2013/04/05

もぐらの祈り

心をさらけ出している時の
無防備過ぎる状態で
何度深い傷を負ったことだろう

多くは自分自身に問題があった
それは分かっているんだけれど

まるで
光を求めるもぐらが
土から這い出て
太陽の光で自らの目を焼くよう

愚かな行動
醜い姿

でも
もし降り注いでいたものが
柔らかな月の光だったなら
そのもぐらは幸せになれただろうか?

もう一度土をかきわけ
地上を目指すとき

月の光に照らされますように


あなたの笑顔は透き通るようで
声は心地よく耳に入ってくる
優しさは心に染み込んでくるよう

地中で祈る
明日目にする光を想いながら

どうかあなたは
月であってくれますように

2013/04/04

始まり

海から川と

山へ上って行き

そして湧水にたどり着く


僕にとっての湧水って

なんだろうって考えたら

脈略もなくきみの顔が浮かんだ


でもきっと

そういうことなんだろう


そして僕は海へ下る

雨の風景



水溜り

傘をさす人たち

駆け足で車に乗る人


傘もささず笑っている子供

雨宿りをしている猫


僕たちは皆死ぬんです!

誰の目も届かないところから

そっと風に乗ってやってくる


どんなに笑顔のときにも

それが胸を通り抜けると

心のスイッチはオフに


僕はずっと

何も分からない振りで

笑って生きていたいっていうのにな


死ぬってことを受け止めること

果たして人間に必要なんだろうかってさえ思う


やっと忘れた振りができるようになって

笑顔で一日をすごす


街には暖かい日差し

道行く人にも 笑顔


きっとみんな

知らない振りを続けようと

頑張っているんだろうな


2013/04/02

深夜の海の向こうへ投げつけられた歌声

道路を横切って海辺へ向かうと
空気のにおいが急に変わって

潮の香りに包まれた

冷たさも心地よい
何にも遮られずに
まっすぐに向かってくる風

何か歌を歌わずにいられなかった
夜の海辺
波の音に混ざって
語りあっている錯覚

ぼくは
こんな夜中に独り笑っている

叫ぶように歌う

ねえ

僕は今
自然とひとつになっている?

靴の中に入ってくる砂

今は気にせずに歩こう

気がついたら無言で

海の向こうを眺めていた僕だけれど




私は群衆の一人

見たまえ!
この哀れな群衆を

与えられた情報を鵜呑みにして
何かを分かった振り

新聞を毎日隅々まで見たって
世界を見渡せるわけでもないというのに

気の知れた人達の前で酔いに任せた演説
何もかもを批判すればその上に立てる気でいる

滑稽なり!
この無生産な群衆は

ただ消費することに時間を費やし
自分も周りもすり減らしていく

人は皆
死ぬんだよって

他人事には簡単にいえるくせに自分は
惨めな死に様を晒すんだろう

私も 
そうだ




初めと終わり

何も無い真っ暗闇に
突然現れた明かり
闇を押しのけて輝く

どこからかやってくる人
明かりに誘われて
ただ集まり見つめている

いつしか輝きは弱まり
そっと闇の中に消えていくと
人々はまたどこかへ

けれど

何もない真っ暗闇に
突然現れた明かりは
闇を押しのけて輝いていたのだ