詩人 ラエル・スーン 心の灯火
詩人ラエル・スーンの不定期更新ブログです。
2013/07/30
固定観念
ねずみ色を少し白くしたような色のねずみ
人が思うほどチーズを好きではない
日の届かないところで生活を営む
警戒も
逃げもするけれど
人が思うほど猫を嫌いではない
気持ちの整理について
つまらないことだと 分かっていても
どうしても つまらないこととして扱えない
私の心は あまりにも直情すぎて
理性の扱いが どうも低いようだ
素直と言えば 聞こえはいいが
要は制御しきれないって こと
そして その
<つまらないことだけどつまらなくは扱えないこと>に
無駄に頭のなかだけで 自分を自分で消耗させていく
何が楽しいんだかわからない 数人が写ったポスターを背に
独り 片肘をついて
2013/07/28
嘘が嫌いな僕が自分を嫌いな訳
嘘が嫌い
嘘をつかれるのが嫌い
傷ついて信用できなくなる自分が嫌い
嘘をつくのも嫌い
傷つけて信用をなくすのが嫌い
信用してくれなくなる人も嫌い
そう言いながら
嘘をついている自分が嫌い
2013/07/21
せんたく
こころをあらいにかわへいきました
じゃぶじゃぶ
じゃぶじゃぶ
なかなかおちないよごれにぼくは
あらうてがだるくなったので
からだをかわになげこみました
ぷはあ
じぶんをだいじにするだけじゃなくて
ほうりだすのもいいもんだなって
ふくをかわかしながらひとりごと
2013/07/12
純粋で危険な一歩
はしゃぎまわる子供が踏み出す一歩は
決して転ぶことに怯えなんてない
なんて純粋で
なんて危険な一歩
大人になるにつれ僕らは
いろんなことを覚えてしまった
踏み出す一歩に
過去の失敗をちらつかせてしまう
踏み出すことすら出来なくさせてしまう
ころんで足から血が出ることなんて
もう何年経験していないだろう
大人になること
何かを失うこと
戻れないものを
ものほしそうに眺める
それはかつて
大人がおいしそうなものを食べているのを
じっと眺めていたときのようだ
2013/07/11
もがく あゆむ ほをすすめる
暗闇は
いくら眼を慣らそうとしても暗闇のままで
足元は
いくら進んでも固い冷たい床のままだから
僕は
眼を閉じても開いていても 何も変わらないし
歩いても 立ち止まっても変わらないんじゃないかって思うようになって
でも
それでも歩みを止めないのは
心の中の暗闇の奥で
確かに見えるあなたという光に向かっているからだ
小さくか弱いけれど確かにそれは光であるからだ
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