2024/03/05

捨てたもの

 捨てたもの

多くのものを捨ててきた

繋がりや

大事であるべきものまで


理由は全て

言い訳を超えることはない


ふと

くらい くらい 奥から

思い出したくないものが

じいっと

僕を見ていることがある


目を閉じても

僕を見ている気配は消えない


捨てたくはなかった

そう言い放っても

どうにもならない

どうにもならないものを

どうすることができるというのか


だから忘れようとしたというのに


忘れていた涙も出る

嗚咽だって

漏れる


そのたびに

『ああ まだ僕は人間なんだ』って安堵もする


捨てたものが

出てくる間はまだ

人間でいられるんだなって




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