白い雲も白く見えない くすんだ心の僕は
夕方 薄暗くなった道が既に 真っ暗で足元も分からないくらい
優しい音楽も 魂で叫ぶロックシンガーの歌声も
僕の心には響かない
後悔や ネガティブなありもしないほど悪く補正された想像が
心の中を跳ね回る どす黒く 奥深く
もう立っていられない かといって 崩れ落ちたところで
誰かが手を取ってくれるわけでもない
なので 僕は
ふらふらと ただ残りかすの精神を頼りに 帰路につく
家族の団欒つまり あったかく笑いの絶えない妻と 子供たちとの
会話や食事のなかで過ごす時間は
かけがえの無いものだったのだ
それをうしなった僕は もうしなった植物のように
これから ゆっくりと
変色して 腐ってゆくのだろう
そして やっとの思いで たどり着いた家
ふいに
幸せだった過去が
今度は 何もかもうしなった僕を 信じられないほど強く打ちのめしてくる
何ものも 癒すことは出来ない 無かったことにはできない
そう決めてしまっているうちは もう
と
沈んでいるばかりの自分を
奮い立たせようと もう一人の自分が声を枯らし 叫ぶ
うじうじと うずくまっているだけじゃなく もっと上を 前をみろ と
わかっている
わかっている のだけれど
それでもまだ
もう少し このくすんで 壊死しそうな自分に 浸っていたいのだ
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