捨てたもの
多くのものを捨ててきた
繋がりや
大事であるべきものまで
理由は全て
言い訳を超えることはない
ふと
くらい くらい 奥から
思い出したくないものが
じいっと
僕を見ていることがある
目を閉じても
僕を見ている気配は消えない
捨てたくはなかった
そう言い放っても
どうにもならない
どうにもならないものを
どうすることができるというのか
だから忘れようとしたというのに
忘れていた涙も出る
嗚咽だって
漏れる
そのたびに
『ああ まだ僕は人間なんだ』って安堵もする
捨てたものが
出てくる間はまだ
人間でいられるんだなって
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