2013/03/17

横たわる犬、そして善悪

車道の脇で横たわる犬。
誰も寝ているとは思わないだろう。
アスファルトに染み込んだ血の色は
彼の死を表している。

誰が悪いのだろう?
轢いた車?
飛び出した犬?
避けきれなかった運転手?
自然を壊す人間?
それを許容若しくは排除できないでいる自然?
ぐるぐると回る責任。
そして悪という意味は
一周回る度にかすれていく。

後ろへ、小さくなる死骸を背に
僕は進む。
視線と、やがて記憶からもそれは消える。
横たわる善悪も同様に。

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