財布のなかに入っている
使われはしないクーポン券なら
失ったとしても何も問題はない
悲しみはない
それなら良かったんだけれど
きっと他の人には
何にも変化はない
でも
一人だけ
緑という色が失われたような
そんな喪失
緑を誇る森も
ただの灰色の木の集まりにしか見えない
うっすらとした危機感が伝える
失われたことすら
失われていく恐怖
無為に過ごす日々に
正しかったと思い込み押さえ込んだ思いは
脆くも崩れさる
灰色にしか見えない人生
どこから間違ってしまったのだろう
あるいは
色がついているって勘違いに気付いたのか
起きてしまった結果に
理由を求めたって
何にもならないんだけど
電気を消した部屋のベッドの中で
独り考える
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