2017/04/02

知ることで失い 知らないことで得るもの

まだ何も知らなかった(何もと言えるくらいしか知らなかった)頃
私の世界は殆どが想像でできていた

成長の過程で増えていく知識に
想像の世界が瞬く間に侵食され
多くの素晴らしきまだ見ぬ世界が
そうではなかった世界に塗り替えられていった


何も知らないということと
何かを知るということが

簡単に白黒を付けられるものではなかったことに
切なさを禁じ得ない

知ってみると案外
何ということはなかったんだなんて



それでも まだ
知識や認識が届かない 私の世界に

救いが残っていると信じている

まだ何も知らなかった頃の
まだ見ぬ世界を想い なかなか寝付けなかった夜

世界はあんなにも
希望や驚きに満ちたものであったのだから


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