2013/01/13

かわいた て

使いかけの鉛筆が手から離れて床に落ちる

乾いた木の音が続いている間に

僕は消ゴムを落とした

ゴムの部分が床に当たったのか

音という音はしなかったのを覚えている


僕は落としたり失ったりを繰り返してきた


鉛筆や消ゴムは床に転がったまま

拾うかどうかはぼくが決められるんだけれど

僕が今まで落としてきたものはそうじゃなかった

転がったまま拾ってくれるのを待っているなんて

そんな悠長な存在っていえば

…それは僕自身ぐらいなもの


冗談じゃなくそれはそうとしかいえない

それが冗談みたいに笑えるんだ

僕は

何を手にできるだろう

落とさずにいられるのだろう


例え持ち続けられたとして

塞がった手が持てなかった

もっと良いものがあったのではという

更に馬鹿な思いを持たずにいれるだろうか


僕の手は乾いている

僕の手は渇いている


そんなことを考えているうちに僕は

ペンケースを床に落とした


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