2011/12/24

ゴミ袋にいれた恋の思い出

僕は泣かないと決めていた

去っていったあなたに負けたくなかったから


部屋をきれいにして

あなたをすっきりと忘れようとしたり

身の回りの物を買い換えて

新しいスタートを演出しようとしたりしたり

それほどあなたの影響が大きかったんだなって

悔しく思ったりした


大きくなったごみ袋を運ぶ途中 落ちた何かの空き箱

舌打ちをしながらそれを拾う

袋の口に押し込む際に見えたチョコレートの絵

二人でぼーっと 何をするわけでもなく話しながら食べていたっけ


心のゴミ袋から こぼれ落ちる思い出

捨てきれるはずがなかった

忘れようとするほど 大きくなっていた過去に

気付かないふりをしていたんだ


僕はごみ置き場に 思い出まで捨てきれずに

きれいな部屋に戻り

新しいベッドの上で

少し泣いて

ほろ苦い 恋の後味を知った

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