2014/12/22

たばこを憎む人のにじみ出るタバコへの憎悪

屋外に置かれたタバコの吸い殻入れに
肩を少し上げ体を震わせながらも集まる人たち

冬だというのに
この馬鹿ホイホイには人が群がるのだな

その付近に漂う不快な空気
お前らまとめて燃やしてしまいたいと叫びたくなる

きっとタバコみたいに
臭い煙を出すのだろうよ

と酷いことを言いそうになるこの季節

タバコを吸っていなくても出る白いものは
無害な僕の息です

お腹がいっぱいなるほど流れる
クリスマスソング

馬鹿ホイホイに集まる虫どもを白い袋に入れて
煙突に放り込んでしまいたくなるなんて

また酷いことを考えそうになったとき

ふと見上げた空に見えた
久しぶりに差し込む日光が

少しだけ僕を癒やした

2014/12/14

病院の 白いシーツ
産まれるときと死ぬ時が 病院だとしたら
我々の始まりと終わりの色は 白

そんなこと 考えながら
雪がちらつく 風景を眺め
温かい室内で飲む ブルーハワイ

2014/12/11

明日の天気は?

私の心は 地球のように

悲しみという雲と 喜びという青空が混在している

いつかは晴れ いつかは悲しむ

いつかは曇り いつかは喜ぶ

日々の移り変わりを一喜一憂し経験しながら

天気予報をしてみたりする


大事なのは

その天気をどう過ごすかだけれど





2014/12/06

捕まえ超能力者

小さな頃見た夢


岩の多い海岸からの帰り

急に止まった車

前に座っていた両親が外に出て

「捕まえ超能力者だ」といって 消えた

後部座席の僕は

そっと車の外を窺うと

その捕まえ超能力者と目があって

そこで夢は不意に終わった

髪の長い白い服の男の人だっただろうか

姿自体はもう覚えていないけれど

何年も消えない夢


その後も形を変えてその夢をみたけれど

多くの映画のように 初作を越える続編は生まれなかった


今となってはくだらない夢だけど

当時にはかなり恐怖を覚えた夢は

僕の心を捕まえて離さない


僕はずっと捕まっているんだろうか

捕まえ超能力者に

2014/12/03

悲しくも楽しくもない時間帯に咲く花

喜怒哀楽を行き交う感情の位置をグラフ化するには
四次元を行き交う波状のグラフが必要だ

楽しいだけの人生なんてつまらないし

辛いことばかりの人生はあまりにも酷すぎる


日々揺れ動く感情
そんななか何度か訪れる瞬間がある

悲しくも楽しくもない状態

すべてのグラフの軸が重なる0で
僕らは何を感じることができるのだろう

静寂の小さな広場

叶うのなら

黄色の花を植えてみたい

あまり愛でることはできなくてもいい
日々何度か訪れるその瞬間に伝えたい

自分自身に「お疲れ様」を


2014/11/24

かけら

狩猟生活を卒業して

農耕も経験して

あちらこちらで集まって国家という形態を作り上げた人間

危険から身を守るための集合は

集合ごとの争いや(戦争)

集合ないの格差や(貧富)

その他もろもろの問題でいっぱいだ


人間は食べて 息をすれば生きていけるのに

何かを生み出すたび必要なものが増えていくのはどうしたことだ


いったいどういうことなんだろう

不可逆の歩みに警鐘を鳴らせ

立ち止まること

考えること

せめて方向は正しい方向へと思ったが

「正しい」の定義が曖昧で僕らを困らせる


慣性

同じ方向へ

同じか むしろ歩みは速まっていくようだ

間違った方向へ向かったまま

「間違い」の定義が不確かで僕らを困らせる


考えることは正しいことなのか


考えが

何かの到達点にたどり着くまでは無駄であることが

慣性を構成するひとつかのように振舞って

考えを続けることに邪魔をしようとする


世界のかけらである僕たちは

果たして本当の意味の自律を手にしているのだろうか




2014/11/18

目を瞑っていること

素敵な目覚めを演出する

きれいな声でなく鳥も

ふんをする


知っているんだけど

そのときは思わないでいるものだ

敢えて



2014/11/12

同情せずにはいられない人たちに

考えるということは 立ち止まるということだ

感じるということは 走り続けているということだ


生きる意味なんて考えて

あるがままを感じ生きている人より

無駄な時間を過ごすという皮肉


嫌いではないけれど

同情せずにはいられない人たちよ

考えていなさい ずっと

未知の明日に一歩も踏み出せず

人生や自分とはなにか

どうあるべきかを


やっと踏み出したときに

その足は老いて細くなって

思い描いたことなんて

何も成せなくなっていればいい


考えていなさい ずっと

気が済むまで









2014/11/09

クロスノットワードマインド(仮)

一緒にいるほどに増えていく

言葉を使わずに気持ちが伝わる場面

ぼくはそれを何と呼ぼう

重なる 伝達?

恋電波?

愛パルスゴーイング?


*朝ごはんは今日は僕の番


考えるうちに 呼び方なんてどうでもよくなってしまうけれど


まあ その

目と目で 見ていなくても伝わる気持ちに

しみじみと幸せを感じるものなのです


*卵料理でいってみよう

 昨日は納豆ご飯だったし


クロスノットワードマインド(仮)に

僕は未来を信じさせれられる


*パンもいい感じで焼きあがった

 ミルクはコップになみなみと
 

世界は僕の受け取り方しだい


*目玉焼きは半熟で

 こしょうは少しで

 出来上がり


食卓で繋がる目と心と笑顔


それは



いただきますとごちそうさまの関係にも似て




2014/11/07

さくらんぼ

想像もしないことが起こって

心が錯乱

落ち着こうと焦って

平静からかけ離れたところでばたばた

そんなときの脳波を見てみたい


似た色の車が多くとまっている駐車場に

そんななか全く違う色の車が来ました

あなたは何色と浮かびましたか?

どうでもいい心理テスト

でもちょっと結果が気になるところが悔しい


くだらないラップを聴いて

気分が悪くなったあと

不意に口ずさみそうになった

持って行きようのない暗い気持ち

天を仰いだら

中途半端に輝く星が見えた


不意に訪れる錯乱

さくらんぼのぼく

赤信号を待っていたら

青ばっかりの車がとまっている駐車場に

黄色の車が入ってきた



2014/11/05

静かに立ち向かう 

足の先から髪の毛の先まで

幸せが駆け抜けるような感動を

人生に一度は感じられるといい


砂浜の向こうに広がる海

緑と青を行き来するきれいなマリンブルー

時を忘れ見とれたあと

足元みると砂だらけ

水で洗い流すとき 

その感動も流されたように残らない

大体はそんなもの


深緑のなかの涼しげな空気

葉と葉の間をすり抜ける日光は無音のシンセサイザー

遠くの鳥の鳴き声とともに心を癒す

足元をみると錆びた缶やごみ

見て見ぬふりのできない怒りが

髪の先まで達したとき

その感動は頭から抜けきってしまう

大体はそんなもの


けれどいつか

けれど一度くらい

足の先から髪の毛の先まで

幸せが駆け抜けぬけるような感動を

味わって

大体はこんなものっていう

経験則を感動という爆弾で打ち壊したいものだ


砂浜で見とれるマリンブルーの海

日光が空気に奏でるシンセサイザーの森


諦めない


目は開いたままの心が

現実の向こうに映し出す


その向こうにあるはずの現実まで














2014/10/31

ミクロとマクロの間

世界の動力である意思

『人間の世界』は

本能と意思で確かに動いている


『より良く』と邁進した文明を

何の努力も対価も払ってこなかった

怠けた愚かな人々が羨ましがっても

無償で提供されるべきでないと私は思う

後の先だけは活かされて良い

貪欲さがキャッチアップへの有効な鍵だ


搾取されていると見せかけて

多くを取り入れて進んだ国を見習うべきだ

足を引っ張る民衆の愚鈍さを

従順に進めた手段は見習うべきではないけれど


世界を全体でみることは

必要であるが難解である

個別の集まりを組み上げて理解することも

同様に必要であるが難解


そして私の目の前の

風に揺れる花に

蝶がとまる


見上げると青い空

うっすらと月が見える

地球は今日も回っている


終わりが来るまでずっと回っていく

2014/10/30

早寝早起き

頭の中がお花畑

気楽な思考で人生を送る

お風呂で極楽

早起きは三文の徳

深い緑の森で深呼吸


ふかふかの布団で就寝

起きたら

ちょっとよだれが出てた


2014/10/22

考える

たくさんの夢を詰めたと思っていた風船は
実はヘリウムガスが詰まっていた

人間の半分以上は
優しさではなく水分で出来ている

どれだけのマウスが
人間の薬のために
何かを飲まされ 注入され 検査され 死んでいくのだろう
『相手の身になって』ってことばが
公演の会場に着くなり
顔を真っ赤にしてそのまま帰ってしまうレベルだ

『貴方のため』って言葉の裏に
どれだけの自分の都合を詰め込んでいるのだろう
恩着せがましさは自分には見えない
後悔が先に立たないのと一緒で

裁判に有能な弁護士が必要な法廷に
僕以外のどれだけの人が違和感を覚えているのだろう
弁護士の良し悪しで変わるジャッジなんて
真実ってなんだろうって深く思わせる


死んでしまったら
今まで生きていた記憶なんて一切なくなってしまう(と僕は考える)世の中に
そんな考えさえも意味があるか分からないけれど

僕はいつも
何かを考えて

それについても更に考える







白い服を着た 髪の長い人が 首を吊っていた

以前住んでいた家で

昔少年だった僕が

昔の姿で部屋を移ると

玄関代わりにしていた大きなガラス戸の向こうで

真っ白な服を着た髪の長い人が

首を吊っているのを見て吐いて夢から覚めた


忘れられやすい夢の中

何年も忘れられない光景


意味や

誰だったのかは置いてしまっても

鮮烈なイメージというものは

脳に焼きつくものなんだろうなって実感


実感は通常

かなり強く納得できる理論以外を寄せ付けない

僕は個体

人間であり

僕である証


寝ていない時にも

急に脳裏に浮かぶ

首を吊っていた髪の長い人は

こっちを向いていたのに

顔が見えなかった


忘れたんじゃなく









棒は波に揺られる

海に浮かぶ棒は脳を持っていた

海水で浮かびやすいってことや

満ち潮の周期を理解していた


そして

それを知っているとして

棒自身が何を出来るわけでもないのも理解していた


ぷかぷかと

時にはばっしゃーんと

波に揺られながら



棒は脳を持っていた

自分は

脳の在る棒であることを

海に浮かべて


浮かんでいた

2014/10/19

右手に杞憂 左手に握り飯

何かにつけ

くだらないとか

無意味とか言う人の

狭い心の視界に同情と侮蔑を覚える


世界はこんなにも変化に富んで

何色もの感動に満ち溢れているというのに

どうして少しでも自分を

世界に解き放たないのかと


自分の殻に篭って

丸まったままぶつぶつと文句を垂れる

貴方のこれからの人生に

皮肉なワインで乾杯を


どんな光も通さない

闇に限りなく近い赤ワイン

渋みからくる恍惚感

どこかずれたリズム

伝わらない言葉

土の味は


血の鉄の味にも似て



生まれ落ち 死に落ちゆく 生き物だから

敷き詰められた想い出が

僕の脳に存在しているんだけれど

いつまでもそれを

持っていけるわけじゃない

悲しいけれど

絶対に叶わない


悲哀 喜怒

まあそれも

いつも同じものが続いていくわけでもないし


そんなこと理解したとして

何もかもで心が動かない人間になれるわけでもないし


真っ赤に

心の奥に突き刺さる夕焼けも

僕を何かにしてくれるわけでもないし


けれど

けれども僕は

今までどおりに

倒れ

起き上がり

たまには這ったまま

生きていくんだろうなあ


理由→結果

半分から真っ二つに割れたベッドは

木製

こなごなに割れた水槽は

ガラス製


立ち上がれない程の心の沈痛は

だれのせい



どちらかと いえ ば

気配のない死が

もうそばに待ち構えていたらと思うと

記憶をもったままの死と

記憶をうしなってからの死



どちらがいいのか比べてみた


どちらも

耐えきれない

けれど

どちらかと

いえば


あなたの記憶



持ったまま

死ねたら

いい



かな

2014/10/10

吐き気

無数に引き詰められた

真っ赤なタイルの間の白い線が

よく見たら蛆虫だったと知った時のような突然の吐き気に

さっきまでの

何事もなかった頃の自分との乖離に

心がなじめないでいる僕は


世界が刻一刻と

時間という絶対的な力に押され

何か変化し続けていることを

思い知らされた


希望的観測を集めた予感なんて

暇な時間に適当に書いた絵みたいなもの


効くかどうかもわからない薬を

プラスティックの臭いのする水で飲み干しながら

 布団をかぶって丸まった僕は

体温を奪われながらいつのまにか暖められ

起きたら忘れ去られてしまう悪夢に放りこまれた


2014/09/28

心残り

また何の抵抗もできないまま

今日が終わる


明日が今日になって

自由のない時間の流れに泣き寝入り


眠気が今日もまたやって来て

目が覚めたら朝になっているのだろう


悔しくて

眠気が来る前に寝たいくらいだ


2014/09/21

むしのね

虫たちのお話し声に

そっと耳を傾ける



ぼくらは今年の終わりを感じはじめる

虫たちのお話し声に

耳を傾けながら

2014/09/17

結局のところ

結局のところ
あらゆる非難から逃げおおせることは出来なくて

どんなに悪意のない行動にも
人は何かを論(あげつら)い
自分の心の空白を埋めようとする
何も埋まるはずもないというのに

植物を食べ 牛の肉を食べながら
捕鯨の反対を声高々に唱えることもあれば

アニメのキャラクターから勝手に
男尊女卑を見出したりもする

自分を守る変な笑顔
攻め立てる険しい顔

統一性はない

自分には甘く
他人には辛いというルールがあるだけ

平等ってなんだろう
ふと呟いた鏡の向こうの僕は
考えるだけ無駄さって顔をして返答にならない返答をした

世界って一括(ひとくくり)でいう人ほど胡散臭い奴はいないねって



2014/09/03

にんげん

人は束になって生きてきたのです

それはいい意味で束になっていた

野生から抜け出しても忘れないで
私たちは協力する事が出来るって

全てを束ねることが出来なくても
夜の闇を身を寄せ合って過ごした
あの焚き火の事を思いだしたなら

束の間でもいいから灯火を集めて
困難を大きな焚き火で切り抜けて
生きていけたらなって思うのです

2014/08/26

少しでも楽しく芋を数えよう

芋を数える

数えたら籠に入れて

いっぱいになったら置いて帰る


生きることがこれ以上でもこれ以下でもないってことに

気付いた時にはもう歳を取りすぎていた


芋を数えよう

出来るだけ笑顔で

2014/08/16

恋の貿易赤字

お互いの相手に向ける愛情の差が分かるとしたら

きっと恋の貿易赤字が露見するでしょう

それはこれからもきっと大赤字

でも

恋の財政破綻は起こりません

愛情というお札を刷り続け

むしろ赤字を誇り続けることでしょう

2014/08/07

迷いびとの帰る場所

目覚ましで起きて
いつの間にか眠ってしまう人生を繰り返して
夢なんていつしか
見なくなってしまった君に

楽しいことが
いつの間にか楽しいのかどうか
分からなくなってしまった君の人生に

海のさざなみが
きらきらと光を反射させる風景も

何かがどこかで聞こえるけれど
音がすっぽりと落とされた木々の空間も

君にはもう
何も響かせたりはしないんだろう

心を閉ざした君にはもう
君の心の中にしか居場所はない

さようなら

この世界から



2014/07/23

正しく間違ってる世界

先行き不安なまま
何とか生きている人たちに

きらびやかな街で落とされる
大きな額のお金はどう写るのだろう

『あなたたちにはお金で困らせたくなかったのに、ごめんね』
泣きながら子供に謝る母親は
毎晩うずく身体を病院に連れていけずに
その後癌で亡くなった

『国民の生活を守ります!』
そんな人たちの選挙にどれだけのお金がかかっているというのか

やりきれない

私たちの住む世界は
正しく間違っている

2014/07/17

結局言いたいことがわからない呟きに

すべてに終わりと始まりがあるように
そのすべてには途中がある

下らない音楽にも

下らない聴衆

すべてに始まりと終わりがあるように
そのすべてには途中がある

下らない終わりには
それなりの下らない途中がある

すべて

終わってから語られること

2014/07/08

井戸

心の奥底の井戸
水は枯れ
底は見えない

風切り音がただ
唯一の客

僕は思うんだ

どんなに笑顔を作っていても

井戸は水で溢れることはないだろうって

風切り音が今日も
僕の井戸で行き交う

2014/07/01

馬鹿みたいに



僕らは抗うこともできずに
太陽の光を浴びせられた

吹き出す汗は勝手に流れ落ち
にもかかわらず
身体は水分を欲した

馬鹿みたいな暑さに
僕らは笑いながらじゃれあった
馬鹿みたいに

吹き出す笑いは勝手に流れ出し
にもかかわらず
僕らは真剣に愛し合っていた

そして今も
また巡ってきた夏に

馬鹿みたいな暑さに
僕らは笑いながらじゃれあっている
馬鹿みたいに

2014/06/20

日は巡っても 人生の季節は巡らない

人生としての冬を迎えた人たち

どうしても顔色に出てしまうことに

いつの間にか抵抗を感じなくなっていく


明るい未来を想像できなくても

無力感に苛まれても

時間は過ぎ

何度も朝を迎えてしまう


どんなに良かった時期を過ごしても

いまが駄目なら意味はない


ため息

息を吸い込んで

またため息


そうこうしているうちに

今日も日が暮れた

2014/06/19

それぞれの間にはなんらかのぼーっとした何かが入ります

日差し

目覚め

外の空気



日陰

清涼飲料水

居眠り

目覚め

帰路

風呂

ベッド

就寝

2014/06/02

独白

私は生まれてこのかた
愚痴も言わず
人のお願いには進んで応じてきました

ベッドに独り横になって
そういった人生を振り返ってみますと

どうやらそれは偽りの行動だったようです

都合の良いときだけ猫なで声
用がすんだらお礼ひとつない人たちに

私は嫌悪の心を抱いておりました

また
それを表にださずにいる自分にも


私に何かを行う能力がなくなってからというもの
気がつけば
ベッドに横たわる自分自身にしか
世界の幅がなくなってしまいました

神様

一度でいいから
私になにか
頼みごとを断る場面をお与えください

何の躊躇いもなく
無慈悲に断って
その相手に
心の底からにやりとしてみたいのです

2014/05/29

いたたまれない僕のおりたたみ傘

今日も、うまくいかないことに腹を立てた。

明日からも、うまくいかないことばかり起きるんだろうな。

折りたたみ傘はたたまれないまま玄関に置きっぱなし。

いたたまれない僕は文句ばかりたれっぱなし。

2014/05/25

こころ と モノ

お財布を何度開いてみても
増えるはずはないお金

ため息とともに店を出た

お金だけで幸せは得られないけれど
お金が無いことは不幸せの一つに間違いはない

誕生日
わたしはあの人に何を贈れるだろう

情けなさがまた
ため息を運んできた

あなたはきっと
「気にしないでいいんだよ」って
きっと笑顔をくれるのでしょう

でも
だからこそあなたに
私は両手一杯のプレゼントを贈りたいのです

2014/05/09

棒は波に襲われた

へやのなかで

真っ暗な闇のなかで

棒のようになって横たわると

なぜか海の風景が浮かんだ


きらきらと波は太陽を反射して

真っ暗な部屋にも

こころにも

あざけるように襲ってきては引いていく


棒は(僕は)

まっすぐなまま目を閉じて

脳に直接聞こえる

波の音に悩まされながら

眠った


2014/05/07

慈悲の眼差し 嘲笑の裏心

完全なものを求めすぎて人は

自分自身も愛せなくなっていく

幸せに向かうつもりが

不幸せに向かっていく悲しい滑稽さに

僕は涙が止まらない


神様

僕らが勝手に作り上げた神様

どうかあなただけは

これまで通り慈悲多き表情で

僕らを見つめていてください


見下し嘲笑する心の中を見せないままで

2014/05/02

犬と僕の1日

犬はただ座って

小屋の外を眺めている

目新しい何かが有るわけでもないのに


昇っていた太陽が

いつしか山の向こうへ降りていくまで

きっとそのままなんだろう


思い出したように餌を食べ

身体を足で掻いて

そして眺める作業へ


意味のない1日だなって思って

ふと

自分の1日がそれにどう勝るのか

答えられないことに愕然とした


辺りは真っ暗になって


犬は小屋へ

僕は家へ


2014/04/25

幸せの寿命、口論の終わりに

伸びすぎて脆くなった爪

冷たい会話は手遊びを生んで

爪にひびをいれる

日々の営み

人並みの幸せは色あせて

居合わせた僕らをモノクロにする


正しい白

間違った黒


無駄に過ぎる時間

幸せには必要のない言葉を交わす

疲労感で途切れた応酬


コーヒーを口に含んだ

たいして喉がかわいているわけでもないのに


カップの音が


より無機質に響いた

弱者と強者に訪れる今日

チキンをむさぼる闇の住人

心の隙間に素手を突っ込み

引き裂くように広げる


世界は

多くの犠牲者を出したあとしか気づけない


多くを持つものは出し惜しみ

少しも持てない人々はただ

日々を健気に 幸せをあきらめ生きる


あまりにも大きな隔たり


同じ死を待つものと知っていても

それでも隔たりは変わらない


そして今日が来た

それぞれの今日が

2014/04/21

兵器と平和

人を殺す兵器がある以上

人間は人間を殺すってことを否定できない

けれど

平和という言葉が存在する以上

人間が人間を殺さない世界は希望していいはずだ

2014/04/07

濡れることは嫌いじゃない

雨が降る仕組みを知ったところで

この雨で濡れないわけじゃない




開かないで


走りもせず濡れながら思ったこと

2014/04/03

望夏

夏を待ち望む

夏の終わりの物悲しさを味わいたくて

2014/03/08

通り雨

通り雨

青空から急に
黒くて厚い雨雲がやって来ると

中学生の僕は
何故かわくわくしたものだ

びしょ濡れになって
雨雲たちが急に
どこかに行った青空を見上げながら

生きている力そのもののように
堂々と立っていた

今はもう失ってしまった
立ち上る生命力を

懐かしく思う


2014/03/03

雨は降る 嫉妬の土壌の上に

お互いの過去を

ふと会話の中に認めてしまって

昔のことに嫉妬したとしても

未来へは行けないと知っている


それでも僕らは過去を掘って

穴だらけにしてしまうこともある


なんてぼくらは馬鹿で

純粋なんだろう


もう

前に進むときだ


暗闇に捨ててしまおう

その暗闇は二人の手で包まれて

繋いだ手の中で

光に変わる


そして


ひとしきり雨が降った後

穴だらけの土は均されて

虹で蓋をされた

2014/03/02

さようなら (2011/12/5掲載)

ずっとまってたのに

かえってきたらすぐにしんぶん

あなたのためにつくった

あったかなりょうりも

むごんでへっていく


でも


わたしはえみを くずさずみえを

はっていたのもきづかなかったでしょう


さようなら


しんぶんをみるじかん わたしとはなしていたらって

りょうり おいしかったねって いえばよかったって

おもっても もう わたしはいないのよ

せかいにおこるものごとを ずっとしりつづけていなさい

おともなく

きずついていく わたしのこころもしらなかったくせに

2014/02/28

胸の痛みとの戦い

気を抜いたり

気を入れすぎると襲ってくる

胸の痛み


もう大丈夫と言い聞かすほどにそれは私の中に居座る

想像以上の弱さを持つ自分自身に苛立ち

擁護 罵倒と 何人もの私が頭の中で終わりの無い討論を続ける

結局のところ


演出 私

出演 私

観客 私

しわがれた声で

人生のなかで

若いといわれる時期は結構長く

無駄な時間はとりわけ長い


年をとってしまった今

充実した余生を過ごすためにただ

無駄な時間を無駄だと思わない

そんな生き方で臨みたい


しわがれた声で

大きな声で笑う

怒りも悲しみも堂々と見せる


ただ

生きているように生きていければいい

2014/02/27

子供の笑顔のために そのくらいの大変さなど何の苦労と言えようか

誰もが寝静まるころ

おそらは雪をばらまいて

そっと世界を飾ります

目覚めた子供が窓をみて

まっしろな庭に驚くように


おそらは朝を想像しました

飛び出す子供

急いで上着をきせる大人たち


ちょっと大人は疲れちゃうかも

だけど

子供の笑顔は 銀世界よりもきれいに輝くものだから


ねえ

今日だけはどうか 我慢して



もう 

このくらいでじゅうぶんかな

雪をばらまいたあと

おそらは 子供の笑顔が楽しみで

朝になるまえに 

それだけで幸せな気分になりました







それぞれの正義

この世の中には
絶対に分かり合えない考えがある

そうでなければ

タバコが存在することや
戦争がなくならないことや
不幸せなまま続く家族がいることが説明できない

どんなに真剣に

どんなに分かりやすく説明してもきっと

気持ちも意味も届くことはないんだろう


それぞれの正義は続く

譲れないまま

変わらないまま

失いたくないまま



2014/02/18

カーテン

赤と白が交互に続くカーテンに
車の光が当たる

やがて光は通りすぎ
いつものカーテンに戻った

雨のおとで深夜に目覚めて
コップ一杯の水を飲み干した僕

そのカーテンをじっと
何も考えずに見つめていたら

人生のなかの充実した期間というものは
カーテンにライトが当たって明るくなるような
理由は有るが結局は偶然なものなんだろうなって

ふと我にかえった頭に浮かんできた

毛布にくるまって
目を閉じて祈る

明日が
少しはましな日であるように

不意に幸せというライトが当たって
僕というカーテンを明るくしますようにって

2014/02/17

ぼくらに怖いものなんてない

ゆっくりと退いていく闇がつくる空白を
そっと光が埋めていく

夜と朝のあいだ

地球ではいつもどこかで起こっているこの瞬間に
ぼくとあなたは一緒に空をながめている

ぼくらの出会う前を夜として
愛し合うまでの色んな偶然がこの朝焼けだとしたら
なんてロマンチックなんだろうね


そして朝が来た


ぼくらに怖いものなんてない

2014/02/13

会話をするということが

言葉は気持ちを乗せないとただの記号

伝えたい想いをかたちにしよう


会話をするということが

どれだけ楽しいことか感じよう




白と青と紅茶

白と青のツートンカラーの椅子
座りながら考えたこと

僕が思うこの世界は
偶然なようで
必然なようだ

口にした紅茶は舌に渋みを残し
喉を通って胃に落ちた 

雲と青空のツートンカラーの空
見上げながら考えたこと

僕が想うあなたとの出会いは
偶然なようで
必然だったんだ

2014/02/12

それぞれに浮かぶ文字

月にブルーライトを当てたら

浮かび上がる文字

○○○…

2014/02/07

誰に言っているの?…自分に

当たり障りのないようにって心にとらわれたら
きっと自分の言葉は出てこない

よくて
自分の言葉っぽい
止まり


2014/02/04

静寂の掟

砂利の上を歩くときのジャリっとした音を

夜の冷えた空気が遠くに運ぶ


扉がしまる音がして

切り取られた時間を静寂が埋める


鳥は屋根の上で動けずにいたが

どこからか聞こえる猫の鳴き声に許しを得て飛び去った



Sそれは L廊下のつながった Tとびらのような

暑い夏

それが「暑い」と感じないほどのめりこんだ音楽

確かに肌は汗を吹き出させ

体温を調節していたのだけれど

何度も口ずさみながら

脳に刺激を与え続けた


白いシーツ

真っ黒なラジカセ


無心

心のある無心って言葉が

ふと頭に浮かんだ


聞き直すと

過去と現在が繋がる          


少なくとも僕にとって

自分を形作るものの一つだ

2014/02/02

さようなら

お別れは笑顔がいい

人生の最期

僕はどんな風に死んでいくのだろう

その時

どんな人に囲まれるのかな


さようなら

って

かっこよく逝きたいけど

ちょっと無理だろうな


想像だけで照れてしまう僕は

足早に去っていく冬の太陽に

すこし嫉妬した

2014/01/31

スイカと終わった恋の関係(君はこの人をどこかで知っている)

スイカを凍らせた

緑の部分が青に見えるくらいに


それがゆっくりと溶けるのを眺めながら

僕は終わった恋を

過去という氷の牢屋に入れたんだ


近くを鳥が通りすぎていったけれど

振り返らずにスイカを眺めていた


僕は今

それしか出来ることが無かったから

2014/01/29

組み合わせは無限大

太陽と風のバランス

服を増やしたり減らしたり

汗と寒気を用意して僕たちは

何気ないようで変化に満ちた人生を送る



2014/01/16

そのとき そのとき

どっかりと座り込んで
あー疲れたーって言っていいんだよ

我慢したって世界は
そっと君を和らげてはくれない

そのぶん幸せなときは
順風満帆を形にしたような

満たされた笑顔を見せなさい

世界はその時はじめて
輝きを君に与えてくれるでしょう

現金な世界
君も現金でいい

リボルビングみたいに小分けに表現したって
ポイントなんて微々たるもんでしょう

ソフトクリーム

「ソフトクリームがさ

あんなにぐるぐるまわってさ

一番上で細くなって終わっているのはね

これからの二人の幸せの形なんだよ」って

君がいった


ぼくはきっと

言葉足らずで 比喩に満ちた君の言葉の

すべてを理解できてなかったんだけど


「そうだね」って

ソフトクリームの向こうの

君の目を見ながら言ったんだ

2014/01/13

digging in the dirt

瞼の裏には何も残らない

強い光を浴びた時でさえ

僕は

通り過ぎていく世界に何の興味もなく

かといって

これから対面する様々な場面に何の期待もしていない



拠り所は自分自身のみ


真っ黒な大きな板に

一本突き刺さっている白い釘


きっと僕はそう

そう思うことでしか

現在に耐えられないのだと思う


そして


もぐらは土を掻いて

どこからかどこかへ


digging in the dirt


2014/01/06

終わりまで行って考えようと思う人の人生

いつまでも続く

悩める日々

靴はぼろぼろで

足はもう言うことをきかない


それでも歩くのは

道がまだあるから


行き止まりか

どうしようもない壁に当たるまでは

まだ

歩こう