子供の頃の帰り道
肩をかすめるように
とんぼが通り過ぎていった
夕暮れの
田んぼみち
汗をかいて走り回った
そんな記憶が不意によみがえった
いつのことだろう
なぜ思い出したのだろう
まるで図書館で
何も考えずに取り出した本のように
急にあらわれた記憶
そうだ
たまにはゆっくりと
図書館で過ごすのもいいかもしれない
疲れたって言葉ばかり口にしていたもんな
無心に本を読んでいた頃を
思い出して
また
過去のことばかりって気付く
本当に
疲れているのかも
本を開いて
心の中で過ごそう
勉強のためじゃなく
気になった本を手当たり次第読む
何もタメにならなくたっていい
ただ心を本で洗う時間
背表紙に何が書いてあったかなんて
曖昧で覚えてなくたっていい
いつも
そうだった
ひとりでも
大丈夫だった
頭をかすめるように
記憶が通り過ぎていった
朝焼けが
のこるうち
汗をかいて目が覚めた
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