2015/04/16

墓とは祀る人のための物なり

戦争があったとして
男が妻を置いて戦いに赴くとして
その戦いのうちに 命を失ってしまったとして

結果 その国が勝ったとして
男が死んでしまったその国に
妻は何の価値を抱くだろう

これは
何通りにもある中の
たった一つの考え方だけれど
他のどの考え方にも劣らないと
強く思える

遺骨もない墓に
跪き手を合わせる妻に

国は一体何をしてあげられるのだろう
男は一体何をしてあげられるのだろう

墓に落ちる涙や雨は

今日も

今週も

今月も

今年も

濡れては乾くを繰り返すばかり


形を持たない国は

また過ちを繰り返しながら

存在し続ける


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