2025/06/06

だれからも いらない子

雨が止んで

少し外で歩く


僕はきっと

だれからも いらない子

一緒にいる人

みんな苦しんで

逃げていく


裏切られても

加害者なんだって

僕が悪いから

仕方ない報いなんだって


そっか

じゃあ僕は

ひとりでいいや

僕に苦しめられるのは

僕だけにしなくっちゃ


水たまり

ただ眺めてたら

水が揺れて

僕の顔も揺れて

誰かわからなくなった


叫んでも

周りの人が

驚いてこっちを見るだけ


僕は僕がなんなのか

いまさら

分からなくなった


ねえなんで

ひとってひとなの?


悩みってなんのために

この世界に存在するの?


大きな声で

叫ぶけど

どこにも声は

届かないらしい


僕はだれからも いらない子

荒野に猫は

生き抜いて


雨がふってたんだ

太陽が嘘くさく輝いて

迷惑


雨がふって

僕の何かを

流してくれないかな


僕ごとどこかに

流してくれないか!









2025/05/28

へいこう

並行世界では
知らない自分が
知らないことをしているんだろう

それって自分?

何が違ったら
自分じゃなくなってしまうんだろう

粉を集めて麺にすると同じように
何が集まって自分になっているのだろう

分からないことだらけに
閉口してしまうけど

分からないことって実は
分かってはいけないことなのかも

何も思考が進まない

子供から大人になって
出来ることが多くなったって

出来なくなることが多くなっていること
気付かない振りしてる

どこにも僕らは進んでいない

並行世界の自分も
それに気付いてるといい
けれど


2025/05/27

空白が多いとき

座れる石

その上でぼーっと

後ろ向きなことを考える

電灯に影が伸ばされて


ああでも


自分のこと

分かってもらえないって嘆いてるけど


誰かのこと

分かってあげたことがあったっけ


世界がどうとか

嘆いてるけど


自分もその一部のくせに

神様かなんかのつもり?


ああ

自分にも叱られる始末

涙は風で飛んで飛沫


その分少し軽くなって


立てる意思

その上でそーっと

身体を持ち上げた

電灯に背中を照らされて







2025/05/16

実際

幸せな人生を送りたかった

なんの苦労もない

人生を


けれど

実際

とにかく大変だった

思い通りに行くことって

思い通りに行かないってことだけ


這いつくばって

泥の味を知る

でも

良いことが不意に

身を襲う時もあって


トータルでは

良い人生って言えそうだけど


本当は

雲の上で

ティーカップを傾ける

人生が良かったんだよ


実際は

なんの変哲もない

私だけの特別な

人生だったって

死ぬ前に思えたらいい


実際

どうなるか

わからないけれど





2025/05/11

コンサデュアウス

朝日
眩しく照らす
僕の背中を

影が僕の
前を行く

僕が影に
ついて行っているように
ぴったりと
依存しているように

コンサデュアウス

ゴミ箱に入っているものは
なんだってゴミなんだって

じゃあ
僕の中にある想いや悩みは
全部僕ってことじゃないか!

僕から滲み出ている
この影は
僕じゃあない

何について行っている?
何に依存しているというのか

朝日が僕の
何かを取り出した

切り離せば
何か変われるかな

朝日に向かえば

影が後ろに

置いていけるものなら
置いていきたい

コンサデュアウス

僕は歩く
朝日に向かって

影がそっと
ついて来る

影が僕に
置いていかれないように
ぴったりと
僕に依存するように

2025/04/29

どこでもうたを

土器でぶん殴られたような

ドキドキに

宇宙が揺れた

僕の宇宙中が

震撼

新幹線

ドリルで地面に潜る

突き抜けるまで

神官

祈るひたすらに

この宇宙が

いつまでも続きますように


人間

いつか死ぬ

地球

いつか死ぬ


宇宙は?

ねえ?


僕は歌う

ただ

自分のために


僕の世界は

僕がいないと

存在できないから


僕は

僕であるために

歌う


どこでもうたを

土器のような震撼

新幹線のドリル

神官の祈り


たらららと




2025/04/24

思い出を人質にしないで

積もった思い出
人質にしないで
これからのなにかを
決める時に

きっと
「今」の気持ちで
決めていいこと
多いはず

夏を迎える前の
ひとときの涼しい日
曇り空でも
僕は上を向く

足元は見えないけど
きっと足は
うまくやってくれるはず
歩いて行ける

後ろから何かの足音が聞こえる
悩み?
それとも夏?
これからの凛とした未来?

悩みなら振り切って
夏なら澄まし顔で追い抜かれて
凛とした未来なら共に
僕は歩くよ

雲の切れ間に太陽の笑顔
眩しいなあ
僕の未来も
そうあればいいのに





2025/04/15

鐘の音

あのね
終わりを告げる鐘を
鳴らしてしまえばもう

これまでのいろいろなことの
意味がなくなっちゃうんじゃないかって
鐘を打つ手が止まったまま

悲しいね
あんなにたくさんの
楽しかったことが

これで増えていかないんだって
思ったら
鳴らせない

でもね
やり直しを告げる鐘だけは
どこにもないんだもう

いろいろなことが
あの頃に戻る道を閉ざしてしまってて
鐘が鳴るのを待つだけの間(ま)

悲しいね
あんなにたくさんの
楽しかった日々を過ごせた人と

こんな終わりが待っていただなんて

せめて
こころだけは裏切らず
この鐘を鳴らすことにしよう

もう少し
あと少し
待った後で

鐘の音が聞こえた時
僕とあなたが
未来へ踏み出せますように



2025/04/13

Saito

斎藤
それは夢
斎藤
それは泡沫

世界にここだけの場所
宇宙で起きた奇跡

斎藤の苗字をもったひとと
一度も仲良くなったことがない

私の未踏地域
神秘の園
斎藤
斉藤
西藤
そのたのすべてのSaitoに

幸せあれ





2025/03/29

まっぷたつ

 朝

まっぷたつに

パンを引き裂いた

片一方はマーガリン

もう片一方はイチゴのジャム


まっぷたつに

箸が折れた

片一方は持つところ

もう片一方ははさむところ


さて

私のこれからの話をしよう

こっちのみちと

あっちのみち

どっちも大変でしかないけど

ちょっと残るものが違うみち


私のこれからがまっぷたつ

決められないまま

悩みは続く


私の未来には

マーガリンもジャムも

一緒にはできないみたい

持つところとはさむところも

一緒には残せないみたい


この溜め息を

まっぷたつにできるくらいの

決める勇気が

沸き起こらないものかと

まつふたつの

私の未来が

早く選べと

夢に出てきた


2025/03/22

ぬぐう

ぬぐう

ぬぐう

汗を

涙を


こんなに走って

汗が出ないわけがない

こんなに悲しくて

涙がでないわけがない


立ち止まったら

もっと大きな悲しさに

追いつかれてしまいそうだ


力がつき

脚はついに

とまってしまった


水分がつき

汗も涙も

とまってしまった


水を飲もう

身体が冷たくなる

水分がもどってくる


そして私は

くちをぬぐって

悲しみをぬぐった



2025/03/12

そしてあなたは

優しいひとが教えてくれた

「明日は雨」


愚かな僕は傘を持たず

雨に濡れた


優しいひとは笑ってくれた


「心は晴れ」

僕はつぶやいた


そしてあなたは

また笑ってくれた

今度は違う意味で







2025/03/03

気持ち悪い

君と結婚したい
君の血痕死体

幸せは始まる前から
恐怖の殺戮劇に変わる

誰が?
何のために?

電動ノコが落ちている
あの子は誰の子?

拾い上げた少年に視線が集まる
電動ノコが振り上げられて
飛んで行った首死線を越えられぬ
今は
魂の行き先なんか考えられない!

キャンプ場はもう
蜘蛛が散り散りの様相
もう期待するのはよそう
当たるのは悪い方の予想

宇宙の神秘にも
今は浸っていられないや
血滴るこの現場には
今生きることへの渇望しかない

通り雨と
通り魔は同じじゃない
血の雨まではなんとかイコール
そんなこと言ってりゃ血のスコール

君は血痕死体
君と結婚したい

真っ赤に染まったウエディングドレス
このフォレストに夜な夜な発見される

新婚旅行はどこへ行こうか
心魂侶行のその果てへ


やみが深い

毎日なにかから逃げて逃げて
心の病みが深くなっていく

決断しているのに
向き合えないこと
よくあって困る

そんなこと
誰かに相談しても
受け止めてくれる人なんていないし

答えは自身の心次第ってしか
言えないもの

だから
どこにも吐き出せず
たまっていくだけ

毎日愚痴が漏れ暗い暗い
心の闇は濃くなるばかり

ねえこれって
出口へはどう進んだらいいの
そもそもこれに
出口なんてあるのかなあ

諦めてこの深いやみに
いっそ自分から沈んでみようかとも思う

生きるって
こういうことなの?
それならそんなこと
続けてもなんの意味もないよね

みんなは
擦り切れて
ボロボロになって
いったいどこに辿り着こうとしているの?

笑顔ってまぼろし

苦しい顔で
見えない光を探している

そんな顔も
闇では見えない

生きることは病むこと

しぬこと

叫びが空気を切り裂いて

ねえこの胸の苦しみは

いったいなんのため
何があるのこの先に
年老いて
醜くなった心で

輝く水面に映る太陽を眺めながら
落とすため息は何色だろうか




2025/02/25

背表紙がいつも曖昧な題名の図書館【remastered】

子供の頃の帰り道

肩をかすめるように
とんぼが通り過ぎていった
夕暮れの田んぼみち
汗をかいて走り回った

そんな記憶が不意によみがえった
なぜ思い出したのだろう

まるで図書館で
何も考えずに取り出した本のように
急にあらわれた記憶

そうだ

たまにはゆっくりと
図書館で過ごすのもいいかもしれない
疲れたって言葉ばかり
口にしていたもんな

無心に本を読んでいた頃を
思い出して

また
過去のことばかりって
気付く

本当に
疲れているのかも

本を開いて
心の中で過ごそう

勉強のためじゃなく
気になった本を手当たり次第読む

何もタメにならなくたっていい
ただ心を本で洗う時間

背表紙に何が書いてあったかなんて
曖昧でいい
覚えてなくたっていい

いつも
そうだった

ひとりでも
大丈夫だった

頭をかすめるように
記憶が通り過ぎていった

朝焼けが
のこるうち
汗をかいて目が覚めた




2025/02/22

天気の話

天気の話は天使の裸足
どこにだって運んでいける

今日はいい天気ですね

どうだっていい話題?

あなたと話したいってだけ
その気持ち
どうだっていいわけ
ないじゃない

天気の話とか
どうだっていい
あなたと話せるきっかけに
なればいい

天気の話の裏にある
こんな気持ちで

二人が晴れに
なりますように


2025/02/11

思えば 思わなければ(remastered)

そうなんだ  
って
他人事のように
相槌を打っても
その距離感に気づかず
話し続ける人

話すことだけが目的の人は
こんな風だ
相手がどう感じているか
知ろうとしない
このまま
機械的な相槌を打ち続けていても
気づかず話し続けるのだろう

ありきたりなジャズの流れる
ありきたりな喫茶店

2つ先の席から聞こえる会話に
もどかしさを感じて
勝手に心を苛立たせながら
充電ケーブルを指でくるくる
僕は時間を
浪費していた

思えば思うほど
長く永く感じる
心に流れる時間

思わなければ思わないほど
無為に無理に過ごす
心に空いた隙間

充電ケーブルを指でくるくる
回しても回らない
心のネジが
締まらない

窓から見える
どうでもいい風景
冷えたコーヒー

ああ
思えば

僕は多くのものを
失ってしまっているらしい

くるくる
くるくる

回しても
回しても

僕は自分をもっと知ろうとしても
分かる範囲でしか分からない

充電されない
心の渇きに

身動きできずにただ

僕は時間を
浪費し続けるのだろう










2025/01/25

創意工夫

創意工夫
って言われると
まだお前は足りないって
言われているようで痛い

なんでだろう
ネガティブな反応
私はいつもみんなが
悪口を言っていないか見張ってる

それこそ
耳にする言葉たちを
悪いように聞こえるように
創意工夫

ははは






2025/01/16

涙と心の関係を考えてみた(泣きながら)

泣いたら新しい
涙が出てきた

粒が地面に落ちる頃には
また新しい涙が

しあわせを強く感じたり
かなしみが極まったら

たくさんの涙が出てきます
溢れ返って困ってしまうほど

泣きながら少し冷静になったので
涙と心の関係を考えてみた

汗は体温を調整するためのもの
では涙にはなんの効果があるのかな

今流れている涙はきっと
心の熱を冷ますために必要なもの

平常心を取り戻すために必要なシステム
とかなんとかほんとはどうでもいい

気がついたら涙は止まって
風の音が聞こえてきたりする

月の光がなぜか
優しく思えたりもする

涙と心の関係性
とか呟いちゃってる感受性

今から起きるこれからのこと
全てはきっとそれだけのこと

嬉しくて泣いて
悲しくて泣くだけのこと


2025/01/12

流れつく先に雨は降る

笑顔の根っこが腐り落ちたとて
俺は声をかけられたら笑う
喜ぶのはこんなことだろうなと考えて振る舞う

優しいだの
柔らかい物腰だの

勝手に俺を評していればいい

人生のさまざまな選択肢
考えて選んだとて
アウトオブコントロールばかり

だからなんだ
コントロールできることは妥協せず
良い結果を手繰り寄せる

人生を渡り歩いて
たどり着いた先で雨が降ったら
傘をさせばいいじゃないか

星が笑いかけたら
笑い返せばいいじゃないか

それが出来ないから
頭を抱えて
過ごす夜

濡れ果てたこころ
星は目を閉じてばかり

自分のこころすら
アウトオブコントロール

じゃあ何をどうすればって
狂気のように叫んで
明日を迎えさせられる

でも

でもだ!

笑顔の根っこは腐り落ちたとて
俺は声をかけられたら笑う
喜ぶのはこんなことだろうなと考えて振る舞う

2025/01/10

三文字のカタカナで終わらせてみようかな

遠くを見ながら
自分のことを考える

何が解決する訳ではないけれど
何かをした気にはなれる

ぼーっと
広く薄く

何かを見ている訳でも
何かを考えている訳でもない状態

これがゴール

自分の世界に入り込んで
聴いている音楽が何周したかもかもわからない

それがピーク

辺りが暗くなって
何かの1日が終わったくらいの気持ちで
風呂に入って寝る

ぼくのライフ