃないな、

お!あったブラックっーて買ったらコールドで寒いなか手ひんやり...

うわー身も心も冷たいや。

と思いつつ横で暖かそうな飲み物を持つ人を羨む...

ていう人生です。

2012/02/14

負けないゲームをたしなもう

誰よりも、楽観的に考えているくせに

望んではいない現実に出会ったときには

『やっぱりね』

決して負けない 人生のゲーム

本当は 傷だらけ


2012/02/08

さい

なにかをしてあげることに

なんのくつうもない

なにかをしてくれなかったことに

おおきないかりをかんじる

むしょうのあい への

むじょうのさい

おやこ

こどもにあえなくなったおとうさん

おとうさんとあえなくなったちいさなこ

どっちがかわいそうなんだろう

あたらしいこどもや

あたらしいおとうさんが

そのあとのじんせいをかえても

かえなくても


おんなじくらい かなしくおもう

きっと

しらないおやこの たのしいやりとりに

どっちも しらずにいつのまに

なみだがながれてしまっていそう

どうかせかいのおおくのおやこが

いっしょにたのしくくらせますように

2012/02/05

椅子 雲 青空

こっちを向いている 誰も座ってない椅子

かつて 

これに座り勉強をしていた 長く続かずにすぐに寝てたっけ

僕がしてきた努力に比べて まずまずの豊かな人生を送ってこれた

運か自分か周りのお陰かは わかんないけれど


外に出ると 灰色の分厚い雲

雨は降りそうで降らなさそうな 微妙な天気

ちょっと風も出てきたし 傘を持っていこうとした頃

ぱらりと 雨

いいタイミングで傘を広げ 歩く

勢いよく落ちてくる雨を 傘が 弾く

頭の上で 大きな音 不快と言えば不快

そんな中を歩く 音と一緒に 愉快といえば愉快


見慣れた寂れた垢抜けないデザインの駅につき

靴についた泥を落とす 

切符を買い ゲートを通り 誰も座っていない椅子に座ると

真っ白な布に インクを落としたように 冷たさが染みてくる

温まって気にならなくなるまでの時間

僕はガムを取り出し 少し噛むと 包んで捨てる

長く口に入れることが出来ない 小さな頃からの変な習性

もったいないって 言われては言い返してたっけ

味が無くなるまで噛むのは 感覚の鈍感さや 貧乏性の露呈だぞ って

たとえそれが 僕を除く皆の意見でも

対等な ひとつづつの事例  多性と希少はイコール それは譲れない


電車が来て 俯いたまま電話をいじる女の人の横の席に座ると

ふと見た窓の外に 少し勢力を取り戻してきた青空

今だ 負けるなと 意味も無く応援


車両を移動してきた 年老いた男性に席を譲り

通り過ぎる風景の中に これからの人生を思う


目的の駅に着き ゲートを越えた

空きの無い椅子の群れを抜け

駅をでるとそこには

頑張って雲に勝利した 一面の青空が広がっていた




































詐欺の広告のような人生の充実

使えるお金が増えて

車や ブランドの服や 高価な時計を買って

趣味が増えて

体重も減って

友達との時間が持てて

仕事も上手くいって

まるで パワースーンとかの詐欺っぽい

夢のアクセサリーを手に入れたかのような 充実した人生




でもこれだけ集めてもぜんぜん


あなたを失った穴は埋まりません



2012/02/04

あおいはる

こころあわられる ふしぎなことば

あなたがすき

いえたわたしは ほっとして

いわれたあなたは はっとして

もうどうでもいいやっておもいで だしたことば

つたえることがすべてだった


だからそのあとのへんじ

なにもきこえてなかったんだ

でも

わらったあなたのかおで すべてがわかった


もうどうでもいいやってだしたことばのおもいで

あおいはるの ほほえましいひととき

もどりたくもあり もどりたくもなくあるじだい

2012/02/03

思い出

日に照らされて 真っ白な砂浜

その先の青い海さえも

あなたの笑顔は輝いていた

その時撮った写真に

夏が終わるより早く思い出となった あなたが写っている







2012/02/02

かたちのないもの

おなじコップでも

ひろったものと あなたにもらったものは 違う

かたちのあるものに宿る

かたちのないものが決める価値


それは

ぼくらが現実と想像のなかで生きていることの証
















ちきゅう

ちきゅうにうまれて

にんげんにうまれて

いのちのやりとりはないけれど

こころのやりとりのようなことをして

いきています


なにかとくらべれば それは

しあわせだったり ふしあわせだったりなんだろう

くらべなければ それは

ぼくらそれぞれのかんじることが すべて

にげみちがないぶん いいわけのないじんせいになる


ちきゅうにうまれて

にんげんにうまれたんだから

にんげんなりにくるしみ 

にんげんなりにたのしみながら

いきていきます






























2012/01/31

振り返る

踏み切りを越えて

たんぼと川の間の道を行くと 君の家があって

学校帰り いつも二人はここで別れた

駅からまっすぐ自分の家に帰るまで 2倍の距離になるけれど

何倍も幸せな帰り道


ある日学校で

『いつも私は見送ってるのに 何で一回も振り返らないの?』

と寂しそうに言われたことがある

そうだ ぼくはどうして 振り返って

君を見なかったんだろう

君を見ようとしなかったんだろう


その日 振り返ると君と目があって 笑いながら手を振り合った

あの頃は本当に 本当に幸せだった


具体的にその頃が何年前かもすぐに浮かばなくなった今でも

僕は歩いているとき ふと振り返るときがあるんだけれど

君は後ろにはいないし

もちろん横にもいない


気遣いの欠落をおしえてくれた 今の君の誰かは

ちゃんと振り返ってくれているだろうか?


カンカンカンと音が鳴り

踏切が黄色と黒の棒で塞がれた


電車は通り過ぎ

開いた踏切を僕は通り過ぎた

























散歩

朝から続く寒さも

太陽が真上に来て 少し和らいで来る頃

30分100円の

コインパーキングに車を止め

コートを着て 外に出る

手袋は無ければかじかみ 有れば暖かすぎるような気温

僕は 白くならない息をしながら あてもなく歩いた


時系列がばらばらの思い出が 断続的に頭をよぎって

記憶の中を散歩している気分

少し風がでてきて ポケットに手を入れ進む

通り過ぎる風景 人 車

信号を赤で何度も進みそうになりながらも

僕はあなたと出会った頃の自分に出会った


別れた後に見る 出会った頃のあなたと僕の馴れ初めは

本当に悲しくも 滑稽で

笑顔や真剣な眼差しも全て 胸を痛めるだけしかない



やっと記憶から抜け出した頃

何時の間にか 元の場所の近くへ戻っていた


僕は

駐車場に戻り

300円を入れ 開いたゲートを抜け

現実に帰り 家路に着いた





















2012/01/29

さざなみ

優しさを求めると突き放され

諦めて去ろうとすると寄ってくる

その時に決まって言われる

冷たいって言葉

あなたが僕を

傷つけた痛みほどじゃないって

言い返したくなる


その小さな仕返しすら

胸が痛んだっていうのに






僕はこうして

あなたが作った池から

抜け出せずに泳がされている

2012/01/28

かがみがおもうこと

わたしがあなたをすきなのは

あなたがやさしかったから

わたしはかがみ

あいてのこころをうつすだけ

けっして じぶんからはうごかない


それでいいとは おもってはいないけれど

かがみはかがみ

あなたをただ うつすだけ


あなたをそっと おもうだけ

2012/01/26

黒い車に白い雪

黒い車に白い雪

そっと手で雪を払いのける

現れる黒い車体

まるで 心の闇のよう

雪で外側を白く包んでも

奥底にある闇は いつまでもそこにある


きれいにしても すぐに汚れる

雨はいつか降るし

走れば 汚れてしまうのだから


それでも時には洗い流し

リスタートをする

なんだか

人生の中の息抜きのようだと思いながらも


























信じられますか?

ひどい仕打ちの仕返しに 事務的な応対を君にする

電話のかわり際 『なんか淡々と話すね』と暗い声

それから3時間後の電話に出た君に

話半分で当たり障りの無い会話をしていると

『冷たい』 と一言

とぼけて 誰が?というと 少し無言の後に僕が という

『電話に出てもすぐに代わってしかいわないんだもん』

ばれないようにしたつもりが 完全に伝わっていたことに驚きつつも

なんかごめんねってはぐらかし 別の人に代わってもらう

『私あての電話じゃなかったんだ』とまたかわり際に暗い声

ちょっと以上の罪悪感 仕返しなのに悪いなって思う気の弱い僕


携帯に電話をする

今度は普通に話してみると 少し機嫌が直ったみたい

仕返しだったんだ これからはそのときに言うからというと

『その時だったら 忙しいって切ってしまうかも』と君


仕返しの火がまた点いた


じゃあ 僕はいつも我慢しないといけないんだね もう限界 無理だねそれじゃ

もし逆切れされたなら 朝みたいに淡々と必要なことだけしか話さない と早口で応酬

あわてて君は

『私が変わるから 私が変わるから』


絶対に無理だ 変われるわけないよってわらった僕 

やっとお互い 普通に話せた

誰よりも落ち着く君との会話 どうしてだろう?



繊細で傷つき易い君 だけど僕も同じくらいなんだよって

これは さすがにいえなかったけど

脅すみたいでごめん だけど言っておきたかったんだ

『大事なことだからいいよ』の返事に僕は 激しい違和感を覚える

実際は

あなたと僕は 友達でも彼女でもない

あなたとわたしの関係は

一体他人にどう写るのだろう?って

























雑記:人をスマートに嫌いになる方法

何かを言われ 何かをされたときに 人を嫌いになることが誰しもあるはずです

そんな時、怒鳴ったり、拗ねたり、他の人に悪口を言って同意を求めたりはちとかっこ悪い

そこで スマートに人を嫌いになるって どんなことだろうと考えたわけです

①今までの関係をそのままにしつつ、心だけはその人を嫌いになっている

②わざと相手を嫌わせ お互い関わらなくなるように仕向ける

③会うこと、話すことを極力避け 疎遠になるよう祈る

うーん結構むずかしい 三つ(しかもなんかむりやり)しか浮かばなかった


本当に嫌いになると 毛嫌して全身で表現するか 冷めてどうでもよくなってしまうかの両極かな

後者だと一番楽で①も②も③もしなくていいな

前者だと 結局三つともできないだろうな


スマートって やっぱりむずかしい

やっぱがつーんと喧嘩して仲直りが一番!(なんじゃそれ)












2012/01/22

傷つけた人が傷つけられる時

愛する人に 傷つけられたとき

どうしようもない苦しみと一緒に

過去に傷つけた人のことを思い出した


あの時は 本当に無慈悲なことをした

傷は今 癒えているだろうか

もう 何もしてあげられないし

もう 必要とされてもいないだろうけれど







2012/01/21

帰ってこない声

帰ってこない声

何故去ってしまうの

ただ もっと気楽に受け取ってほしかった

ぼくはそんなに多くを

求めていたわけじゃなかったのに

冗談が深すぎたり

考えている以上に 懐に入りすぎたのかな

いつも僕は 被害者の面をした加害者だ

街灯のひかりすら 冷たく感じるこの季節

体温が奪われるように 心も熱さを失っていくけれど

まだ 帰ってこない声をもう少しだけ

待って見ようと立っている

詩という範疇を越えた? 恋論

恋っていうのはね

もう叶う叶わないじゃないんだよ

話していて あ あの人は自分のこと好きなのかな?とか思い出して

意識して話すと いろいろなとこを無駄に気にして

あーでもないこーでもないって一人考えながら眠れなかったり

結局向こうじゃなくて 自分が相手を好きなだけなんだけどね


んで どうしよう とか もう精神病手前まで苦しんだり 浮かれたりして

友達づてで 彼氏がいるとか聞いて ゲームオーバー

すっごく落ち込んだりね ありがちなんだけど 

その 負けが決まるまではもう現実と希望とがミックスされた世界を生きているわけ


で 痛い思いをしてもまた 同じような繰り返しをする とね

もちろん 過去の学習で 浮かれないようにとか どうせ誰か好きな人がいるんだよ とか

突進する自分を引きとめようとする自分 まあ ウイルスの耐性みたいなものがあるんだけど

なかなか割り切れないで 結果はおんなじ ゲームオーバーでね ははは

終わってしまえば 馬鹿ですまされるんだろう

でも 恋つうのは それでいいんじゃないかな

いつか叶う日が来るかもってのは 無いわけじゃないんだから

それまでなんでもこーい なんてね つまんねえ ははは


てわけだ じゃあな

























2012/01/20

雑記:街を歩くということ

街を歩く

人の中を

景色の中を

道を決めず歩くから

そこがどこか分からなくなっても

迷ったわけじゃない

目に入るものを感じるまま取り入れて

気が付いたら何も考えなくなっていたり

暇つぶしでもあり

大切な行為でもある

何ものにも縛られない時間

多くの人が出入りする駅の入り口

誰を待つわけでもなく立ってみると

自分の時間だけ止まって

それ以外の世界だけが動いている感覚がする

寂しい けれど どこか満ち足りた気分

皆社会で出払ってしまった住宅街
撮影のためだけにこしらえられた街を行くような

たまに人と出会うと現実に引き戻されたりして

運動にもなり 頭の中もすっきりとするときもある それが街歩き










2012/01/19

今日は母の命日

雑草だらけの公園

遊具も錆だらけだけど

小さな頃遊んだ記憶は残っていて

誰もいないのに 笑い声が僕には聞こえる

何年も前からの声が 今の僕に届いた


僕が過ごしてきた時間は

いつも思い出せないだけで しっかりと残っているんだなって

例えば

ひいばあちゃんに貰ったお金で 駄菓子屋でチョコレート買ったことや

そのひいばあちゃんがしんで 泣かなかったことをこの公園で怒られたこと


泣くだけが悲しむことじゃないのにって 思ってた

だから僕は意地でも 泣かなかったんだ


死んだお母さんが 夢でばあちゃんと踏み切りで歩く夢を見ていたって

聞いたことも思い出しで 少しぞくっとしたりもした



その公園のブランコに座って

そんな色々なことを思い出していると

夕暮れはもう終わり 夜の始まりを薄闇が知らせに来た


僕はもう いかなくちゃ

でも

あなたたちはここにも 僕の中にもいて

これから何年経っても あなたたちの優しさは

僕に届くことでしょう


さようなら  また今度

2012/01/17

ゆめのなかで

おおきなこえでないたなら

おふろにはいってあったまって

ぱじゃまにきがえておやすみなさい

ゆめのなかでは

じゆうにとんで

いっぱいわらって

あそんでおいで

悲しいときは

左手を少し開いて胸の下に

右手はそっと添えるだけ

そして

悲しかったことを思い出しながら

ぎゅっと両手を閉じたなら

少しだけ 心が軽くなるでしょう


こうしてなんとか生きています

それでも残った悲しみは

チョコとワインで流しましょう

悲劇的な内向的

理想の『本当の自分』を心に飾って

現実の自分を『仮初の自分』にしてしまえば

思ったような人生を歩めなくても 傷付かずにいられる


そう思って始めた


どこにもいない『本当の自分』


生きていくための小細工で

生きていく意味をなくしてしまった悲劇

抜け出せない 落下していく人生

苦いミニたい焼きの日々

わたしはべたべたしたいわけじゃないって
突然突っぱねられた帰り道

それからの君は どんどん僕から離れていって
学校に向かう電車に乗り合わせても
無言のままの日もあった

もしかして をはるかに越えた別れの予感

そして訪れたその日

最後の電話で泣きながら

私と会っているときのあなたは
いつも顔がひきつって
笑えないあなたにしてごめんねって

いつもそう
僕は分かったって言うだけで

歩いた時間と同じくらい
笑いあったあの頃も

餡とおもった中身がチョコで
突然口移しで渡されたミニたい焼きも

早く忘れようと心に決めた
今でさえ 思い出すこともあるんだけれど
あのころの悲しさはなくなって
懐かしい過去とすら感じるようになれた

最近あった友達に
引き止められると思っていたと漏らしていたと聞いて
苦い 苦い思いをしたのは内緒

だって
もう終わらなかったはずのもう一つの未来は
僕にはもう 想像できなかったんだから

2012/01/15

明日注意すること

君は人の好意に 鈍感で

ほら

勝手に気が付いたら好かれていて びっくりしていただろ?


本当に好きな人には 臆病で

ほら

それまでは普通だったのに 意識しだしたら全然だっただろ?


後は

君は不用意に人に心を預けすぎるから 戸惑わせたり

どんどん自分をさらけ出すから 底が浅く見えたり


なんだろうね

よくここまで失敗を経験して

そのままでいられたもんだと感心するよ


でも よく頑張ってきたよ

君には最後には幸せになってほしい

だから もう少し人を見る目と 本当に心に通る優しさを身につけて欲しい

恩着せがましいところも やめたほうがいいね

まあ とりあえずこんなとこだ


今日は疲れただろうから

あったかくして早く寝なさい


また明日

















本当に悲しいこと

何でも分かり合える人に出会えるのは

とても幸せなことです

その人といつしか

分かり合えなくなってしまうのは

本当に悲しいことです

その原因が

どちらかでも 二人のせいであったとしても

僕の『当たり前』

車もまばらな山道に

ひっそり営業している金券ショップ

よくこんなところで開いたなって

ぼくは

世の中には色んな人がいると

考えさせられた

思った通りなんかいったためしもないけれど

僕のちっぽけな『当たり前』に

ついた傷


ボリボリと食べるそのちょこで

いつか口が血だらけにればいいって君に言ったら

怒って突然

ひっかかれたことがあったけど

なんかそんな感じ

分かんないよね

僕も分かんないもの

心の会議 紛糾

こころがまっぷたつになる

いいことばかりのこころと

わるいことばかりのこころに


前向きに生きれば生きようとするほど

空しさの風船がふくらんで

二大政党が

過半数を取り合うような心の運営

リーダーシップはとれません


なにもうごかないまま

ただつかれていく

ほんとうにかなしいせいかく















しあわせあわせ

幸せをただ願う

ショーケースに手をつけて眺めるような

そのままじゃ いつまでたっても買えません



ショーケースを開け 手にする日が来ても

それが本物かどうかもわからないんだけど






2012/01/14

おめでたきひと にあこがれて

ひっそりと人を思う

優しい言葉をかけられれば喜び

少し冷たいと大きく悲しむ

出来るだけ

本当に出来るだけ

勝手に自分だけ踊るような

勘違いをしないように心がけながら


期待した反応以上も以下もあるのは当たり前

答えを聞けない 自分のせいと

何度も何度も言い聞かせる


テレビを見るだけより

ちょっとだけ 影響を及ぼせる娯楽のよう

とはいえ

そう思えてしまえれば

こんな苦労はしないのだけれど























人が多くなると面倒も多くなる

二人で話している友達に

もう一人を足して見よう

いつのまにか

仲良く話す二人と

さみしそうに 相槌や笑いを入れる独りが出来上がります


人数が多くても 流れを作れる人より

人数が多いと 埋没してしまう人が気にかかる

ひっそり孤独に悩む人を

そっと流れに戻せる優しい人になりたい


とけたチョコに

バナナや マシュマロをつっこんで

皆でたべる チョコレートフォンデュ

みんなをつなぐ そんな人に

チョコとアーモンドの不思議な関係

仕事の会話が増えるたび

軽い冗談を交わすたび

それは生まれた

遠くも近い 不思議な関係

いつしか冗談の割合も増えて

仕事なのか 息抜きなのか分からない仲

突然の

『もうあらたまって話さないで下さいよ』で始まる

新たにはじまった もっと不思議な関係

呼び出して 出てくるときの『おはよう』や

機嫌が悪いときの『ごめん 今いそがしい』に

仕事中に彼女にかけているような感覚

どうすればいいのか どうなってほしいのか

お互いなぜか 彼女彼氏の話はしない

分からない 聞けないままの

今日五本目の呼び出し

よく出る受付の人は 半笑いで保留した

チョコとアーモンドの不思議な関係



悪くは無い...

でもすっきりでもないんだよな

2012/01/13

公衆電話で伝えたことは

柔らかい地面

靴が沈みこむ

高いのでこなけりゃ良かったと

心も沈みこむ


もう少しで

舗装された道路へ


泥だらけの靴が

アスファルトに跡を残す

ごめんねってなにかに謝って

たどり着いた公衆電話で

僕があなたに

打ち明けたこと


携帯電話だったなら

結果はかわっていたかな

電波がうまく

電話線より伝えてくれたならって

むかしの僕を

なぐさめる






つきかがみ

つきをみている

だれもいないたんぼのみちで

ひとりすわってみあげてる

ためいきもつつみこまれそうな

つきあかり

こころをうつす

つきかがみ

公園の一コマ

目を引く遊具もない公園で

老婆が孫を歩かせている

おぼつかない足取りを

精一杯のゆっくりな歩みで追いかける

どちらも笑顔を絶やさない

僕は一時 目が離せなかった


やがて老婆は一休み

孫はたまに後ろを見ながら一回り


何気ない 一コマ


僕に足りないもの のような気がした


バッグの中のキットカットを

あげればきっときゃっと喜ぶだろうけど

二人の世界を壊したくなくて

僕はゆっくり そこを出た

2012/01/12

何て残酷な僕と君の人生

記入済みの婚姻届

それを


僕の母と 彼女が役所に届け

僕は新入社員の研修初日

新しい 輝ける船出

のはずだった


突然の電話

彼女の父が 自殺したのだという

真っ暗になる目の前

帰ろうとする僕に彼女は言った

『私は大丈夫 あなたはそこで頑張って』

毎日かける電話

気丈な君はいつも『頑張ってね』

僕は 心をどこかにやったまま

生きるって なんだろうって

死んでしまうって なんだろうって考えながら

25日の研修を 終わらせた



どうして僕はあの時 なにがなんでも帰らなかったんだろう



今も僕は悔やむ時がある

やがて別れてしまった彼女が言った

『あなたは大事なときにいなかったくせに』って

言葉を思い出す時に


矛盾を僕は 正せなかった

終わった後に出る答えに

僕はなにができたろう


一年位たってから

机にしまっていた

その 記入済みの婚姻届を

本当にごめんねって何度も言いながら

僕は焼いた

2012/01/10

チョコレイトドロップス

ありさんの上におちた 水のつぶ

冷たい・・・ そしてしょっぱい!

ありさんはいたずらに もうかんかん

怒鳴ろうと上をみたらさあ大変

人間が泣いているではありませんか


どうしたんだ人間・・・となぐさめてやりたいのですが 

言葉は通じません


しかたなく 巣に持って帰るはずのチョコを人間に


これでもくって 泣きやみな


帰ろうとしたら また 水の粒

冷たい・・・ あれ?ちょっとあまい!

嬉しい涙は ちょっとあまい

優しさが生んだ チョコレイト・ドロップス

人間はにっこりと何かをしゃべってる

わかんなかったけど きっとありがとうっていってるみたいだ



びしょ濡れだけど あったかな帰り道

女王ありも 許してくれた














苦い顔 甘くて爽やかに負ける

素敵な出会い

チョコとコカ・コーラ

甘さと爽やかさ

これならいくらでも入りそう

お医者さんが苦いかおしても

とまらない

体重計は物置へ

ちょっとだけの罪悪感と

すごくたくさんの幸福感

独り映画

大きな映写機の前にいるような人生

スクリーンに流れる映像

流れる出来事に泣いたり笑ったりはするけれど

どこか他人事のよう

僕は一人で この人生を観続けて

やがて物語は終わり

エンドロールのと一緒に葬式の映像が流れる頃には

たったひとりの観客は消えていて

遺影として登場するのだろう


そして


誰かが映写機のスイッチを切る音


訪れる暗闇

思い出のアポロチョコレート

暇をもてあましているついでに

懐かしい場所めぐりをした

高校への通学路

あの娘と別れた通り

昔の家があったところ

その頃の記憶が 

おぼろげながらよみがえってきて

すこし景色もセピア色

僕も変わった

思い出の場所も変わった

変わんないのは 

心の中の アポロチョコレート達

ころころ動いては 

心の内側に当たって ちくりと 痛みを引き起こす

それぞれには それぞれの思い出の味

もったいないから 食べないけどね

おかあさんへ

気がついたら沸騰していたやかん

どれだけぼーっとしてたんだろう

火を止めてつくるインスタントコーヒーは

最後の一個だった


買いにいかないとって

それだけのために外に出る

辺りは真っ暗 入ったコンビニで見た親子

幸せそうに笑う子供

ちょっと疲れた笑顔を見せる母親

僕は欲しいものだけ買って店を出た


帰りがけ あなたの命日だと思い出して

コンビニへ逆戻り


お酒 好きだったよね お母さん


僕は大人になりました

ちょっと今

泣いているけれど

丸坊主タインデー

馬鹿なことばかり

わざと怒らせたりして

仲がいいような

喧嘩ばかりのような

となり同士の君

授業中も休み時間も

楽しく時間が過ぎていた


バレンタインデー

放課後別の女の子に呼び出され

連れられた先に 君


ごめん


僕が求めていたのは そうじゃなかったんだ


今思うと 本当に残酷なことをした

でもあの頃の僕は そんなことまで考えられなかったんだ


もったいなかったかな...


むずがゆい 懐かしさ

青春手前の 並木道 まだ桜も咲かない頃 のような

野球部 丸坊主 中学生

遠い 遠い 昔の思い出

2012/01/09

やまおく

山奥で山姥にあって首を切られて死んだ猫

外ればかりのあみだ 紙ごと破っても元の木阿弥だ

世界は不条理ばかり 星条旗にも頼れない世界

僕らは生きている 死んで行く 子孫を残しても 自分は生き永らえないっていうのに

三万円のこづかいが三億にって そんな見出しで売られる本 馬鹿ばっかり

ねえ 信号も守らない暴走族も 日曜は逆に仕事したりしないんでしょ

都合のいいとこだけ取り込んで 楽に逆らって かっこつけて

ハロウィンや正月や母の日父の日成人の日体育の日

何でも割 一人でも ふたりでも 家族でも

もう誰もひとつひとつ間違いかどうか考えられない 麻痺した世界

誰でも分かるようなことだけ批判して 世界の改革者気取り

人気の無いことは知らん振り 上手な屏風になんとやら

戦場で散る命 カメラマンも命がけで写真を撮る

死んだら勇敢なジャーナリスト 現場から見たら邪魔で無駄死に

家族の悲しみすら それを背負ってでも向かうとか かっこつけの背景にして

被災者のこと 政府には手厚くっていいながら あんたらはクリスマスで暖かい恋

何なんだ 自分を棚において 文句ばかり 自分らの利益は失いたくないくせに

汚い政治家すら おまえらよりまだ素直に見えてくる

僕はお前らより それでも劣って情けない存在に思えてくる

誰かを馬鹿にしたって 自分が上がっていくわけじゃないし

貧しい人を指差して笑っても 何かが豊かになるわけじゃないのに

朝 昼 夜 サマータイム ジャストアモーメント

君をうしなった痛みを 僕はこうして紛らわす

惨めで 本当に惨めで惨めな存在

じめじめした地面の上で 蕁麻疹をぼりぼり掻きながら

いつまでも文句ばかり言って 死んで行くしかないのかな

なんだったんだろう 今までの人生











































待ち合わせの白い息

始まったばかりの今日

薄く明けていく空の下 外に出た

コートを羽織っても遮れない寒さは

身体の芯まで凍えさせるけど

あなたのいない部屋で

どんなに暖房の温度を上げても温まらない心より まし


吐く息が白くぼやけていく

夜だけ見える星のことを 何故か思った

冷えた身体より冷たい車のシートに座り

走り出す

下げ忘れていた 大きな音量の音楽にびくっとしながら


待ち合わせた場所

一足早く待っていたあなたの白い息

十分温まった車内にエスコート

十分待ったあなたの口内にチョコレート

明るくなった空の下

また 走り出す

冷たい手を不意に 首すじにつけられてびくっとしながら


いつもの 騒がしいやり取りが始まる

目的地についても 帰り道でも

どんなに音量を上げた音楽も

二人を邪魔出来はしない

どんなに暖房をかけても

白い息が出そうなほどの

僕らの熱い 恋

2012/01/08

手を差し伸べるということ

差し伸べられる手


差し伸べる優しさも素敵だけど

私にとって

差し伸べられているあなたが一番素敵

握り返す力は

きれいな 純粋な お返し

優しさは 手から手へ繋がって

お互いの優しさとなる

冬だからこそ暖かいものもある

音も無く降り注ぐ太陽の光

四季を問わず

君を照らす

日陰でうずくまっていなければ



太陽の光も素敵だけど

出てきてそれを浴びるあなたも素敵

精一杯の料理

最近料理してないな

独りで作って食べるのって さみしい

あなたの喜ぶ食材で

帰ってくる時間に合わせて作る

下手だけど精一杯の料理

まずかったら言ってねって言いながら

心では おいしいって言えって願ってた


つい

スーパーで買いもしない野菜コーナーへ行ってしまう

やけ食いのチョコを買い込んで開梱して悔恨

ふう

はやくふっきれたらいいなあ

そしたら 新しい恋をして

そのひとに

精一杯作ってあげるんだ

また作ってねって言われたら

おまえも作れよって

笑って言ってやるんだ

とおせんぼ

僕の幸せを邪魔する

とおせんぼ

今夜は眠ったあいつを懲らしめに

とおせんぼ 覚悟しろ!

おどろき破れた白いマスクから

僕とおんなじ顔をした奴がいた

幸せを自分で邪魔して 傷つけて

僕はなにがしたかった

しょうじき

なきたいのに

ながれてこないなみだ

なきたくないのに

ながれてくるなみだ

こころとからだ

どっちがしょうじきなんだろうって

きみはいつか

きいてきたよね


ぼくはいま

なきたくて ないている


ひとりでいたくないのに

ひとりになってしまったから

きみのしょうじきなきもちに

ぼくはうなずくしかなかったから

放題プラン

世界の果てまで走り抜いたとして

俺は俺から逃げられない

じっと動かないままでも

俺は俺から立ち去らない

お前もそう

変わるってことは

替わるってことじゃないんだ


一緒に飲もうや

飲み放題

食べ放題

泣き放題で

着替えどうすんだよ

マイナスイオンとかどうでもいいから

蚊が多い滝なんて行きたくないって言っていたのに

うわーすごいってはしゃぐ君

まくったズボンも びしょ濡れで

考えた末 滝に打たれやがった


着替えどうすんだよ ばか


止めないほうが悪いとか

もう口論する気にもならなくて

平らな石にすわって呆れ顔

君のかばんからこっそり


チョコを盗んでほおばる


ふと目があってこわばる


怒った君がふらす

大量の水が僕をぬらす


着替えどうすんだよ ばか

2012/01/07

心に栄養を

心に栄養をあげましょう

さんさんと降り注ぐ 太陽の光

優しく夜空に輝く 月の光


そして


あなたの 笑顔

友達の 優しさ


こんなにも溢れている栄養


それらを受け止めて 僕は生きている

気付かずにいたことも多いけれど

アンテナを向ければ ほら


ぼくもきっと あなたの栄養になれるはず

そうやって僕らは

互いに支えあって生きていけたらいいなあ

すれ違う車、別れた二人の

別れたあなたとすれ違う

目があったはずの二人

今はどちらも気づかない振り

互いの車はすごい早さで遠ざかる


こうなるはずの僕らは

笑っていた思い出も

一緒に乗り越えた困難も

大切に

ただ大切にしまってきたんだけど


ごめんね

あなたがずっと

好きでいられる僕じゃなくて

わかりたくないけど

わかるような

別れの原因




そして僕は

二つの先の交差点を右折した

僕が見た一番きれいな光景

青紫の朝焼けは

今日の始まりを予感させ

昇り来る太陽をつれてくる

黄色に限りなく近いオレンジ色が

ゆっくり頭を見せる頃

僕とあなたは

二人座って何を話したんだろう

初日の出

高校生だった僕ら

あの光景は

何年もたった今でも一番きれいで

僕の頭から離れない



青春の鮮烈な残光と

笑いながらかじった

チョコがたてた乾いた音



ねえ

僕らが今出会ったとしたら

何を話せるだろう?

2012/01/06

明日という風

時は常に前へと進む

あなたが止まっていても 動いていても

つらい過去が昨日のように思えるのは

あなたがそれを引っ張ってきているから

綱を断ち切れば

どんどん遠くへ行ってしまうはず

対面する次々の 明日が来ても

今日後ろを向いたままで どんどん昨日にしてしまうの?

チャンスは毎日訪れている 今も

目を開けていられないほどの 息が出来ないほどの

吹き付ける風のような明日が


...ほら!

空の裂け目に 貴方の声

一人になると

独りの重みに負けそうな時

ぼくは街に出かける

知らない人たちの流れに身を任せ

ゆらり ゆらりと宛てもなく歩くと

家でいるよりは 気が楽になる


ふと見上げた空に 雲の切れ目から降る太陽の光

貴方の声が 聞こえた気がした

負けちゃ駄目よって

聞こえた気がした

馬鹿

『皆、何で二人はそんなに仲がいいのっていうの

...どうする?』

 という質問に『このままで』と答えた馬鹿


本気かどうか知らないまま その会話は終わった

とっさに出る言葉はいつも

ホントの心を避けてしまう


ワンコールで出た電話に驚いて 『早いね』の後に

『大好きだから』といわれても

『誰が?』と聞く馬鹿

『...両方?』といわれてまでも

『上手いね』って返答をする大馬鹿


本気かどうか知らないまま その会話は終わった

とっさに出る言葉はいつも

ホントの心を避けてしまう


僕の手は自分で開けた穴だらけ

幸せの水はいつも 零れ落ちてばかり

それでも

幸せを願う僕は馬鹿でしょうか?