悲しみの痛みでじっとしていられない夜
誰もいないたんぼみちを走る
冷たいコンクリートの橋の上で一休み
昔この道を自転車で通ったときにみた
流れ星のことを思い出した
全速力で走る自転車から 不意に振り返ってみた星空に走った細い光
あの時は進路に向き戻ったとき もう一本の星の流れをみたんだった
偶然に胸を締められた感覚が
いま鮮明に蘇る
現実に戻るとどうしても
見れないだろう連続の光のすじを欲しがってしまう自分
少し恥ずかしくなり
長い恋が終わった悲しみを
何でもいいから癒したいからだろうと
何も考えず空を見ていた
無音に包まれたこの空は
きらきらと星を輝かせる以外 何の変化も無い
目線を落とすと 地面の先に
遠くの道を走る車が ゆっくりと向こうへ走っている
その上に 流れ星
とってつけたような偶然に 僕は一人笑い上を見る
と
そこにあわられたもう一本の太い光 見たことの無い大きな輝きに
息や鼓動や私のすべてのものが確かに止まった
しばらくして我に返ると
こんなときは素直に 偶然以外のものを感じ取り
もう少し がんばってみよう と
夜空がくれた激励に背中を押され
立ち上がり 砂を払い家へ戻る
ゆっくり歩く帰り道
進むべき道のはるか上に
ひとすじの光
偶然を偶然にしたくない僕
三個目の流れ星に
頑張れといわれた気がした
頑張って生きるよう 優しくも力強く肩をたたかれた気がした
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