僕は泣かないと決めていた
去っていったあなたに負けたくなかったから
部屋をきれいにして
あなたをすっきりと忘れようとしたり
身の回りの物を買い換えて
新しいスタートを演出しようとしたりしたり
それほどあなたの影響が大きかったんだなって
悔しく思ったりした
大きくなったごみ袋を運ぶ途中 落ちた何かの空き箱
舌打ちをしながらそれを拾う
袋の口に押し込む際に見えたチョコレートの絵
二人でぼーっと 何をするわけでもなく話しながら食べていたっけ
心のゴミ袋から こぼれ落ちる思い出
捨てきれるはずがなかった
忘れようとするほど 大きくなっていた過去に
気付かないふりをしていたんだ
僕はごみ置き場に 思い出まで捨てきれずに
きれいな部屋に戻り
新しいベッドの上で
少し泣いて
ほろ苦い 恋の後味を知った
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