羽は飛ぶことを久しく止め
時折歩くことくらい
地面からの視点以外の景色はなく
地中から間違って這い出たミミズを食べて生きている
小鳥はだが
それを自由だと言う
空を飛ぶことを自ら止めたのだと
必要ではないと判断したのだと
薄暗さが迫る夕暮れ前
そんな景色を見下ろすことや
地面ではない上を飛んで
水平線をのぞむことを棄てたのだと
小枝にすら上ることのない彼は
跳ねるように歩き
草陰で眠る
自由とは
獲得するものだけではないと
寝言を言いながら
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