雲の白さが増してきた気がして
春の訪れを予感する
まだ肌寒い昼先
いつもの本屋へ向かうまっすぐな道も
むずむずとしているようだ
にこやかな日差しも
もうすぐ戻って来るから
喜びに踊る気持ちが抑えられないんだろう
本屋を出た帰り道
立ち止まって息を吸い込んだ
のどを刺す冷たさの中にも
ほのかな優しさが
季節はこうして移って行く
ねえ誰か
声を出さずに叫んだ
心の冬を終わらせてくれる人はどこ?
つい求めすぎてしまううちに
そばに居てくれる人がいなくなってしまう
そんな自分にも
春はいつかくるの?
答えはないまま
季節に追い越されて
青空と白い雲のなかにまじって
黒い小さな雲がひとつ
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