隣の家が燃えている
叫び声
遠くから聞こえる消防車のサイレン
地の底から聞こえるような炎の音が
すべてを嘲笑う
やがて火は止まるだろう
何もかもを燃やすか
何かが燃え残るかの違いを
向かってくる消防車が作り出す
彼らは知っているのだ
彼らの出来ることの限界を
そして
何一つ過去から引き継ぐことのない材料で
同じような
あるいは同じではない家がまた建つのだろう
どんな顔でその時を迎えるのだろう
複雑な新居を
やっと
サイレンの主はたどり着き
空しい作業に取りかかる
なにも生むことのない作業に
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