2012/05/23

あたりまえのこと

夜は眠りを 朝は目覚を あなたは幸せをくれる

2012/05/21

銀世界と雪球

放物線を描く雪球の軌跡が

僕とあなたの間をゆっくりと結ぶ

君の頭にあたって びっくりした顔で振り向いたよね

ガッツポーズの僕

笑いながら投げ返す君

輝くようなあの頃に

負けずに輝く銀色の世界


ねえ

あのころは確かに幸せだったよね

港で君と昔話

少し笑って最後の時間

あなたは船に乗り込んで

僕は車に乗り込んだ


後部座席に響く汽船の汽笛が

僕とあなたの間をゆっくりと結ぶ


さようなら


僕とあなたの恋はもう

あのころの雪球と銀世界と一緒に 

形も無くとけてしまった


やがて

汽笛も聞こえなくなって

僕はカーステレオの音量を 上げた

2012/05/12

理由

少なくとも

少なくとも今ぼくが幸せなのは

君がいるから


君とであえたから

2012/05/09

つきのようなせいかく

まんまるだったり かけていたり

ぼくはつきのように ちがうすがたをみせる


とかいって

君に冷たくした理由にしたら

もっと怒らせちゃうよね


ごめんなさい

幸せになるために

幸せになるために必要なこと


穏やかな心を持つこと

人の悪口を言わないこと

欲張らないこと

席を譲ること

献血をすること

困った人に「どうしたの?」ということ

その相談を親身になって聞くこと

間違っても「それは君のあまえだよ」とか

「人生なるようになるさ」とか言わないこと

ちょっと優しくされたからといって

自分が好かれているなんて思わないこと

無駄に夜更かししないこと

肉ばかり食べないこと

お酒やタバコが一番の趣味にならないこと

無駄に愛想笑いをしないこと


最後に

決して幸せになろうなんて思わないこと

2012/05/06

しにたくなる

しにたくなる

さびしさがおそってくるので

しにたくなる

みらいがどうしてもひらけてこないので


ぼくはいつもげんじつになっとくがいかない

おもったとおりにいかないことがどうしても

ねむっているときのゆめさえあやつれないことも


けっきょく

いくらひとをすきになったって

あいてがすきになってくれるわけではない


わかっている

いままでそうだったので

わかっている

これからをあきらめているので


きょうもこころのあながおおきくなる

いたまないいたみがぼくをおそいつづける

まえをむいてもどうしてもなやんでしまうってことになやむ

2012/05/05

空を見上げて

空を見上げておもうこと

あまりに寂しいことばかり

抜けるような青空も

僕に映るのは曇り空


世界すべてを遮光する心


でも

せめて空を見る時ぐらいはって

願う心は持っている



空を見上げておもいだしたいこと

あなたと過ごしたあのときの

なにも遮ることのできなかった幸せ

あの日見上げた空の

僕を突き抜けていくような青


たとえ現実にもどって

もっと悲しくなったとしても

2012/05/03

一時の別れ

いつも手の届くところに居て

と君が言う


僕は笑って


いつも僕の姿を目に映し出して

と君に言う


いってらっしゃい


いってきます


...あなたはずっと見送って


...僕は何度も振り返る

さざなみ

水しかない世界

波立つこともなく水はあり続ける

何かが放り込まれ

異物が水を押し出すと

そこを中心に波が立つ

同心円状に広がるそれは

世界すべてに異物の進入を知らせる


恋とはそういうもの

あなたとはそういう人

会話


肩にそっと置かれた手

ぼくはほっとする

見あげると君の笑顔

何を話そうかなんて

そんなこと考えた事がない

自然な無言の時間すら

会話のひとつ