2014/03/08

通り雨

通り雨

青空から急に
黒くて厚い雨雲がやって来ると

中学生の僕は
何故かわくわくしたものだ

びしょ濡れになって
雨雲たちが急に
どこかに行った青空を見上げながら

生きている力そのもののように
堂々と立っていた

今はもう失ってしまった
立ち上る生命力を

懐かしく思う


2014/03/03

雨は降る 嫉妬の土壌の上に

お互いの過去を

ふと会話の中に認めてしまって

昔のことに嫉妬したとしても

未来へは行けないと知っている


それでも僕らは過去を掘って

穴だらけにしてしまうこともある


なんてぼくらは馬鹿で

純粋なんだろう


もう

前に進むときだ


暗闇に捨ててしまおう

その暗闇は二人の手で包まれて

繋いだ手の中で

光に変わる


そして


ひとしきり雨が降った後

穴だらけの土は均されて

虹で蓋をされた

2014/03/02

さようなら (2011/12/5掲載)

ずっとまってたのに

かえってきたらすぐにしんぶん

あなたのためにつくった

あったかなりょうりも

むごんでへっていく


でも


わたしはえみを くずさずみえを

はっていたのもきづかなかったでしょう


さようなら


しんぶんをみるじかん わたしとはなしていたらって

りょうり おいしかったねって いえばよかったって

おもっても もう わたしはいないのよ

せかいにおこるものごとを ずっとしりつづけていなさい

おともなく

きずついていく わたしのこころもしらなかったくせに