2012/11/29

悲しい相槌 

面白くもないのに無理して

『おもしろいですね』

本当に面白いときにわざわざそんな言い方をする人はいない


何だか逆に馬鹿にされた気分のなか

聞こえてきた クラクション

本当に危ないって思ったとき

悠長にクラクションなんか鳴らすかよって

何だか逆に馬鹿だなって気分になった

2012/11/28

メモ

悲しい歌になる前に

悲しい歌を聞かせます


死にたい死にたい 生きたいと


どうしようもなく孤独な世界を生きている

何もかも言える人に出会えない

そんな愚痴を漏らしながら



世界はいつも繋がって

長い長い生

楽しいのはほんの少し

苦しい時期と 寝てるとき

その他大勢はいつも記憶に無い

だって その他大勢なのだから


何でも嘆き悲しむくせに

楽しいときは何故か控え目

本当に幸せになりたいのかって

いつも疑問におもっています

愛するサラ

愛するサラ

いつも眺めていた


食事をするときも

しないときも


きれいな色 形 

毎日飽きないでいられた


でも 別れはやがて訪れた

とても最悪なこと

そう定義してしまえるまで どれだけかかったろう


僕の手からすり抜けて

あなたは遥か遠くへと



床に落ちて 割れてしまった サラ

破片を集めて捨てることが

何より残酷な罰に思えた


さようなら

燃えないごみが明日なのが

何よりの救いだった

亡骸は明日 引き取られて行くのだから


感じることは 意味よりも強い

あなたは悩む

悩むべきでないことも


日々摂る朝食が毎回おいしくなくたって

過去に追いやられていくだけなのにって


それでも今を捨てきれない気持ち

分かります


人間

それ自体の意味なんて あってもなくても僕たちは

僕たちであることを捨てることは出来ないのだから

2012/11/24

制御できない想い

自分では制御できないことを考えよう

世界は手強い

ほんの小さなことでさえも


雪がすべて綿になればいいとか

毛虫なんて全部死に絶えちゃえばいいんだとか

そんなことを考えよう


でも

僕は僕自身すらすきになれないんだけどね


ほんとうに世界は手強い

僕の意図なんて

細くて弱い糸みたいなものさ


でも

僕は君を愛してるんだけどね

ずっとそうでいられるよ

君がよければ

それは

絶対に切れない赤い糸みたいなものさ

誰も助けてくれないのなら

すとんと何かが落ちるように
何もかもがどうでもよくなる時がある

過去も

未来も

真っ白なシャツを 墨汁の海に投げ込まれたような黒
黒い無気力の海に ただ漂う

拾い上げてくれる人はいないので
我に返ったあとゆっくりと
岸辺まで這い上がる

いつかきっと
這い上がれずに自殺してもいいかな

岸辺は少しずつ遠くなって
自力じゃ戻れない日が来る予感がするんだ

効能

ふと口ずさみますこのうたを

ほんとに意味はないんだけれど

うたうと心がほぐれます


寝不足の朝

突然の雨

理不尽な説教にも


ちょっとは効果があるようです

あなたは悩み私も悩む

悩むくらいなら

躊躇があるくらいならって

それならもうやめてしまえば?って


つきはなそうとして

悩み躊躇する日々

帰り道

足音

通りすぎる車

遠くの犬の鳴き声


そして足音

オレンジ

オレンジ色のオレンジをむいて


食べないまま捨てる


意図したことがどのくらい


形になったのだろうって考えながら


そう …そう僕は

オレンジ色のオレンジをむいて

食べないまま捨てたんだ


オレンジをむかなかったことはもう できないのだけれど

2012/11/21

祈りとは目を閉じて行うものだ

この世には 知らなくていいことが多すぎて

理解をするたびに何かを落としていく気がする

ぼくはやがて必ず死んでしまうってこともそう


買い換えられていく電化製品


大量に殺され食肉になる牛や豚

電話で聞こえる声って

ほんとは誰の声なんだろう


目の前のあなたは

どうして僕を愛してくれるのだろう


ほんとうに愛されていると知ったなら

僕は喜びの涙を落とすだろう


僕は祈る


知りたいことは知れなくて

知らなくていいことばかり知らされる

そんな世の中でも

あなたとの変わらぬ愛と

永遠の幸せを



 大いなる逃避だと知りながらも

目が覚めただけのこと

朝に目が覚めるのになにか理由がいるだろうか?

ひらがなはいつも漢字より幼くみられてしまうというのに

見えもしないのに心にぽっかりと穴が開いてしまうんだぜ?

無料アプリで得をしようって有料の本を出す出版社

もちろん立ち読みは厳禁なんだろうな


ともかく

朝になって目が覚めたので

今日も歯を磨いてやることにしたんだ

2012/11/20

守ろうとすることで 守れなかったもの

大きなうねり

世界を大きく変えてゆく

そんな中僕は

どうにかしてそのままでいようともがく


何もなかったかのように笑って

新聞も テレビにも注意を払わないように注意を払う

それをすることで 自分の何かが変わらないようにって

負けないようにすること全てが

自分の弱さを浮き彫りにする

それは勝利と呼べるのだろうかと

いつも疑問が目の前に座って一時も離れないでいるのに

網膜に焼きついた光景

見えない振り 見えていない振り


大きなうねりが

世界を大きく変えていっても

そんな中僕は

どうにかしてそのままでいようとするだろう


自分だけ負けていないって思い込む

一番みじめな生き様をさらし続けていくとしても


つじつますら合わない 自分の中の世界へ逃げた男は

どんな漂白剤も効果がない 真っ黒な 真っ黒な気持ち

その奥底で じわじわと上に登ってくる悪臭には

どんな消臭剤も効果がない


言葉にあらわせないものを 誰にどう相談すればいいのだろう

あざ笑うかのように

それは全体に広がってゆく

言葉もなく理解してくれるような人が居れば別なんだけれど


きのこの群生する 紫色の土

ぎらぎらとした目をした長い尾を持つ魚が

その周りの沼を泳いでいる

夢ですら見ないような光景に

たった一人で立ち続けていくような孤独


誰も居ない

何も助けのない 

終わりのない 自分の作り出した世界に

ただはまり込んで目を閉じる


現実を直視するよりはましだという

本当の恐怖から逃げた先で












2012/11/18

秘密の部屋

誰もが胸の奥に作っている秘密の部屋

疲れた自分を匿う
最後の逃げ場所

今日も叫びきれない叫び声が
その部屋で上がる


真っ赤な花びらのついていた
かつては花であったものが
考える限りの方法で千切られている
踏みつけられたものが多数の破片

例えばそんなものだらけの部屋

何度も椅子は放り上げられ
机はひっくり返った後元に戻されまたひっくり返る
白と黒を何層も重ねたカーペットの上で

時刻むもの全てが排除された部屋

言葉数や韻だけでないもので積みげられた
不思議なリズムに迷い込んだカマキリは
獲物は自分だと知らされた瞬間に首を刈られる

その瞬間にまたその部屋に迷い込む

そんな真闇の運命の繰り返しを味わう部屋

フォーカスされた画面はどんどん尺を伸ばされ
最後に写りこんだのは

本物に限りなく近い笑顔の自分だった




幸せのため息(それは春 もしくは冬ではない季節とでも表せるだろうか)

足先に染み込む寒さ

白い息

手袋越しの感触でもいい

あなたと手を繋げるのなら

そんな寒さなんて端っこに追い込んで

幸せな心の温度は上がってゆく


手と手から繋がる心

愛情は互いを行き交って

目と目から伝わる言葉

愛情は互いを行き交って

幸せの ため息が出る


周りの静けさなんてお構いなしに笑って

笑い声の作る暖かな空間が

冬を駆逐する!


あなたと私の辿る人生が

いつもいつも

若葉を誘う春のようでいられたらいいねって

無邪気に語り合っていられる二人を


端っこに追いやられた冬の乾いた寒さが


羨ましそうに見ていた

耳ごしのよい音楽

静かに流れる音楽を

耳の先でワインのようにころがして味わう

その空間を

なんの疑問もなく

音楽と自分で満たす


小さいけれど

そこに確かにある幸福

2012/11/16

新雪のように

新雪に足跡を残すよろこび

小さな頃

覚えている


同じように

初めてと感じる思い

あなたと出会って

多く残せて

子供のように

喜ぶ

2012/11/15

平常

上がり下がりを続けるガソリンに

テレビや新聞が取り上げたときだけに関心をもつぼくら


戦争 治安 貨幣価値 

代替エネルギー 新たな掘削技術の発見 なんて

ほんとうは何にも理解はないくせに

読みかじった知識で 

結局はしょうがないよねって うすら笑う


ちょっと安いガソリンスタンドに

列を作って並ぶのがオチ


車は走る 渋滞を作る

守られない法定速度

守られない交通弱者


明日もまた続く平常




あやまり続ける人

四角の箱の隅っこに

ずっとうずくまって動かないひとがいる


何度声をかけても

顔も上げずに

ただなにかを呟いている


耳をすまして聴いてみると


どうやら『ごめんなさい』っていっているようだ


目が覚めた

夢だったようだ


顔は見えなかったけれど 

わかった


昔の自分に出会ったんだって

呑気

本当に呑気で人任せな

メディアでみたことそのままにしか情報を受け取れない

いつも後ろで固まって

文句ばかりの

何も自ら行動しようとしない人たちに


今日も朝が来る

2012/11/14

白い壁紙がくすんでしまうまで

ふと訪れたモデルルーム

この部屋の真っ白な壁紙が

家具に当たって傷付いたり

生まれた子供に落書きされて

生活の色に染まっていくんだね


そして


色もくすんだころ

子供も独り立ちして

また二人になって

壁紙を張り替えるとき

思い出がよみがえって

幸せな気持ちに包まれる


そんな夫婦になりませんか?

2012/11/11

必要な無駄

嘆いたって進んでいく人生

過ぎていく時間

でも、ゆっくりと無駄に過ごすことも必要

深呼吸

ひといきに吸い込んだ夜の空気

疲れと眠気を二酸化炭素と一緒に吐き出した

2012/11/10

問題

問題は外から


答えは内から

2012/11/09

埋める

大きな穴をほりましょう

世界は埋めてしまいたくなるような

嫌なことで一杯だ


たくさんたくさん入れましょう

後で後悔することのないほどの

嫌なことを捨てるんだ


少しくらい


大切なものも一緒に捨ててしまいそうだけれど


大きなほらを吹きましょう

世界には捨てても捨てきれないくらい

幸せなことも埋もれているんだって

2012/11/06

レタスの欠片が

ハンバーガーを包んでいた紙に残っていた

レタスの欠片が落ちた

僕らはそれを身動きせずに見つめている

捨てるものがただ途中で落ちた

だがそのごみはさっきまで

たしかに食物だったものなのだ


僕らの恋と重なって

少し悲しみの予感を感じたけれど

繋いだ手の温もりは

少なくともまだだと言っている


僕らと手の温もりは

レタスの欠片を拾い

ダストボックスに捨てた

悲しみの予感と一緒に

お別れの日の天気はやや曇りで

お別れの日が早まって

ねえ

ふたりはどんな別れをするんだろうね

どんな言葉、表情、雰囲気で


本当は来てほしくないけれど

ちょっと気になってしまって


できればたまには話せたら嬉しい

とか言いながら疎遠になって

悲しさが残らなければいいな


思ってたより早くなったけれど

ちゃんと教えてくれてありがとう

新しい道を頑張って

こっちは何か頑張ってみるから

じゃあねって


笑顔でさようならができますように



天気は、そうだな やや曇りぐらいで

2012/11/04

わっか

ちぎれないまま続く

ちぎれないわっか

ねじれても 引っ張られても続く

きれないわっか

でも

いつちぎれてもおかしくない

お互いにわかっていること


二本の線は繋がって

どこか繋ぎ目かわからないほどなのに

どうしてこんなにも儚く感じるのだろう

ちぎれない苦しみ

それでもちぎれない

あなたとわたしでできたわっか

2012/11/02

私と猫が失ったもの

笑顔を絶やさない猫

自由を捨ててまで生にしがみつく

爪を立てる相手もなく

ミルクと工場で作られた餌を胃に入れる


ねえ

あの精悍で

ギラギラした目は

一体どこにいってしまったの?

結局は

切ない風が吹く

心はその度に

小さく震える

けれど

暖かな明日を考える

担保のない希望に逃げる


どれも うまくいかないまま

明日が来る

タイル

交互に続く二色のタイルに

突然現れた違う色のタイル

あなたを何かに例えるなら

そう表現する


僕の人生への鮮烈な登場

どうかこれからは

あなたの色だけで タイルは続いていきますように