ああ
いままで死んでいった僕の知っている人たち
これから死んでいく人たちを
どうかこれから 忘れませんように
ぼくは そう
哀しみを感じない人ではない ので
泣かないからって
悲しんでいないわけではない ので
薄情だとか ドライだとか
勝手な押し付けをされるのだけは 困る
別れまでの 別れが決まっている人との時間は
何よりも つらい
逃げ出したときもあるし
不意に立ち会ってしまうことも あるだろう
泣いた からって
泣かなかった からって
どっちにしたって
僕はそれからの人生に
その意味を背負ってしまうのだろう から
ふとそのことが よぎって
急に涙が ぼろぼろと 落ちてしまって
嗚咽を漏らすことがあっても
思い出して泣いた思い出が
あなたが死んだ後にもできた思い出として
残るから
何か嬉しくなってしまう かも
楽しかったねえ 喧嘩もしたねえ
もう会えないことが 残念でなりません
でもこうやって 覚えていますって
それがせめてもの 手向け?
自分への 慰め?
ふう
少し 足を止めて
浅呼吸して 目をとじる
少しして 目をあけ足を進めた
その場所から その時間から 前へ
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