2011/07/31

上を向くことの難しさ

しずんた気持ちをすこしでも

やわらげようと上を向く

たったそれだけでも

襲ってくる暗い感情がすぐに

僕を下に向けようとする

何だこの弱さは

自分に屈服される悔しさは

さらに僕を下へと向けさせた

初めての道をいくと

お決まりのジョギングコース

ちょっと遠回りをしてみたけれど

蜘蛛の巣がまとわりついてさんざんな結果

いつもの道に戻り

途中でもう一度新しい道を選ぶ

誰もいない田んぼみち

大きく広がるひとりだけの十字路

特等席にすわり

月の無い

けれど明るい夜空にこんばんわをする

2011/07/29

雲に語りかける

仕事帰りの22時

家の近くの田んぼまでジョギング

誰もいないのをいいことに

大きな声で歌を歌う



切れかかった息

座り込む

申し訳程度に吹く風のなか

月のいない夜空に大きな雲

ずっと見つめた後

無言で語りかけると

無言で語りかけてきた

逃避

これ以上みていられない

現実はどうして

苦しみばかり私にみせるのだろう

目を閉じてみても

網膜に焼きついたままの厳しい状況

逃避も解決もできない

悩むばかりで時間だけが進む

何度繰り返し死ぬのだろうと

逃避につぐ逃避も進行し続けている

2011/07/28

ここにあるもの

あおあおとした

なもしらぬくさがかぜにゆれている

かわべではいま

たいそうずわりのぼくがいる

ここにあるのは

かわがながれるおと

かぜのおと

くさがゆれるおと

ぼくがはなをすするおと

きこえないけれど

なみだがおちるおと

なにもしらない

たいようのひかりがふりそそぐおと

2011/07/27

ふと

何もかもが繰り返しのような毎日に訪れる

突然の変化が僕のすべてを止めてしまった

別れを告げる勇気を賞賛する心は無い

入れ替わる驚きや憎しみや寂しさや悔しさで一杯

後悔もある 反省もあるけれど

僕の中ではどうしても

ふと訪れた災厄でしかない

巧妙な段取りで行われたもの?

それとも突発的に言い放たれたもの?

頭の中でどれだけの考えが生まれただろう

でも

何も言えなかった

すすんだの?

何人もの自分の中の人格が

一斉に議論をする

『いっちゃえよ』

『いや、いまはまだだ』

『いかなくてもいいんじゃない?』

決まってそのときは

何もしないまま

疲れて終わる

ああ

自分の中にすらリーダーシップが取れないなんて



後ろ向きな性格がいつもトップに立っている現実

2011/07/26

暑い

暑い

何をするにも汗がつきまとう季節

ひと時の涼しさに逃げてしまうと

二度と戻りたくなくなってゆく

人生にとっての夏は

どんな時期なんだろうと

タオルを片手にふと考えた

2011/07/24

何かから逃げるための旅

初めての土地に過去を引きずりながら訪れる

なんて滑稽な行いだ

2011/07/23

あついくも

あついくも

真っ黒で

雨とかみなりをおとす

傘のないぼくは

びしょ濡れになりながらも

空をみあげて話しかけていた

きみは

晴れのよろこびをくれるくもだね



空はいつか

雲ひとつなくなって

太陽が一人

光るのだろうけど

そう思うと

このあついくもがいなくなることが

何となく悲しくも思えた

2011/07/22

ゆっくりとあるくということが

ゆっくりあるくということが

ゆっくり人生を送るということが

何よりいいことだと思っていた

実際

私なりの人生を歩んでこれたし

このまま何となく向かう道が見えた気がしていた

ただいつか

一緒のペースで進める人に出会えずに

ふと気づけば置いていかれているばかりの恋に

このままでいいのかと焦りを感じてきていた

実際

同じように迎える終わりに

同じように道を歩める人はいないのだと

大きく私を包み込む黒い雲にささやかれたりもした

私はどうすれば

ゆっくりとあるくということにまた

自信を持てる日が来るのだろう

いつか同じ歩幅を持つ人に

出会えるまで待てというのだろうか

ゆっくりと人生をすごすということは

私に結局何をくれたのか


もう長くないこの道の途中で

私はただ

途方にくれるばかりだ

ゆっくりと頭をたれるばかりだ

2011/07/20

苦しみ 捕獲

笑うだけでは解決しないこと

ポジティブの限界

苦しみは無限大

底のない落下

光を押しつぶせるのは闇

生のなかの死

希望を根こそぎ刈る絶望

2011/07/16

終わりと始まりに立ちはだかる大きな壁

一日の疲れとともに 眠りにつく人たち

目覚めを意識できるまもなく

体は朝出発の準備を始める

意味を見出している人も

無意味だと思いながらも機械のように生きている人も

いつのまにか

何者にも縛られず 心休む間を怠惰と疎み

何かに追われている自分でないと安心できなくなり

何時の間にか社会に取り込まれる

まるで

自分を操る操り人形

殺意

殺意

実行に及ばない限り人は裁かれない

止めて欲しくても止めてもらえず

及んだ悲しい殺人も数多くあるだろう

ただし

それ以上の数多くの人が

後悔してきたことだろう

むしろ

そうだと信じていたい

悲しすぎる行為

2011/07/15

氷水

暑ければ汗を流し

寒ければ凍える

それは当たり前のこと

だからこそ

暑い中 氷水を飲むと

ひとときの清涼が

体全体をつつむのだろう

2011/07/12

潜在

潜んでいるものは見えないから

潜在ってのは 見えるまではやっぱり無いのと一緒なんだ

見せて初めて こんな能力もあったのかと意味をなす言葉

何もしないくせに

いつでもできるってそぶりの人間には

絶対に使って欲しくない

ただ言葉や理屈だけで人や世間を語る

大抵人を馬鹿にして優越感に浸る卑怯でいてかわいそうな人間には

2011/07/11

喜びに

未来を自分でみることができない君へ

今のちょっと先も確信できないのなら

目をとじ

ゆっくりと座って

急がなくていいと言い聞かすのです

目指すべき未来とは

誰かが望んだものではなく

あなたが進んだ結果なだけであると

2011/07/07

ID

想像の中で私たちは、世界を救ったり滅ぼしたり、人助けや人殺しができる。

深森

緑がどこまでも深い森の中を進む

時間がたつと 歩いているのか 周りが動いているのか分からなくなって

いつしか森と同化したような感覚さえ生じてくる

岐路につくと こんなにも長い道をきたのかと驚き

往路の何倍もの疲労に襲われ

現実へとくたくたになって帰り着く

2011/07/05

かがやき

かがやきが胸に現れたとき

胸は一瞬自分を見失う

いつも続いていたネガティブな状態

それが普通と感じていたから

かがやきを受容できたとき

胸には希望が生まれるのだけれど

花火のように消えてしまい

またいつもの暗闇が戻ってくると

絶望と安堵が一緒に現われ

胸はそっと目を閉じて泣く