2015/02/26

四角い月

屋根を通して月は見えないけれど
今日は四角な月の気分

何か大きな悩みがあるわけではなく
すべて満たされているわけでもなく

自宅なはずなのに
ここじゃないどこか本当の自宅に帰りたくなる

きっとどこか病んでいるんだろう

原因不明の熱病のようだ
きっと
治す場所がわからず医者はメスを投げるだろう

蝕まれていく自分を
四角の真っ赤な月が
太陽よりも遠くから見つめている

胸に手を当てても
心には届かないのは分かっているけれど
手は動く

どうしようなく
かといって諦めも出来ない
原因不明の心の熱病

ふと 手を空に向け 伸ばした

手のひらをも通りぬけ
月は僕を眺め続ける

目を閉じても
うつ伏せになっても

同じように

2015/02/20

ふと神妙な顔になってその男は

男女が深夜のファミレスで話している

僕がどうしても許せないのは
この世に生まれた命が
意味もなく他者に奪われることが蔓延していることなんだ

それは確かだけど
どうして今そんなことを?

そう
それは今のように突然現れるんだ
普段は抑えられているものが吹き出すみたいに

そう
けれどそれはどうしようもないことじゃない?

だからずっと解決できないまま残留し続けているんだと思う
一番問題なのは
自分自身がそれをどうでもいいと思っているのになくならないことなんだ


食後のデザートが置かれ
その後話は放って置かれた


深夜という時間帯は
人の心の奥底が露出される時間

目覚めた次の朝
その瞬間にも失われていく命に
思いを馳せず 
伸びをするのだろう

突然思い出したように説教されたくない説教

どんな理由で 
生まれてきたのかなんて
分かったところで 
どうにもならないことを探すより
目の前の現実を 
どうにかすべきなんだ

修正のきかなくなった 
望んでいない現実に目を背け
ありもしないところに
自分を探しに行く若者を 
少しでも減らさなければいけない

頑張ればなんでも出来るなんて
無責任で馬鹿な嘘に乗せられて
いつか本気を出せば 
って人はみな
残酷な結末を迎えている


地球はかつて
そんなところではなかった

日々を生き延びるために全力を尽くす
文字通りの生物たちが住む惑星だったのだ

原点回帰?
我々の原点はどこだ?

分かったところで
どうにもならないことを探すような
曖昧で詐欺的な言葉を使い
自分や他人を騙すのはもう止めるべきだ

日々を生きること

我々がやらなければならなことは
たったそれだけだというのに









2015/02/19

晴れ間を迎える心の持ちよう

あなたはいつも
幸せそうでいいよね
っていうけれど

悩みは
あなただけのものではありません

すさんでちょっと
言ってしまっただけかもしれないけれど

この強い風と雨は
世界のどこにでも
同時に降るものではないし

もし降ったとしても
屋内や屋外にいるひとが
同時に濡れてしまうわけではありません

わたしは例え濡れたとしても
笑って水たまりを跳ねるでしょう

あなたのように
濡れることにいちいち怒ってはいられないから

やがて誰にも同じように訪れる
晴れた空から降り注ぐ太陽の光に

誰よりも笑顔でお出迎えをしたいから

2015/02/18

この世界に起きている 数えきれない争いの中で

開きっぱなしのドア
閉まっていないと気になって仕方のない僕

ベッドに横になっているもうひとりの僕が
わざわざ温かい快適なベッドから出ていきたくないと抗議する

開きっぱなしのドア
温かい快適なベッド

この世界に数えきれなく存在する争いの中でも
限りなく最下位に近い無益な争い

そう独り言を行った後
どちらの僕もが思ったことは

争いは総じて無益なものだってこと


けれど 闘いは終わらない

ドアは開いたまま 僕は温まっているままで

2015/02/13

久しぶりの晴れ間に

久しぶりに現れた晴れ間
僕は望んでなんていないのに
なぜ 和やかな気持ちになるんだろう

眩しくて

昨日までの服装では暑いくらいで
僕は望んでいなかったのに
なぜ 穏やかな気持ちになるんだろう

コートを脱いでみたら

逆に寒くなって
温度調整が面倒くさいはずなのに
なぜ ひとりでに笑顔になっているんだろう

こんな日に
川辺はきれいに輝いているんだろうな

こんな日に
あの人の顔がより輝いて見えるのだろうな

それなら
望んであげてもいい

こんな心が踊る久しぶりの晴れ間を

望んであげてもいい

2015/02/12

つながる手

つながる手

子供がおじいさんに繋がれる手
ひたすら純粋な 何も求めない愛が子供を包む

子供と子供が繋がる手
成長するたびにいろいろな形の友情を見つけていく

男と女で繋がる手
純粋で不純な愛情というもので人はまた成長する

親と子が繋がる手
生まれてきてくれてありがとうと子供は祝福され育つ

つながる手

夫婦が再び繋いだ手
子供を育て 二人は残りの人生をゆっくり歩いて行く

そして

夫婦が最後に繋ぐ手は
悲しみと感謝が入り交じるだろう

独りになってしまった手には
人生で出会った大切な人たちが

繋がっていた



2015/02/06

幸せな自分を作るレシピ

人を多く貶す分 同じくらい多く人を讃えよう

悲しいことを考える分 同じくらい楽しいことも考えよう


バランスを意識的に取ることは

自分の内面の安定に繋がるはずだから


雨が君を濡らしても

その後にやってくる太陽が乾かすはず


悪いことばかり気に留めて

良いことは当たり前なんて思ってちゃ

不幸せな自分を自分で作っているようなもの


どうにもならない運命は仕方ない

どうにかできる自分から

先ず始めよう


幸せな自分を作るレシピ



2015/02/04

恋のライバル

この
素晴らしく楽しく幸せな瞬間も

人生の
死への階段を登っている途中に見えた風景だと
気づいてしまえば
ちょっと
複雑な思いをしてしまう

けれどやっぱり
僕らは楽しい時は何も考える楽しむべきなんだ

ねえ

君を僕は大好きだけれど
それはそれ以外の感情抜きに
言えているよ

人生はどうせ死ぬから 
なんて

だから何にだって意味はないんだ 
なんて

僕は絶対に 言いたくない

ねえ

君の好きがどのくらいの好きかなんて

きっと
僕にはどうでもいいくらい満足しているんだけれど

それでもやっぱり
同じ位好きでいてほしいなとは思う

適当に今思いついた言葉でいいのならば
恋のライバルでいたいんだ

ずっと

2015/02/02

のんびりやさんの大発見

何をするにもおっくうで
実際になにもしていない休日に
そろそろ何かしなくてはって
自分で自分の背中を押したとき

押す自分と
押される自分とに分かれていることに気づいた

分割されたり集まって一つになったりと
きっと人格は思ったより柔軟なものなんだな

勝手に納得しながら
切らしているトイレットペーパーを買いに出て

人格云々を考えていたこともすぐに忘れた


2015/02/01

音楽にあふれる人生

他のだれかがどうだって構わない

好きな音楽を聞いている時

私の心はやすまる


少なくとも 私はそう


じっと聞き入ったり

一緒に口ずさんだり

脳内再生をしたり


何もしていなくても

歩いている時でも

何かに急いでいる時も


少なくとも 私はそう


これからの人生をずっと

そっと付き添ってくれるはずの音楽に