2013/12/23

あなたたちへ

ぼくらはいつも

あなたたちがすき

がんばっているところも

ずるいところも


どうしてあなたたちをみると

えみがこぼれてしまうのだろう


ちいさなこどもたち

たいへんなこともおおいけれど

そうじゃないこともあるから

どうか

さいごまでいきてほしい


ぼくたちは

そう

がんばってまだいきているぼくたちは

あなたたちをおうえんしています

2013/12/22

ラエルスーンの詩のつくりかた2

思い浮かぶものを形にする

他人の話や

なんか思いついたことを

自分の経験などとミックスで


そのままの記憶

そのままの創作はあまりない


気分による

逆のときもあるけれどつまり気分によっている


自分に酔ったりは多分していない

お酒に酔ったときは寝ちゃうのです


おやすみなさいのおはようを

寝ている間は忘れます

起きてる時も忘れています









2013/12/10

ひとごと、じぶんごと

多少嫌なことがあってもオフコース

笑っていられるうちは笑いましょう


泥に足を突っ込んで

靴を脱いで裸足になれば

ひんやりとした本当の感触を得ることができます


明日死んでしまうと分かったとして

僕はきっと取り乱すだろうけれど

それでも

涙を流しながらも

それとなくそれまでの人生を振り返れそう


あなたはどうですか?

なんにももっていけないとしても

人生って後ろ向きなままじゃもったいないって

死んでいけるほどの生き方をしていますか?

2013/12/06

日常

おはよう世界

日が昇ろうがそうでなかろうが関係はない

目を覚まし起き出した時がおはようだ


おやすみ世界

日が落ちていようがそうでなかろうが関係ない

眠くなりベッドに入り目を閉じる時がおやすみだ


こんにちは

今日もいい天気ですね

2013/11/28

混乱の闇。

輝きは今終わり

これからは暗闇より濃い

闇さえ存在できない世界になる


息をしたり

悩んだり

恋もできない


僕という存在は 死んだのだ


何を思う?


焚き木をしながら

馬鹿げた笑い声をたてて

くだらない話をするよりはましか?


上に投げられた石が

また落ちてくるようなものだ


隠し通そうとした嘘が

とたんにどうでもよくなるようなものだ

2013/11/22

無感動の責任

無感動の責任は

感動のない世界にも

感動出来ない心のもちようにもあるはずだ


毎朝を迎えるたびに感謝する人や

毎朝を同じ朝の繰り返しと思う人の差は大きい


僕らは僕らそれぞれのアンテナで

世界を感じ取っていることを理解することは

また新たな世界の感じかたに繋がるのだ

じじ

降りようとおもえば降りることができる命のレールに乗って

文句を言いながらも生きている僕ら


面倒くさがりのあなたも

実感のなかにしか

納得はないのだと知るでしょう


結果をしるすたびに

‘時事’が訪れることの喜びを感じながら

きもちをうけとる

きもちのもんだいは

すべてのもんだい


もしも



あなたがぼくのだいすきな

ゆきを なつにふらせてくれて


したにおちるまえにぜんぶ

とけてしまったとしても


わらうことなく

ばかにもしない


きっとよろこびに なみだをながして

このなみだは

ぼくのこころにゆきがとどいたしょうこだよって


かくしもしないで ほこるでしょう

稲穂は実り豊穣の夢を見る

稲穂の香りが風に乗って

窓から入り込んできたあの日

僕は風に吹かれても

揺れながらしなやかに立っていた

自分という根を

深くはって


閉じた窓を抜けて

寒さは今の僕に届く


根のない弱さを

思い知らされながら

夜を過ごす

今日も






2013/11/14

輪にはなれない命を思う

あまりにも残酷な世界

死を予告されている僕たちは

いずれ死ぬ新たな命を喜ぶ


続いている命のレールにすら

永遠を信じきれていないというのに

2013/11/06

深夜。

目を凝らせば

うっすらと何かを見ることができる

うっすらとした暗闇に

僕はいる


遠くに聞こえる電車の音は

壁を越えてベッドにうずくまる僕まで

届く


毎日独りで過ごす

眠りと同化するまでの

うすら寂しい時間

何よりも嫌いな時間

2013/10/27

心と身体の季節

気が付いたら時間が過ぎていた

寝てもいないのに


考えていたのだろうが

記憶に残っていない


何を考えているかも分からないことを考えていた?


夢と大差ない無駄な行為


行いたくて行ったわけではないんだけれど



重い身体を動かすと

寒さが芯に届いていたのを感じた


もうこんな季節


冬はもう

足音が聞こえそうなほど迫っている


冷たくなったドアのノブ

どうしてこの部屋をでたんだっけ?

そして何をしようとしていたんだろう?


時間と身体に心が追いつかない


冬が 来る


心をおいてけぼりの僕の身体に


2013/10/23

2013/10/10

どこかの喫茶店で交わされる僕と君の言葉と心 

生きることと死ぬことは反対じゃないって

始まりと終わりでもないって君は言う


君の君らしい考えを

頬杖をつきながら楽しく聞く


それは 

どこからかやってくる風が

どこかへまた行ってしまう様なものだけど


私とあなたとの恋とは似ているけれどまた違うものなのよって


僕の僕らしい聞き方に

気持ち良さそうに話す


どこからかやってきた君だけど

どこにも行かず僕といて欲しいって言うと

ちょっと言葉を詰まらせて 笑った






とてもきれいで

とてもかわいい笑顔で

2013/10/09

記憶を遡り、まとめる、庭で遊ぶ。

夢の中で聞こえた足音

誰のだろう?

ふりかえるとそこは

森の中だった


鳥の鳴き声

緑のにおい

遠くで聞こえる水の音

誰かの頭蓋骨を通り過ぎた


頭蓋骨...?


誰のだろう?

ふりかえるとそこは

子供の頃にいた家の中だった


夢の中でよくここに帰ってくる

...もしくは呼び戻される

死んだ母も

今はほとんど言葉を交わさない父も

ここでは笑って会話をする


ぼくの記憶という庭で

ぼくはぶらぶらと遊んでは帰る


鳥の鳴き声

目覚めると

今のぼくの家で迎える朝だった

2013/10/04

どうしようもない時

苛立ちをおさめるために入った店に流れるジャズ

見せ場をつくる為だけに上がるピアノの音に

平静はさらに乱されていく


落ち着けと自分に命令しても

脳はそう身体に発信してくれない

脳波をジャック出来たらどんなにいいだろう


これ見よがしな連弾に耐えきれず

たまらず店を出た


カラスは道をあけ

後ろから馬鹿にしたように鳴いた


心と身体が同時に溜め息をした

2013/09/26

歩き  嘆く

人ごみをすり抜けて

歩く

歩く


ぶつかるのはいつも

溶け込めない自分の心


帰路につきながら

嘆く

嘆く


夕暮れの長い影を見るといつも

笑われている気持ちになる

2013/09/17

緑樹のあった風景(心に、森に)


木がいっぱい施された
新築マンションの看板

うん、確かにここは木がいっぱいだった

その木を切り倒した場所に作った建物が
一体何を誇るというのだろう

僕という木を切り倒しながら
自分ではない何かを造り上げ
この世界を生き抜いて来た僕は
決して看板には自分を描かない

いけない
看板一つにこんなに腹を立てるなんてね

うん、確かに僕はせいいっぱいだった

2013/09/14

遠くで聞こえる虫の音

人はいつか死んでいくのね



2013/09/12

みっつの選択+1

未来なんていずれ訪れる何かでしかなくて
現在はただ過去になるだけの瞬間の集まり

それをかきわけ進むぼくは過去を振り返る余裕はない

そんな生き方でどれだけ時間を費やしただろう

馬鹿だったと自分を貶めても痛いだけだし救いはないし

仕方ないと自分の傷をなめても鉄の味だし

素晴らしい選択だったと自画自賛する絵の具もない


さあて それではどう振る舞えばいい?


とか立ち止まると現在が処理しきれないほど立ち塞がるので

結局現在を捌くだけの人生を送りそうです

2013/09/05

自分から目を背けて何処かに本当の自分がいるはずだって思う前に

ずっと気が済むまで目を瞑って

真っ暗な世界を見つめなさい


ずっと気が済むまで耳を塞いで

音のない世界で耳を澄ましなさい


何処にだって

あなたがいるところにしか あなたはいない

それがあなた自身でちゃんと理解できるまで

2013/08/30

昨日の雨雲も払えない僕は

波が同心円状に広がるように

優しさに似た気持ちが溢れたなら

どんなに素敵なことだろう


昨日の雨雲も払えない僕は

悪い足元を

傘をさしながら歩く

抜け出せないまますべて引きずって


雨を喜ぶカエルの声が

どんどん大きくなって

耳をふさいでも遮れない

うずくまって叫ぶ

声にならない声で

2013/08/19

今日の蝉の鳴き声と昨日の蝉の鳴き声

思い通りに進むことなんて
全くなかった人生

でも

だからこその楽しさもあった

トラブルを乗り越えても

乗り越えられなくても


蝉は今日も
暑いなか鳴いている

僕は今日も
そんななか生きている

2013/08/15

言葉は心に

きれいな言葉も

きれいに見せようと発せられたなら

心には届かない


相手を屈させるためにでた理屈だってそう


出会ったことのないひとを思い出す、陽炎のいたずら

あなたのついた嘘たちは
確かに僕を傷つけた

でも今になって思うと
あんなに攻めたてるまでもなかったかな

嘘をつくこと
嘘をつかせること

上手くまとめられないし
上手くまとめてもどうなるわけじゃないけれど

ねえ

こんなにも暑いなか
冬のあの日を思い出したんだ

寒いなかベンチで
凍えながら笑ってたあの夜のことを

楽しさが
ほの悲しさにかわって

僕らは年をとったなあって
もう横にはいない君に話しかけたんだ

アスファルトの向こうの陽炎
ボーッと熱にやられながらの僕は
君を確かに思い出した

なつかしいな

楽しさも
痛めた心も

コンビニにはいって
空気の質が急に変わったなか
お茶を買って出た頃には消えてしまった思い出

2013/08/13

ベッドの温かさとくぼみ

扇風機が送る少し冷ややかな風

テーブルに置いたままのペットボトル

思い出して取りに行くと

ずいぶんと温かくなっていた


少し口につけ冷蔵庫へ入れて

また転がるベッドで

少し前にいた自分の跡と重なった


2013/08/04

天気次第

雨雲も青空も好き

そのときの気分次第

心が青空であれば

『はあ...』

あなたのため息は

人に聞こえるためにある

独り言だってそう


聞こえる人に気をつかわせて

疲れさせることに

意識的に目を背けて

周りを誘導さえしようとするずるさ







2013/07/30

固定観念

ねずみ色を少し白くしたような色のねずみ

人が思うほどチーズを好きではない

日の届かないところで生活を営む

警戒も

逃げもするけれど

人が思うほど猫を嫌いではない

気持ちの整理について

つまらないことだと 分かっていても

どうしても つまらないこととして扱えない

私の心は あまりにも直情すぎて

理性の扱いが どうも低いようだ


素直と言えば 聞こえはいいが

要は制御しきれないって こと


そして その

<つまらないことだけどつまらなくは扱えないこと>に

無駄に頭のなかだけで 自分を自分で消耗させていく


何が楽しいんだかわからない 数人が写ったポスターを背に

独り 片肘をついて



2013/07/28

嘘が嫌いな僕が自分を嫌いな訳

嘘が嫌い

嘘をつかれるのが嫌い

傷ついて信用できなくなる自分が嫌い


嘘をつくのも嫌い

傷つけて信用をなくすのが嫌い

信用してくれなくなる人も嫌い


そう言いながら

嘘をついている自分が嫌い

2013/07/21

せんたく

こころをあらいにかわへいきました

じゃぶじゃぶ

じゃぶじゃぶ

なかなかおちないよごれにぼくは

あらうてがだるくなったので

からだをかわになげこみました


ぷはあ


じぶんをだいじにするだけじゃなくて

ほうりだすのもいいもんだなって

ふくをかわかしながらひとりごと

2013/07/12

純粋で危険な一歩

はしゃぎまわる子供が踏み出す一歩は
決して転ぶことに怯えなんてない

なんて純粋で
なんて危険な一歩


大人になるにつれ僕らは
いろんなことを覚えてしまった

踏み出す一歩に
過去の失敗をちらつかせてしまう

踏み出すことすら出来なくさせてしまう


ころんで足から血が出ることなんて
もう何年経験していないだろう

大人になること
何かを失うこと

戻れないものを
ものほしそうに眺める

それはかつて
大人がおいしそうなものを食べているのを
じっと眺めていたときのようだ

2013/07/11

もがく あゆむ ほをすすめる

暗闇は
いくら眼を慣らそうとしても暗闇のままで

足元は
いくら進んでも固い冷たい床のままだから

僕は
眼を閉じても開いていても 何も変わらないし

歩いても 立ち止まっても変わらないんじゃないかって思うようになって


でも

それでも歩みを止めないのは

心の中の暗闇の奥で

確かに見えるあなたという光に向かっているからだ


小さくか弱いけれど確かにそれは光であるからだ

2013/06/30

大きな海 小さな冒険

水中ゴーグルを通して見る海の世界

ごつごつした岩

早く泳ぎ去っていく小さな魚


あめふらしを踏みつけて

その柔らかさと

目を下ろした先のおぞましい姿に二度驚く

変な煙のようなものを出してきて三度めの驚き


海の中からの冒険から帰還した僕は

帰りの車で気が付いたら(付かないのだけれど)眠って

冒険の続きをしていた


簡単に言うけれど

気の持ちよう

って簡単に言う

それがどれだけ難しいか


いい方に気を持つこと

いい方で気を保つこと


簡単にいくならこの世は幸せな人で溢れてしまうだろう


雲ひとつない空に昇る太陽すら

疎ましく思う人がいることを知るべきだ

2013/06/26

世界

一発目から『世界』かい?

広がったふろしき
畳み終わらないまま逃げ出すのだろうけれど


どうしてお酒を飲むとあなたたちは
大きなことを語りだすのだろう


普段言えない大言壮語
今しか言えないってことがあらわす悲しい素面の『世界』

お店の人に見苦しく絡んだり
常連をなんか無駄にアピールするあなたたちは
それをやればやるほど小さな人間に見えていくことに気付きもしない

静かになった店内で
店員がレジのお金を数える時
知らずに落ちるため息に消える

あなたのその一時的な陽気
小さな酔いへの逃亡

そして始まる
見え見えの笑顔
知った上での応対のビジネスの『世界』

2013/06/21

雨戸を閉ざした 嵐の過ぎ去った朝に

ねえ

全てを閉ざした部屋で目覚め

恐る恐る開けた雨戸から

入り込んで広がる太陽の光は

私を救いにきた神様のように感じるのです


何千個の蝋燭の光も

きっと太刀打ちできない光

だからこそ浴びた瞬間

私自身をも消し去ってしまうような

あまりにも強い力は

安心を通り越して 不安にさせる


私は一体何によって

救われ 満たされるのだろうって

社会的動物って呼ばれたくない

僕たちはとても不器用
人に会うと何か話しかけないとって思う
でも不器用だから
月並みな話題しか
平均以下の切り返ししかできないのです

不器用だけど知っているのです
怪訝な顔をされたり
どうでも良さそうな返事をされていることを

僕たちはとても不器用
そんなときに浮かべる顔はいつだってそう
何の変哲のない
月並みな笑顔で
平均以下の別れの挨拶しかできないのです

毎日生きていくことで
何にも積み重ねることもできずに

2013/06/16

なにかおおきなもの

世界はここにあるだけで

あなたの事を気にかけてはいないし

見守ったりなんかしていません

色々な決まりごとは法則等と言われ

太陽の周りを地球がなんたら 

…そんななかにあなたが生まれただけなのです

気兼ねなく

なにか大きなものに頼ることなく

生きなさい


2013/06/11

無感覚への強制連行

世界に散らばる不愉快な出来事

急にまとめて現れたとき

僕はいつもこころが止まる

ひとつも乗り越えることもできず

積み上がっていく不愉快

なにかを考えながら

なにも考えられない僕は

ただ横たわって

目をつむる

2013/06/10

処世術

やりきれない出来事を

まとめて練って

餃子の皮につめる

油であげて

羽ができると

どこかへ飛んでいく

2013/06/08

浮かんで流れるだけ

棒のように寝転がって

すぐ忘れてしまうような考え事をする

時間は過ぎ

疲れは増すばかり

泥川に浮かんだ木の枝

2013/05/31

ねずみだったもの

道路に出たねずみが

轢かれた

真っ暗な顔をして

それを見つめる子供


生活のすぐ脇にある無情

2013/05/12

海岸。猫。幽霊。

砂浜と松林の境目に生きる幽霊は
砂浜をあてもなく歩く猫が好きだ
松林に迷いこんだ犬を遠ざけると
餌もないのに散歩する猫を眺める

彼はかつて何もかも満たされつつ
不自由ない人生を送った後死んだ

気がついたらここに存在していて
何処にも行けない事を後で知った

雲ひとつない青空から降る光線を
空気とおなじように透き通らせる

一面の雨雲から落ちる大粒の滴は
遮られないまま地面に叩きつける

出来る事なんて殆ど失ってしまい
幽霊になった自分を呪うばかりだ

今日も彼は羨ましそうに海を見る

その視線を何も知らない猫が遮る



夜になって始まること

招き猫が今にも粉々にされそうな寂れた店
他人事に思えず陰鬱になる

太陽はいつも地球のどこかを照らしている
僕らはいつも自分の手元にない何かを願っている

きっと
自慢げに本屋に並ぶ
努力が成功に結び付いた物語は
そうでない全ての人たちの心を無慈悲に追い立てる

夕方

これから太陽は僕ではない誰かを照らすのだろう

運命や自分の怠惰さも問わず
思い描いた世界にいないことを
何かのせいにする時間が始まる

2013/05/04

春と秋の間に(ある詩への返歌)

春と秋の間に

僕は何を見るだろう

何層もの過去の想い出の上に

新しい記憶を重ねる時に


あなたが僕のスクリーンに残した

照りつける太陽にも負けない笑顔は

今の僕をただ切りつけるばかり


春の終わりの境界線

踏み越える勇気をください

手に入れられずに今年も

背中を押され越えさせられるのだろうか

2013/05/02

母なる地球が思うこと


母なる地球が思うこと

私はいつもここにいて

あなたのかえりを待つ

貴方が何に変わっても

私は私でありつづける

そうすればいつの日か

私のなかに昔の貴方を

見つける日が来るかも

形を留めていなくても

私は貴方を受けとめる

2013/04/30

死に行く蟻と笑い声

踏み潰された蟻が

死に至るまでに動いている間

近くの公園で遊んでいる子供たちの

笑い声がずっと聞こえているとしたら

なんてそれは残酷なんだろう

…そんなことを考えながら

帰りの電車を待っている

2013/04/24

エントロピーも罰も増大し続ける

計量や保存上の利便性のために四角に切られたチーズ
熱に溶けてしまったあとでは
その成形は意味を失う

意味をもつ境界線が存在する事実
必要かどうか
個々によって曖昧に引かれるそれも
必要かどうかの裁判にかけられる

人間は文明や文化を産み
多くの悩みを増やした

目先だけにとらわれた罪によって科せられた罰は
次の世代以降に残された

まるで呪いのように

羽ある小鳥の自由な決断

世界を忘れた小鳥
羽は飛ぶことを久しく止め
時折歩くことくらい

地面からの視点以外の景色はなく
地中から間違って這い出たミミズを食べて生きている

小鳥はだが
それを自由だと言う
空を飛ぶことを自ら止めたのだと
必要ではないと判断したのだと

薄暗さが迫る夕暮れ前
そんな景色を見下ろすことや
地面ではない上を飛んで
水平線をのぞむことを棄てたのだと

小枝にすら上ることのない彼は
跳ねるように歩き
草陰で眠る

自由とは
獲得するものだけではないと
寝言を言いながら

理由なきネガティブな海

なんの理由もなく
僕はネガティブな海に落ちた
真っ暗な海に

すべてのことが
どうでもよくなるぐらいに
ただ沈んでゆくばかり

戸惑うばかりの心
なんとか落ち着かせようと
手探りの努力

死にたくないのに
死んでもいいやなんて
何人もの自分が争う

確かな理由がないというのに
見つけ出せないままだというのに

足掻きながら
時間を稼ぐ

時間が解決するのを期待して

2013/04/23

anyway

実際のところ
良いことも悪いことも
偶然のようにして降りかかってくることが多い

だからといって
普段の行動とそれは切り離して考えるべきだ

大きな誤解に則って普段を運任せにすることは
大きな失敗として後に痛感させられることになるだろう

それは例え
別次元ともいえる突然の出来事に
自分の無力さを感じていても
一緒だ

起床中


遠くで
始発の電車の音が聞こえる
ゆっくり
まだ暗い中
起きようと努力をする

こんな早くに電話したら
きっと驚くだろうなって
寝ぼけてるのに君のこと
考える

でも絶対に
怒られるだろうなって
寝ぼけてるのに君のこと
また考えてたら

遠くで
始発の次のっぽい電車の音が聞こえた

2013/04/20

積み重なる光が朝をつくる


夜明け。

何層もの色が重なって朝になる。

2013/04/18

友情は斯くあるもの

なみなみと注がれていたコーヒーが
半分まで減ったとき
会話は終わった

ほとんど無言で外を眺めていた
残りの半分を飲み干す間
脇の道路を何台の車が通りすぎただろう

数ヵ月会えずにいた時間
僕らは実際
積もる話はなかったのだ

会わずして会わなかった期間
ただ過ぎた日々は
切り取られたように

気持ちの無い再開の約束
具体的な期間はない
会わずして会わず
会うべきときに会うのだろう

関わりというもの
ランダムな周期
必然の疎通

少し手を振り
振り返らず車に乗った

きっと向こうもおなじ




照らされることで

砂浜に一つの山。
夕暮れの赤オレンジの光が照らしている。
そしてその、
山が作る影とのコントラストが僕を惹き付ける。

同じ思いをどこかでいつかした気がしたが、
諦めるまで思い出せなかった。

立ち止まった僕の、
足元からのびる影。

ああこんな風に

心の影が僕から取り出されてしまえばいいのに。


太陽も戸惑う 不愉快な朝

夕方は時間切れ
太陽は退場
やる気のない月が昇ってくる


当たり障りのない風
揺らぐことをさぼる草木
寝付きの悪い鳥

そのあとにやってくる

不愉快な朝

2013/04/17

それぞれのフィルターで

僕はどこに行っても結局は僕なのです
どこに移動したって
先ず居るのは僕

息をのむような景色も
脳がはじけるほどおいしい食事も
疲れてすぐ寝てしまう夜も

道に迷っていらいらしたり
突然の雨に困惑したり
帰りの飛行機が飛ばなくて唖然としたり

それを経験して
どう感じるかのフィルターは
僕自身の人生を経て形作られた
僕だけのもの

同じように
あなたもどこに行こうと結局はあなた
あなたのフィルターを通して
紡ぎ出される人生

2013/04/16

毎朝(えぶりもーにんぐ)

宇宙の果てを想うより
周りの人を想いなさい

同じぐらい
答えのないもの

新聞で世界の流れを知ろうとするより
その新聞紙の向こうの人を知ろうとしなさい

遮られた向こうで
どんな顔をしているかを知りなさい







2013/04/12

透き通るような
じゃあなくて
透き通っている空

風は今日も姿を見せず
僕を通り抜けていく
前髪の動きを気にするのも飽きるぐらい

そして...

太陽!

僕はたくさん歩く

春を吸い込みながら

待っていてくれる人へ想う事 向かっている電車内で想う事

ぼくはあなたに甘えてばかり
自分の思いに任せ遠くへいく僕を
眼の奥の気持ちを隠し許してくれた

誰も知らない土地へってただ
冒険者気取りで

でも
いつも心の中には
あなたを入れて歩いている

それは今の本当のあなたじゃないけれど

どうせ身勝手な考えって分かっている
『あなたがいてくれるから』
って本気で思っていても

一番早い電車で
僕の居たあなたの待つ街へ向かっている
ほんの少しの帰郷

あと何駅だろう

しまっている昔のあなたを
入れ替える時がくる

あなたはどんな顔で
僕を迎えてくれるのだろう

車窓にうつる自分に
問いかける

その向こうに流れる景色

それは

時を遡るかのように

あなたへ還っていくかのように

2013/04/10

それは何気ない朝

悲しみを放り投げた

遠くのゴミ箱に


何時か思い出にできればいい




鳥はさえずり

朝を告げる


まだちょっと重い心と身体を

自分で勇気づけ

起こす

2013/04/09

まちあわせたあなたの


しろいこーと
ぴったりのずぼん

あなたはそれがだいすきで
それをすきなあなたをだいすきで

まちあわせ

しろいこーと
ぴったりのずぼん
そし
とびきりのえがお

ああ

ぼくはあなたをだいすきだ

行き着くはて

たくさんのひとが降りた電車に

また多くの人が乗り込んでいく

扉が閉まり動き出した

冷たい色褪せたプラスチックの椅子に座り

乗り遅れたひとを眺めていた


次の電車が来るころには

いつのまにか列ができていて

また多くの人を連れていく


どこに行けるっていうんだろう

そんなことを考えていると

次の電車が口を開けていた






2013/04/05

下品な誰かに想うこと

誰かの大きな笑い声が
僕を不快する

下品な声をあげる誰か
下品と感じる僕

どっちもどっち?

そんなことはない

周りを気にしない心
きっと持つことのできないままだろうな
誰かの連れも同様に
下品な声と
無駄な拍手が知らせてくれた

相容れない

だからこそ
マナーを持ち互いに気遣いを

同じ人間とは思えない

また
下品な声が響く

遅れて頭痛がやって来た


もぐらの祈り

心をさらけ出している時の
無防備過ぎる状態で
何度深い傷を負ったことだろう

多くは自分自身に問題があった
それは分かっているんだけれど

まるで
光を求めるもぐらが
土から這い出て
太陽の光で自らの目を焼くよう

愚かな行動
醜い姿

でも
もし降り注いでいたものが
柔らかな月の光だったなら
そのもぐらは幸せになれただろうか?

もう一度土をかきわけ
地上を目指すとき

月の光に照らされますように


あなたの笑顔は透き通るようで
声は心地よく耳に入ってくる
優しさは心に染み込んでくるよう

地中で祈る
明日目にする光を想いながら

どうかあなたは
月であってくれますように

2013/04/04

始まり

海から川と

山へ上って行き

そして湧水にたどり着く


僕にとっての湧水って

なんだろうって考えたら

脈略もなくきみの顔が浮かんだ


でもきっと

そういうことなんだろう


そして僕は海へ下る

雨の風景



水溜り

傘をさす人たち

駆け足で車に乗る人


傘もささず笑っている子供

雨宿りをしている猫


僕たちは皆死ぬんです!

誰の目も届かないところから

そっと風に乗ってやってくる


どんなに笑顔のときにも

それが胸を通り抜けると

心のスイッチはオフに


僕はずっと

何も分からない振りで

笑って生きていたいっていうのにな


死ぬってことを受け止めること

果たして人間に必要なんだろうかってさえ思う


やっと忘れた振りができるようになって

笑顔で一日をすごす


街には暖かい日差し

道行く人にも 笑顔


きっとみんな

知らない振りを続けようと

頑張っているんだろうな


2013/04/02

深夜の海の向こうへ投げつけられた歌声

道路を横切って海辺へ向かうと
空気のにおいが急に変わって

潮の香りに包まれた

冷たさも心地よい
何にも遮られずに
まっすぐに向かってくる風

何か歌を歌わずにいられなかった
夜の海辺
波の音に混ざって
語りあっている錯覚

ぼくは
こんな夜中に独り笑っている

叫ぶように歌う

ねえ

僕は今
自然とひとつになっている?

靴の中に入ってくる砂

今は気にせずに歩こう

気がついたら無言で

海の向こうを眺めていた僕だけれど




私は群衆の一人

見たまえ!
この哀れな群衆を

与えられた情報を鵜呑みにして
何かを分かった振り

新聞を毎日隅々まで見たって
世界を見渡せるわけでもないというのに

気の知れた人達の前で酔いに任せた演説
何もかもを批判すればその上に立てる気でいる

滑稽なり!
この無生産な群衆は

ただ消費することに時間を費やし
自分も周りもすり減らしていく

人は皆
死ぬんだよって

他人事には簡単にいえるくせに自分は
惨めな死に様を晒すんだろう

私も 
そうだ




初めと終わり

何も無い真っ暗闇に
突然現れた明かり
闇を押しのけて輝く

どこからかやってくる人
明かりに誘われて
ただ集まり見つめている

いつしか輝きは弱まり
そっと闇の中に消えていくと
人々はまたどこかへ

けれど

何もない真っ暗闇に
突然現れた明かりは
闇を押しのけて輝いていたのだ

2013/03/30

本日もニュースです

ニュースとかいったって
所詮過去の寄せ集め
刺激的に編集され
''客観的''的に伝えられるだけ
決して誰も現実には追い付けないでいるのに
何かの足跡を集めた標本を
朝食や移動の合間に眺めている

多くのひとは
客観的なものと錯覚し
そんな情報を咀嚼もせずに飲み込んでいる

情報のジャンクフード








ちょっと駅まで

駅に続く平坦な道を

ゆっくりと歩く


たまに通り過ぎる車の

荒い運転に辟易しながらも

遠い昔通学で

自転車で通った頃を思い出した


大人に向けて駆け抜けた

生命に満ち溢れたあの頃を

それは自転車のスピードよりも速く

振り返る暇すら無かった


空は一面の青

気持ちよくそよぐ風


気が付けば駅

そして

相変わらずの僕

2013/03/28

柔らかな光

月に照らされて

周りの草も柔らかな表情

近くの川で魚が跳ねる音


月に照らされて

川に写った月に月が照らされて

ちょっと恥ずかしそう









2013/03/26

健全に病むということ

仲のよさそうな老夫婦に抱く

羨ましさと妬みの絶妙な割合

自分は健全に病んでいるようです



くだらない

理不尽な貴婦人の貧相なイマジン

今を足ることがイモータル

満足出来ない才能については有能だねユーノウ

心のいれもんはデーモン

平民を見下すとイントゥーダスト


とか言うのと同じくらい暗いなかで一人クライ

学園のルール

どんな失敗も一言で片付けてしまえる学園

てへぺろ学園

その代わり

一切の言い訳は許されない学園

2013/03/25

犬が見た夢

片耳の犬はどこからか拾ってきた骨をくわえていた
少しすると無造作に放り投げて横になった

いつかは忘れた一人ではない日々
両耳が揃っていた頃かも思い出せないが
たしかにそれは幸福のひとつだった

そんな頃の回想
夢を見るように
若しくは夢として見たのかもしれない

現実に戻り
現在の自分を確認する
自然にでるため息
仕方のない仕方のないこと

無くした耳に聞こえる
幸せだった頃の笑い声
誰のものかはもう思い出したくもないのに
また思い出し少しの間塞ぎこむ

あと何度繰り返せばいいのかと
声に出し起き上がる

放り投げられた骨が

自分に重なった

同類に落ちても

煙草の臭いがする

自分や他人にも害のある無益な行為

ささやかな快楽から抜け出せない弱い心を晒すだけ

自分本意を表す愚行


ひとしきりけなしたあと

攻撃的になる自分を戒める


ギラギラと不愉快な青い光を撒き散らす

黒い軽自動車から出てくる金髪の男女

口には煙をたてる煙草

無意味に大きな笑い声

頭の悪さを自慢したいかのような変なイントネーション


ああ

僕は疲れている

戒めも虚しく沸き上がる怒りをこめた蔑み

目も鼻も閉じて

なにも感じないでいたい僕は


足早に立ち去った



2013/03/24

だからこそ

急に訪れる
僕全体を包む無力感

いつからだろう?
心はずっと昔から蝕まれてきた

日替わりの問題に
もう押し潰されそうな時
時折全てを包んでくれるあなたを思う

あなただけが包んでくれる

いつもいてくれればって

それが悩みにもなるのが悔しい

2013/03/20

あっぺんだうん

好きか嫌いかの二次元グラフ

『どれだけ』も知りたいあなたに三次元グラフ



折れ曲がりが激しい恋はきっと

いつまでも変わらぬ愛

よりも真実だってわかる

こいごころ

いっしょにいるだけで

心が暖かくなる

何かをしなくても

無理をしなくても


ゆっくりと満たされる気持ち

形はなくても

はっきりとあるってわかる



どこかと聞かれたら

心臓あたりにあるって言える

この気持ちの出所


なんだ

ハートって

こういうことなんだ



2013/03/18

五分の魂

手足をもがれたバッタ

死ぬまでをただ動けずに待つだけ

自由に動けたとしても

死ぬだけには変わりないと言うのに


人間もそう

バッタと同じ


でもどうせなら自由の後に死にたい


人間はそう

バッタも同じ

2013/03/17

そこにあるもの

風邪をひいたときの
何枚重ね着をしても止まらない悪寒のように
気分が沈む老婆

不安に思おうが思うまいが
世界は前に歩んでいくし
結果もきっと変わらないんだけど

だからって簡単には
心の制御が出来るわけもなく
現実は現実のままここにあって

やり過ごしては
また遭遇していく毎日を愚痴にする
残りの人生のすべてをかけて

塩っからい味噌汁
豆腐も虚ろな目
沸騰させられ 味噌の香りも逃げ出した

さようなら

さようならのそのときに

まにあうことができませんでした

その のばしたて

つかむことができずに


みとることができなかった

かなしさとくやしさ

たまにおもいだす

ちいさなころのおもいでもいっしょに


なつかしいな

いろいろなきもち

うかびあがる

ほんとうにたまにってところが

じぶんらしくてにがわらい



もっといつも

おもいだしてあげたいんだけどね

ごめんねおかあさん

めいにち

わすれちゃったけど

ごめんねおかあさん


システムにのって

やりたくもない家業をついだ
二代目が経営する
毎月のやりくりも芳しくない
そんな牧場から買われた牛


殺されるために育てられた彼は
予定通り殺され加工されて
それぞれの部位ごとに卸される


焼肉屋にたどり着いた
ロースの上質な部位
ちょっと奮発して来た家族連れに注文されて
お皿に飾られ運ばれた


さあ
焼きすぎず
三種のたれから選んで召し上がれ

本当は塩だけがお勧めです


ぐれいとえすけーぷ

座った椅子から降りて

逃げ出そうとする男の子

慌てて追いかけて

捕まえた父親

どちらにも笑顔


やがて逃亡者は抱き抱えられ

もとの場所に戻された


大きな愛情を浴びながら

横たわる犬、そして善悪

車道の脇で横たわる犬。
誰も寝ているとは思わないだろう。
アスファルトに染み込んだ血の色は
彼の死を表している。

誰が悪いのだろう?
轢いた車?
飛び出した犬?
避けきれなかった運転手?
自然を壊す人間?
それを許容若しくは排除できないでいる自然?
ぐるぐると回る責任。
そして悪という意味は
一周回る度にかすれていく。

後ろへ、小さくなる死骸を背に
僕は進む。
視線と、やがて記憶からもそれは消える。
横たわる善悪も同様に。

おいも

お芋をゆでて食べましょう

やわらかな味

ほっとする

老いも若きも

2013/03/15

カニ

真っ暗な部屋で

目を開けて過ごしている


眠れないのではない

眠ろうと思えないだけ


遠くで聞こえる猫の鳴き声

聞こえなくなったけど

奴は寝てしまったのか

声も届かない遠くでまだ鳴いているのか

どうでもいいことだけど

考えてしまったんだ


静かになって初めて

自分の声が聴こえてきた

そして始まる自分との対話


逃げていたことを知らされて

認めることでほっとした僕は


いつしか

眠っていた


ねえ?

お菓子を包む赤い紙が

風で舞い上がった

もう

追い付けない


ねえ?

お菓子を食べながら風にきいた

赤い紙はどこにいったの?

何か言ってた?

って


昨日からの青い空は

元気な太陽を連れて

みんなを元気にする


ねえ?

そんな暖かな空気のなかを

君はどんな気持ちで吹いているの?

悲しんでいるひとや

満ち足りた顔をしているひとの側を

何か言いたげに通りすぎているの?

って

また風にきいた


返事なんていらないし

きっと聞こえないんだけど


2013/03/14

惑いと生きる

この伸ばした手が

何かを掴めますように


この言葉にならない叫びが

誰かに届きますように


不意の出来事はいつも

心を揺らす


ぼくも

地球も

いつ消えるのかなんてわからない

確かなのは

必ず消えてしまうってこと


だからってすぐに消えてしまいたくはない

生きているうちは思うがまま 

生きていたいって思えるから


何も無い

闇に手を伸ばしてみる

誰もいない

山奥で叫んでみる


汗や涙が落ちて

心のもやもやも落ちるまで





ため息

ため息に揺れる小さな炎

ねえ

あなたはあなた自身で灯火を消してしまうつもり?

零れ落ちる音

灰色がかった雲が

控えめに雨を降らせる

落ちる場所ごとにたてるいろいろな音

僕はただ 聴いていたんだ


大切なものを失ったときの心の音って

どんな音に例えられるのだろうって思いながら

2013/03/11

風の色

海岸に近づくと

風の温度が変わって

ひんやりと


体で感じる

風の色

2013/03/04

歌をうたうよ

おかえり

ただいま

歌をうたうよ


ただいま

おかえり

歌をうたうよ


いつまでも続く

どこまでも届く歌を


私が死んでうたえなくなったとしても

それから先にも届く歌を


言葉は文字通り

言の葉になって

ゆらゆらと

君の前で

揺れて伝られるような

歌をうたうよ


行ってきます

行ってらっしゃい

貝殻のメモリー

パチパチと燃える薪のおと
顔を照らすオレンジいろ
花火の終わった海岸
これ以上燃えないくらいになった薪
誰もいなくなった海岸
パチパチと燃える薪のおとを覚えた貝殻

それ

それを探すべきではなかったのかもしれない

追いかけた先

人混みに消えたそれは

すっかり姿を潜めてしまった

見失うことで

強制的に与えられた考える時間


それ について


そして知る

何だったか思い出せないことを

何故探していたのかさえ


それはついに

記憶からも存在を消して

行ってしまった


深い虚無感をだけを残して



2013/03/01

鳥の彫刻を見上げる僕という世界の縮図

真っ白な世界

平面にひとつの出っぱり

細い円柱のうえに鳥の彫刻

見上げる度に違う姿のそれは

今にも飛び立ちそうな姿

きっと見ていないうちにどこかへ行って

どこからか別の鳥がとまるのだろう

見上げる僕も

きっと何人めかの僕で

世界はこうして続いている

意味なんて置き去りにしたまま


2013/02/28

でりばてぃぶ

手数料の50000円をはらって

この一ヶ月での心が落ち込んでいたら

落ち込んだ分に応じてお支払いをしましょう

良いことがあって心が上向いていれば

何もお支払いはありません


そんな


心のオプション取引


応募したんだけど


断られました


あなたは落ち込みやすいので取引になりません


だってさ


まあ納得



足りないもの

雲の白さが増してきた気がして

春の訪れを予感する

まだ肌寒い昼先


いつもの本屋へ向かうまっすぐな道も

むずむずとしているようだ

にこやかな日差しも

もうすぐ戻って来るから

喜びに踊る気持ちが抑えられないんだろう


本屋を出た帰り道

立ち止まって息を吸い込んだ

のどを刺す冷たさの中にも

ほのかな優しさが


季節はこうして移って行く


ねえ誰か


声を出さずに叫んだ


心の冬を終わらせてくれる人はどこ?

つい求めすぎてしまううちに

そばに居てくれる人がいなくなってしまう

そんな自分にも

春はいつかくるの?


答えはないまま

季節に追い越されて



青空と白い雲のなかにまじって

黒い小さな雲がひとつ

2013/02/23

むずかしいことではなく

存在していようがいまいが

意味はないってことがあるよね


例えば

道行く人たち

焦点をあわせなければ

ただの風景


認識しなければ存在しないということ

存在しないと同じだということ


結果の先に来る理由

決まっていないことを決める

隙間を埋めるような作業

きっと

わかり合えないことは

そんな作業じゃ埋められないのだろうね

無理に気を引くかないといけない状況は

きっと小手先でひっくり返せるものじゃないだろうから

決まっていないことを決めない

隙間を放置したとしても

わかり合える二人なら

いつの間にか

埋まっていることに気付いているのだろうから

苦しみから逃げるために逃げる

昨日と今日の切れ目に

一度なんらかの線が引かれたとしたら

僕が一瞬

どこにも存在しない時があるんだろうね


その少し前に死んでしまって

そっと消えてしまえたらいいのに


死んでしまうってことの

自分や他人の苦しみを

放棄してしまいたい


それが可能なら

今だっていい


2013/02/22

ああなんてきれいな小石

道端の小石にも意味を見いだせるような

幸せへのセンスと言うべき能力が欲しい

木々は風に揺らされる

僕らの心のように

2013/02/21

不可逆

光から影はできても、 影から光はできない

2013/02/17

急に落ち込む穴にて

切り分けられたピザ

飲みかけのジュース

埃がかったテーブル

いつだってそう

なにかが終わったり始まったりが交錯して 

『何もない』状態には帰れない

カオスの増大の果てに

すべてが塵に帰るまで

2013/02/14

川は今日も流れる

寝転んでいるライオン

身震いするペンギン

小説が印字された長いレシート


ぼくらはきっと

白い皿に乗った枝豆

冷たいビールが来るまでの命


手足を縛られた

森を横切る川は

せせらぎをこの世に与え

今日も流れる

意味なんて考えないで

2013/02/09

少なくとも僕にとって

味付けや/包丁さばきや /食材や /飾り付けも大事だけれど /なによりも /『大好きな人が作ってくれた』 /ってうことに敵うおいしさはない

2013/02/07

笑顔にあなたができること

小さな子供の笑顔って

本当に純粋に可愛い


ただ 笑顔の目線って

相手の目を見つめていることが多いよね


『ねえ!ぼく(わたし)は笑っているんだよ』って


あなたに向けられた笑顔に

あなたは何をしてあげられるのかな?

2013/02/03

イメージ(性格というフィルター)

炭酸の泡のように

どこからか現れて

どこかへいってしまう人生

極端なまで考えたら

そんなイメージがわきました

あるステーキ屋にて

ただ殺されるためだけに育てられ

魂の抜けた肉と骨だけの姿にされ

冷凍されたのち運ばれて

機械で更に切り分けられて

店にたどり着いたあなただったものの一部

それを焼いて

盛り付けられたこの料理を

そんなことを全く考えないようにして

食べる

おいおい

平凡な毎日とか言いながら

なにもしない人たちに

一秒ごとに訪れる老い

待ち受ける過酷な自然に親は何を思う

小さな水路に流れる濁った水

そんなところに産み付けられた卵

無事孵ったとして 

一体 子供たちに何を願ったのだろう

命を繋げる本能がただ

卵を産んだのだとしても

どちらでも残るこの無情感


もう戻ることはない親たちに

ぼくは聞きたくなって

流れに揺れる卵を見つめている


別れがたてる音

歩きながらふと考えた


別れについて


死別でなくても

今後一生会えないということはある

会えたとしても

それまでとは違うお互いということもある


別れで切断される繋がり


大事なひとほど太い繋がりは

それぞれの音をたてて切れる

それは

耳に残るほどの音や

もうどんな音だったかわからない音まで


おんなじ別れでも

その音は

お互い同じに聞こえることって少ない気がして


やるせない気持ちで見上げる雲


2013/01/30

やかん

やかんって結構我慢強いよね

火にかけないと怒んないし


…って感じで始まる会話をする君は

気にかけないとすぐ怒る

2013/01/29

そそがれる

きれいな音楽で僕はそそがれる

ぼろぼろと落ちていく垢

心は軽く 透き通る


2013/01/27

スプーン

スープを飲んだあとのスプーン

君はこれから捨てられるまで

何度使われたり洗われたりするんだろうね

色んなカップとコンビを組んで

何人もの口に運ばれて


何故だか考えてしまったんだ


どうでもいいことの中でも

かなりどうでもいいことなんだろうけど

当事者外意識

犬のような笑い声

大きく手を叩いて笑うひと

無駄な演出な強弱のある声のあとに

どうでもいいような返事しかしない二人の会話


耳をふさいだ


人々が暮らすこのまちに

調和って現象は永遠に起きないみたいだ



意味のない繋がり

誰とも話さない夜が続くと

誰とも話さなくてもいい自分ができる


ある青い海のそばの

太陽の光をこれでもかと反射する砂浜にはいつも

死ねって書かれた色褪せた紙が落ちている


泳ぎを満喫した帰りがけに

それを拾ってしまった少年は

一体何を思うだろう


みんな知っているけれど

出来ればそうであってほしくないもの

血液と骨の物語

そこに置けるほどの

なにも照らせないランプ

食べられることのない料理

誰も走れないトラック

なんの害も中毒性もない麻薬


その横に僕の人生をそっと置こう

確かに誰かの何かの役には立ったかも知れないけれど

そこに置いてもいいって思えるほどの気持ちは本当


僕が埋めている空間は

誰かが埋めていないといけない空間じゃない


それも本当なんだから

2013/01/26

ワッカ

テニイレタイケレド

手に入らないもの

アキラメタイケレド

諦める自身がない

抜けることのできないわっかの中で

座ったり

歩き回ったりしている

スクワレナイ毎日

それなりの楽しいときも

いつものように沈んでいるときも

わっかの中

おもいよう

悲しいのは
悲しいと思うからだ
って
簡単にはいかない
簡単な理屈は
時に人を都合よくだます

幸せは自分のなかにあるという
何でも幸せに思えれば
それはそうだろう

でもその理屈が正しいとして
なぜこんなにも満たされないひとがいるのか
うまく説明して欲しい

大勢のひとには理解できない
変な宗教に没頭するひとたちは
自分は選ばれた存在だからとか
そんな答えをだしそうだけど

あなたが捧げたお金たち
決して浄財としての最期は迎えられないと思う
気付かないでいて欲しいけれど
それは色んな意味で
色んな意味で

さあそして
それぞれのひとの
人生が続く

それぞれのたどり着くべき
最期を目指して




2013/01/24

スイッチをいれて

ひまわりを植える

太陽の光

海はうたう


2013/01/22

子育ては子供に望むだけ?

親が子供に望む

『こうであって欲しい』

と同じように

子供が親に望む

『こんなパパ、ママであって欲しい』

が存在する

親の都合だけ押し付けるのはフェアじゃない

子供が望む親になろうとするのも

『努力義務』じゃないのかなあ


2013/01/21

新聞を眺める

新聞を眺める


活字にされた事件はいつも僕にとって
どこかで起きた 
どこかの出来事

数字で表された死人に
僕はどうしても
それ以上の感情を持つことが出来ない

それはドライって言葉で片付けて
唇の端を歪めて終わらせることではないんだろうけれど

きっと僕は
人生の終わりを意識してしまってから
自分を自分の視点で見ることが出来なくなったのかも



新聞を眺める


何でこんなにも
悪い 刺激の強い記事しかないんだろうって思いながら

部数ってやっぱり
新聞には必要なようで
その時点で完全な第三者的な役割は期待できないのだろうけれど

当事者は謳う
言論の自由を 
自らが縛られていることを見て見ぬふりで


今日も新聞は

大きな記事
そうでない記事が載って

これが昨日の世界の出来事だって
大きな顔をする


朝早くおきた

自転車やバイクに乗った人に運ばれて






幸せになれない性格にも 朝が来る

おはようという朝が来る

夜の次に


どこからか来た小鳥たちが鳴いて

無理やり起こされつつも 心地よい朝


繰り返しのようで 繰り返しではない

おはようという朝が来る

夜の次に


でも何故だろう

そんな気持ちの中にそっと

次の夜が頭をよぎる


おはようという朝に

こんな良い始まりを感じさせる朝に



2013/01/18

前略、神様と警察様

無意味に装飾された軽自動車が

同じように無意味な大きな音をたてて通りすぎる


すれ違い様に見えた

携帯を持っての馬鹿みたいな笑顔に


神様にどうかあの愚かな人間を

話してる相手ごと殺してくださいって祈った


せめて

警察に捕まってしまえって


いつか人を轢いて

相手が悪かったとか醜い言い訳を吐かせないために


決して悪意はありません

アメリカ人はお金のあてがあるとすぐ使う

カード社会の暗部をまざまざと見せつける

車の販売台数がそれを裏付ける

馬鹿なやつらだが憎めない

間抜けだが指標にはなる

自由にとらわれた不自由な人たちに乾杯

今日もきらきらと噂話は始まる

青空に現れた雲はやがて

雷を伴う雨を降らせる


傘のない人たちは思い思いに

雨宿りで留まったり

濡れるのを覚悟で駆け出したり


木々はひっそりと葉を濡らし

地面は避けもせず滴を受け止める

川はその体に取り込むことで勢力を増す


青空に現れた雲はやがて

雷を従えて雨と共に去る


何もなかったように星空は

全てを平等に見下ろして

きらきらと


きらきらと昨日からの噂話の続きを始める


こころのゆきどけ

やわらかなひざしに

やわらかなえがおが

はえる


こころには

ひとあしはやい

はるのおとずれ


まだつめたいじめんから

げんきなみどりのめが

はえる

格納

小さな頃に触ったてんとう虫

どうしてか脳裏によぎった


記憶というものは

ただ記憶されているものなんだと

必要、不必要に関わらず

しまいこまれている

無意味なデータにもの思う

2013/01/17

例えるなら

ぶどうを素手で握りつぶしたときの

指と指の間からにじみ出てくる液体のような

後悔

2013/01/16

夜空

あなたに訪れる

残酷な日々

傷痕をつけて去っていく


疲れはてて

どうしようもなくなって

ふと夜空を見上げた

そんなとき


そっと

あなたを優しく励ましてあげられる

星のような存在になりたい


元気なときには

見えなくたって

いい


2013/01/14

歌を歌う

歌を歌う

だいたいは笑顔で


歌を歌う

ときには泣きながら


歌を歌う

それ以外のときは 何も考えずに


2013/01/13

航海

いろんな偶然と同じように

いろんな選択もひとつになって

今の僕と

今の環境を作っている


すべてを運命で片付けた

文句だらけの人生は虚しいもの


受け止める勇気

受け流す技術


僕は人生を

自分で舵をきって生きているって思いたい

世界には

多くの困難と同じように

多くの幸せで満ちているのだから

道の途中にて

Boyz II MenのEnd of the Roadを聴きながら

もう歳をとったなと物思いにふける

まだトータルで考えるには早すぎることだし

これから

これから

道の終わりへ楽しんでいこう!


素直に思う

普通とか常識とか 

平然と自分の言葉として使える人が怖い

こんな世の中に

何かを基盤として自分を構築できている人が羨ましい

かわいた て

使いかけの鉛筆が手から離れて床に落ちる

乾いた木の音が続いている間に

僕は消ゴムを落とした

ゴムの部分が床に当たったのか

音という音はしなかったのを覚えている


僕は落としたり失ったりを繰り返してきた


鉛筆や消ゴムは床に転がったまま

拾うかどうかはぼくが決められるんだけれど

僕が今まで落としてきたものはそうじゃなかった

転がったまま拾ってくれるのを待っているなんて

そんな悠長な存在っていえば

…それは僕自身ぐらいなもの


冗談じゃなくそれはそうとしかいえない

それが冗談みたいに笑えるんだ

僕は

何を手にできるだろう

落とさずにいられるのだろう


例え持ち続けられたとして

塞がった手が持てなかった

もっと良いものがあったのではという

更に馬鹿な思いを持たずにいれるだろうか


僕の手は乾いている

僕の手は渇いている


そんなことを考えているうちに僕は

ペンケースを床に落とした


2013/01/09

変わらないもの

年が変わっても変わらないもの

日が暮れても

時計の針が何周しても

お腹が減って満腹になってを何度繰り返しても

絶対に変わらないもの



2013/01/06

君の世界に君がいないところなんて

苔のはえた大小様々な石を

バランスに気を付けて進む

狭かった道が開け

細い水の通り道が現れる

沢蟹は突然の来客に驚き

辺りへ逃げる


ここはもう無人の小川だった頃を失った


手に水の冷たさをのせ

こぼれ落ちる音を静寂に流し込む

ふと目を上にやると

日を遮る木の枝たちに

鳥は飛び乗って遊んでいた

異物に気付いたのか

鳥はいつしか姿を見せなくなっていた


ああ

日常を避け山に身を潜めようとした男よ

君はどこへいったって君を連れていっているのだ

君のいないところなんて

君の世界にはどこにもないのだ






他人事

隣の家が燃えている

叫び声

遠くから聞こえる消防車のサイレン

地の底から聞こえるような炎の音が

すべてを嘲笑う


やがて火は止まるだろう


何もかもを燃やすか

何かが燃え残るかの違いを

向かってくる消防車が作り出す

彼らは知っているのだ

彼らの出来ることの限界を


そして

何一つ過去から引き継ぐことのない材料で

同じような

あるいは同じではない家がまた建つのだろう



どんな顔でその時を迎えるのだろう

複雑な新居を


やっと

サイレンの主はたどり着き

空しい作業に取りかかる

なにも生むことのない作業に


目に見えないからこそ


寒さは目に見えないけれど

存在はしていて

例えば

寒さに凍える人を見ることはできる


恋心は目に見えないけれど

存在はしていて

例えば

恋心に酔っている人や

苦しんでいる人を見ることができる


見えないけれど

確かに存在するもの


そんなものほど僕らには

どうしようもなくて

けれど重要なものだから


悩ましい


花とカモメと生きること


こんな世界に

花は咲いて

こんな世界に

海はさざめいて


息をのむような真っ赤なバラ

青に映える白いカモメ


生きること

意味なんて考えないで生きている人の方が

誰よりも賢い

2013/01/04

それはお祝い気分なんてものに左右されない真実

降り積もった雪

僕らは

銀世界に

愛を書き込んだ


僕らは間違っていなかった


雪は溶け

ぐちゃぐちゃの地面が露出する頃には

愛は跡形もなくて


それは当たり前のことだった


愛一色に染まった僕らの心

愛は溶け

覚めきった現実だけが

ぐちゃぐちゃの地面のように

二人に残っただけだった


僕らは間違っていなかったし

それは当たり前のことだったんだ

祈りと祈りだけじゃない祈り

祈りましょう


今日という日が

いい日になりますように

明日や明日より先が

穏やかに過ごせますように


太陽は雲のない空を

ゆっくりと上ってゆく



昨日や昨日より前の日の

悲しい思い出がいつか

穏やかに振り返ることができるよう

タフな自分になれますように


心の太陽は雲だらけの胸の中を

ゆっくりと上ろうとしている

うつくしの

うつくしの丘

咲き乱れる花々

香る豊穣

人々はただ

幸せを享受する

悲しみのない

嘘が形になった世界