2024/10/26

冷蔵庫の中で

ずっとしまわれている

僕の炎

奥の奥の方

冷蔵庫を開けても

見えないところで


たぎっても

たぎっても

冷やされてしまう


せめてここから出してくれれば

何かを灰にだって

できちゃうのにって

炎はいつも

ぼやいている


鬱な気分も

何もかもに感じている無意味さも

なんだって

燃やしてしまえるのにって


賞味期限って

あったっけ

取り出しても手遅れだったなんて

絶望でしかないよね


漫画でよくある

逆転を狙ったとっておきの奥の手が

不発に終わった時のようだ


縁起でもないな


でもよくあること

本当によくあること


よく生きていけるなって

思えるくらいは味わってきているのに

仄かな希望と

決定的な絶望を

繰り返している


これはある意味強さかもしれない


実は

冷凍庫にも

僕の炎が

あるらしいよ


凍らされてもなお

燃える炎が


ふふん


2024/10/21

死を受け入れようと思えた あなたへのちょっとしたご挨拶( remastered)

 やっと死について

考えることができたのですね

楽しんで 悲しんで 苦労して 
自分を探したり
何も考えずにいても
人には必ず死が訪れるのです

いらっしゃい 
あなたを迎えましょう

それでは
あなたが死を受け入れるきっかけとなった
出来事を
聞かせてもらいましょうか

ふむふむ

一言では表せない
重く苦しい気持ちになったのですね

ずっと心の奥で
燻ったものが這い出てきてしまったのですね

よろしい
やっとあなたは一歩を踏み出せたのです

当分はその考えに苛まれ
少しの間忘れ
すぐに思い出す
その繰り返しを続けていくことでしょう

しかし
これであなたの生は
やっと前を向いたものになりました

一度きちんと受け入れること

先ず大事なことは 
そこなのです

今までの生活にの
何気ないひと時にも
意味が増していくことでしょう

どんな死に様を迎えるか
たまにでもいい
それを思い浮かべながら
あなたは生きるのです

これは
目に見えない
考えても答えが出ないことです

だからこそ
意味がある

あらためて 
あなたを迎えます

そして祈ります

あなたの死が
あなたにとって
意味のある死になりますように

穏やかに死ねるような
良き人生が送れますようにと








2024/10/12

The walk to paradise

 

The walk to paradise

楽園って言われても

何もピンとこない僕は

きっと幸せになれない心質らしい


そうだねきっと

何もかも満たされた世界って

むしろ地獄だって思えるもの


でもそんな僕の人生でも

死ぬまでに何か

持って帰れたらって思うことはある


その何かが

何かはまだわからないけれど


The walk to paradise


僕が死ぬまでに

何かを持っていけますように


生きた意味とまでは

いかないまでも


これだって言える

何かを


2024/10/03

バスに乗って

 履き掛けの靴で

飛び出すように外に出て

バス停へ向かった


笑い声

子供の

親の

聞こえてきた


忘れた頃に吹いてくる風にそっと押されて

家から近くのコンビニの前を

入るかどうか迷いながら通り過ぎ

たら急に

車が私の横を通り過ぎた


こんな狭い道を

ミニバンは

そんなに急いでどうするのだろう


世界

私の

私以外の

生きているトコロ


あなたたちが本物かどうか

知るよしもない

私だって


バス停近くのコンビニの前を

入るかどうか迷いながら通り過ぎ

た人と不意に

目が合いながらすれ違った


バス停へ着いたら

バスに乗って

椅子に座れなかった人たちを

観察するんだ