2012/05/21

銀世界と雪球

放物線を描く雪球の軌跡が

僕とあなたの間をゆっくりと結ぶ

君の頭にあたって びっくりした顔で振り向いたよね

ガッツポーズの僕

笑いながら投げ返す君

輝くようなあの頃に

負けずに輝く銀色の世界


ねえ

あのころは確かに幸せだったよね

港で君と昔話

少し笑って最後の時間

あなたは船に乗り込んで

僕は車に乗り込んだ


後部座席に響く汽船の汽笛が

僕とあなたの間をゆっくりと結ぶ


さようなら


僕とあなたの恋はもう

あのころの雪球と銀世界と一緒に 

形も無くとけてしまった


やがて

汽笛も聞こえなくなって

僕はカーステレオの音量を 上げた

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