2013/01/30

やかん

やかんって結構我慢強いよね

火にかけないと怒んないし


…って感じで始まる会話をする君は

気にかけないとすぐ怒る

2013/01/29

そそがれる

きれいな音楽で僕はそそがれる

ぼろぼろと落ちていく垢

心は軽く 透き通る


2013/01/27

スプーン

スープを飲んだあとのスプーン

君はこれから捨てられるまで

何度使われたり洗われたりするんだろうね

色んなカップとコンビを組んで

何人もの口に運ばれて


何故だか考えてしまったんだ


どうでもいいことの中でも

かなりどうでもいいことなんだろうけど

当事者外意識

犬のような笑い声

大きく手を叩いて笑うひと

無駄な演出な強弱のある声のあとに

どうでもいいような返事しかしない二人の会話


耳をふさいだ


人々が暮らすこのまちに

調和って現象は永遠に起きないみたいだ



意味のない繋がり

誰とも話さない夜が続くと

誰とも話さなくてもいい自分ができる


ある青い海のそばの

太陽の光をこれでもかと反射する砂浜にはいつも

死ねって書かれた色褪せた紙が落ちている


泳ぎを満喫した帰りがけに

それを拾ってしまった少年は

一体何を思うだろう


みんな知っているけれど

出来ればそうであってほしくないもの

血液と骨の物語

そこに置けるほどの

なにも照らせないランプ

食べられることのない料理

誰も走れないトラック

なんの害も中毒性もない麻薬


その横に僕の人生をそっと置こう

確かに誰かの何かの役には立ったかも知れないけれど

そこに置いてもいいって思えるほどの気持ちは本当


僕が埋めている空間は

誰かが埋めていないといけない空間じゃない


それも本当なんだから

2013/01/26

ワッカ

テニイレタイケレド

手に入らないもの

アキラメタイケレド

諦める自身がない

抜けることのできないわっかの中で

座ったり

歩き回ったりしている

スクワレナイ毎日

それなりの楽しいときも

いつものように沈んでいるときも

わっかの中

おもいよう

悲しいのは
悲しいと思うからだ
って
簡単にはいかない
簡単な理屈は
時に人を都合よくだます

幸せは自分のなかにあるという
何でも幸せに思えれば
それはそうだろう

でもその理屈が正しいとして
なぜこんなにも満たされないひとがいるのか
うまく説明して欲しい

大勢のひとには理解できない
変な宗教に没頭するひとたちは
自分は選ばれた存在だからとか
そんな答えをだしそうだけど

あなたが捧げたお金たち
決して浄財としての最期は迎えられないと思う
気付かないでいて欲しいけれど
それは色んな意味で
色んな意味で

さあそして
それぞれのひとの
人生が続く

それぞれのたどり着くべき
最期を目指して




2013/01/24

スイッチをいれて

ひまわりを植える

太陽の光

海はうたう


2013/01/22

子育ては子供に望むだけ?

親が子供に望む

『こうであって欲しい』

と同じように

子供が親に望む

『こんなパパ、ママであって欲しい』

が存在する

親の都合だけ押し付けるのはフェアじゃない

子供が望む親になろうとするのも

『努力義務』じゃないのかなあ


2013/01/21

新聞を眺める

新聞を眺める


活字にされた事件はいつも僕にとって
どこかで起きた 
どこかの出来事

数字で表された死人に
僕はどうしても
それ以上の感情を持つことが出来ない

それはドライって言葉で片付けて
唇の端を歪めて終わらせることではないんだろうけれど

きっと僕は
人生の終わりを意識してしまってから
自分を自分の視点で見ることが出来なくなったのかも



新聞を眺める


何でこんなにも
悪い 刺激の強い記事しかないんだろうって思いながら

部数ってやっぱり
新聞には必要なようで
その時点で完全な第三者的な役割は期待できないのだろうけれど

当事者は謳う
言論の自由を 
自らが縛られていることを見て見ぬふりで


今日も新聞は

大きな記事
そうでない記事が載って

これが昨日の世界の出来事だって
大きな顔をする


朝早くおきた

自転車やバイクに乗った人に運ばれて






幸せになれない性格にも 朝が来る

おはようという朝が来る

夜の次に


どこからか来た小鳥たちが鳴いて

無理やり起こされつつも 心地よい朝


繰り返しのようで 繰り返しではない

おはようという朝が来る

夜の次に


でも何故だろう

そんな気持ちの中にそっと

次の夜が頭をよぎる


おはようという朝に

こんな良い始まりを感じさせる朝に



2013/01/18

前略、神様と警察様

無意味に装飾された軽自動車が

同じように無意味な大きな音をたてて通りすぎる


すれ違い様に見えた

携帯を持っての馬鹿みたいな笑顔に


神様にどうかあの愚かな人間を

話してる相手ごと殺してくださいって祈った


せめて

警察に捕まってしまえって


いつか人を轢いて

相手が悪かったとか醜い言い訳を吐かせないために


決して悪意はありません

アメリカ人はお金のあてがあるとすぐ使う

カード社会の暗部をまざまざと見せつける

車の販売台数がそれを裏付ける

馬鹿なやつらだが憎めない

間抜けだが指標にはなる

自由にとらわれた不自由な人たちに乾杯

今日もきらきらと噂話は始まる

青空に現れた雲はやがて

雷を伴う雨を降らせる


傘のない人たちは思い思いに

雨宿りで留まったり

濡れるのを覚悟で駆け出したり


木々はひっそりと葉を濡らし

地面は避けもせず滴を受け止める

川はその体に取り込むことで勢力を増す


青空に現れた雲はやがて

雷を従えて雨と共に去る


何もなかったように星空は

全てを平等に見下ろして

きらきらと


きらきらと昨日からの噂話の続きを始める


こころのゆきどけ

やわらかなひざしに

やわらかなえがおが

はえる


こころには

ひとあしはやい

はるのおとずれ


まだつめたいじめんから

げんきなみどりのめが

はえる

格納

小さな頃に触ったてんとう虫

どうしてか脳裏によぎった


記憶というものは

ただ記憶されているものなんだと

必要、不必要に関わらず

しまいこまれている

無意味なデータにもの思う

2013/01/17

例えるなら

ぶどうを素手で握りつぶしたときの

指と指の間からにじみ出てくる液体のような

後悔

2013/01/16

夜空

あなたに訪れる

残酷な日々

傷痕をつけて去っていく


疲れはてて

どうしようもなくなって

ふと夜空を見上げた

そんなとき


そっと

あなたを優しく励ましてあげられる

星のような存在になりたい


元気なときには

見えなくたって

いい


2013/01/14

歌を歌う

歌を歌う

だいたいは笑顔で


歌を歌う

ときには泣きながら


歌を歌う

それ以外のときは 何も考えずに


2013/01/13

航海

いろんな偶然と同じように

いろんな選択もひとつになって

今の僕と

今の環境を作っている


すべてを運命で片付けた

文句だらけの人生は虚しいもの


受け止める勇気

受け流す技術


僕は人生を

自分で舵をきって生きているって思いたい

世界には

多くの困難と同じように

多くの幸せで満ちているのだから

道の途中にて

Boyz II MenのEnd of the Roadを聴きながら

もう歳をとったなと物思いにふける

まだトータルで考えるには早すぎることだし

これから

これから

道の終わりへ楽しんでいこう!


素直に思う

普通とか常識とか 

平然と自分の言葉として使える人が怖い

こんな世の中に

何かを基盤として自分を構築できている人が羨ましい

かわいた て

使いかけの鉛筆が手から離れて床に落ちる

乾いた木の音が続いている間に

僕は消ゴムを落とした

ゴムの部分が床に当たったのか

音という音はしなかったのを覚えている


僕は落としたり失ったりを繰り返してきた


鉛筆や消ゴムは床に転がったまま

拾うかどうかはぼくが決められるんだけれど

僕が今まで落としてきたものはそうじゃなかった

転がったまま拾ってくれるのを待っているなんて

そんな悠長な存在っていえば

…それは僕自身ぐらいなもの


冗談じゃなくそれはそうとしかいえない

それが冗談みたいに笑えるんだ

僕は

何を手にできるだろう

落とさずにいられるのだろう


例え持ち続けられたとして

塞がった手が持てなかった

もっと良いものがあったのではという

更に馬鹿な思いを持たずにいれるだろうか


僕の手は乾いている

僕の手は渇いている


そんなことを考えているうちに僕は

ペンケースを床に落とした


2013/01/09

変わらないもの

年が変わっても変わらないもの

日が暮れても

時計の針が何周しても

お腹が減って満腹になってを何度繰り返しても

絶対に変わらないもの



2013/01/06

君の世界に君がいないところなんて

苔のはえた大小様々な石を

バランスに気を付けて進む

狭かった道が開け

細い水の通り道が現れる

沢蟹は突然の来客に驚き

辺りへ逃げる


ここはもう無人の小川だった頃を失った


手に水の冷たさをのせ

こぼれ落ちる音を静寂に流し込む

ふと目を上にやると

日を遮る木の枝たちに

鳥は飛び乗って遊んでいた

異物に気付いたのか

鳥はいつしか姿を見せなくなっていた


ああ

日常を避け山に身を潜めようとした男よ

君はどこへいったって君を連れていっているのだ

君のいないところなんて

君の世界にはどこにもないのだ






他人事

隣の家が燃えている

叫び声

遠くから聞こえる消防車のサイレン

地の底から聞こえるような炎の音が

すべてを嘲笑う


やがて火は止まるだろう


何もかもを燃やすか

何かが燃え残るかの違いを

向かってくる消防車が作り出す

彼らは知っているのだ

彼らの出来ることの限界を


そして

何一つ過去から引き継ぐことのない材料で

同じような

あるいは同じではない家がまた建つのだろう



どんな顔でその時を迎えるのだろう

複雑な新居を


やっと

サイレンの主はたどり着き

空しい作業に取りかかる

なにも生むことのない作業に


目に見えないからこそ


寒さは目に見えないけれど

存在はしていて

例えば

寒さに凍える人を見ることはできる


恋心は目に見えないけれど

存在はしていて

例えば

恋心に酔っている人や

苦しんでいる人を見ることができる


見えないけれど

確かに存在するもの


そんなものほど僕らには

どうしようもなくて

けれど重要なものだから


悩ましい


花とカモメと生きること


こんな世界に

花は咲いて

こんな世界に

海はさざめいて


息をのむような真っ赤なバラ

青に映える白いカモメ


生きること

意味なんて考えないで生きている人の方が

誰よりも賢い

2013/01/04

それはお祝い気分なんてものに左右されない真実

降り積もった雪

僕らは

銀世界に

愛を書き込んだ


僕らは間違っていなかった


雪は溶け

ぐちゃぐちゃの地面が露出する頃には

愛は跡形もなくて


それは当たり前のことだった


愛一色に染まった僕らの心

愛は溶け

覚めきった現実だけが

ぐちゃぐちゃの地面のように

二人に残っただけだった


僕らは間違っていなかったし

それは当たり前のことだったんだ

祈りと祈りだけじゃない祈り

祈りましょう


今日という日が

いい日になりますように

明日や明日より先が

穏やかに過ごせますように


太陽は雲のない空を

ゆっくりと上ってゆく



昨日や昨日より前の日の

悲しい思い出がいつか

穏やかに振り返ることができるよう

タフな自分になれますように


心の太陽は雲だらけの胸の中を

ゆっくりと上ろうとしている

うつくしの

うつくしの丘

咲き乱れる花々

香る豊穣

人々はただ

幸せを享受する

悲しみのない

嘘が形になった世界