2015/12/31

当たり前?

砂浜は別に
恋人たちの雰囲気を
盛り上げるために出来たわけではないし
さざ波の音は
傷ついた心を癒やすためのものでもない

人間は勝手に思い込んで
いろんなものに役割を与えてきた

太陽は優しさの感情は無いし
月は心を映す鏡でも何でもないんだ

産んでくれたからって
産んだからって
そんなにずっと親子は密接でなくたっていいんだけれど

親子って多数の人にとって
大事な関係であり続けているのが不思議でならない

当たり前ってあんまり
当たり前であり続けるほどの基盤をもたないってことを
皆知らないし
知ろうともしない


2015/12/14

汚いよね

大震災に遭っていない僕は
実際の恐怖を知らない非当事者だけど
震災後の
ライトアップの中止とかさ
なんか
コンビニやショッピングモールでやってたけど
いつの間にか
止めてしまったよね


あのー
もう震災から大分経ったので
ライトアップばんばんやります!
とか宣言もしないで
いつのまにか
いつもどおりに

始めた時はえっらそうに
聞いてもいないのに
震災後
社会全体での取り組みに協賛します!
とか
アピールしてたくせに

止めるときは

そーっと

汚いよね

なんか
不意にそう思って
なんか
腹が立った

2015/12/11

存在するものを存在しないかのように表現出来ないことについて

神経質な人が聞いたら一言二言注意を受けるようなことは
できるだけ言わないでおこうっていう社会の趨勢

息苦しい
息苦しい

個人を尊ぶ 表現の自由 なんて都合よくその場で判断され守られない
当り障りのないこと言ってれば取り敢えずOK

分かってるけれど
分かりたくはない

違いが存在しているのに
存在しないかのように扱わなければいけないなんて
よほど残酷じゃないかなんて独り言

氏ね なんて 
隠語にもならない言葉が無駄に増えているネット社会
意味は隠れていないのに表現さえぼけさばOKなんて

苦笑い
苦笑い








2015/12/08

斜めになる

立っていても
横になっていても落ち着かない時は
斜めになってみよう

もちろん安定しないから
落ち着きはしないんだけど
少し我慢

元の体勢にもどったら 
さっきよりは落ち着いている自分に気づくはず







2015/11/23

だからとりあえずタバコを吸う

節目節目の催し物に流されつつ

気がつけば一年 もう一年

目的も持とうともしないくせに

何のために生きているか分からないなんて ひとボヤキ


努力を人一倍嫌うくせに

スポーツごときで何でそんなにお金がもらえるんだなんて

世界レベルの文句をいう人達


自然に自分を守れる姿は

他人からすればとっても 薄汚いけれど

あなた方にはどうでもいい話


本当はわかっている

自分の怠惰が生み出した つまらない人生を

だからこそ逃げている

認めてしまったら どうにもならないから

やり直しも

盛り返しもできないことに

押しつぶされてしまうから


タバコの煙が身体に吸い込まれて

ちょっとだけ忘れさせてくれたとしても

何箱も空にしたって 一歩も前に進めていない現実


お疲れ様

いままでと

これからのあなた方の人生に






2015/11/11

寒くないです

日が落ちるのが早くなっても
半袖じゃもう過ごせなくなっても
お金が減るのが何かはやくっても
ぜんぜん 寒くないです

少し痩せた犬が
虚ろな目線を僕に投げかけても
コンビニ帰りの僕に
野良猫が期待を込めた視線をずっと送り続けていても
可哀想じゃないです ぜんぜん

おはよう
おそよう
ちょうどいいよう

挨拶なんてずっとおんなじ言葉じゃつまんない

伝わる範囲なら
どんな言葉だっていいじゃない

あーりーもーにんぐ
ぐっといぶにんぐ
ほーりーないと

英語だって
あんまり意識高すぎなければいいんじゃないかな

もっと寝ていたい朝が増えても
仕事のため息が深くなってきても
辛くないです ぜんぜん

何かにすがる犬や猫のようになりたくないから
僕は自分自身で
この人生を切り開いていくのです



2015/11/03

頭の体操的なもの

どのくらい前の過去まで思い出せますか?

どのくらい鮮明に思い出せますか?

さあ

脳みその中の過去を検索してください

頭の体操

ぐるぐるぐるぐる

2015/10/16

答えは人それぞれ

自殺って 
しない人にはありえない話だけど

実際にする人がいるってことは 
それなりの理由が有るんだろう

そこまでのキッカケと過程が自分を死に至らしめる

この世から逃げることって
多くの人からすれば馬鹿げてることだけど

死ぬ気があれば何でもできるって
そんなわけないよって人たちなんだろうか

それとも

自殺を死ぬ気でやり遂げた
すごい人たちなんだろうか







2015/10/06

言いたいことが分からない

朝顔が 
朝起きたばかりの
おっさんの顔の形をしていたら
だれも夏休みの宿題にしないだろうし

メロンパンに最近
本当に果汁を入れたところで
メロンパンのまがい物みたいに扱われるような

不思議な世界


何年も前から新幹線なのは
皆言い飽きた頃

新宿は結構年をとったし
新橋は新しくない人が集う街だから

今日も地球は回っているのだろう











2015/10/02

アンバランス

人を殺すことと 救うことの難しさはイコールではない

人の心を傷つけることと 癒やすこともそう

りんごを落とすのと 放り投げる労力もそう

世の中はアンバランス


つい忘れてしまう

つい目をそらしてしまう

世の中は上手くできているようで 上手くできていない


2015/09/26

お墓

お墓ってなんだろう

骨を納め

亡くなった人を祀るもの?

僕らは何も考えずに

死んだらお墓に入るって思ってる

実際に

死んだ人を焼いたり 墓に入れたりする


焼いたりしたものを 祀る?

僕には意味がわからない


きっと そうだ

死んだ人の骨に

生きている僕らが思い出を勝手に詰め込んで

墓石で蓋をして逃げられないようにしているんだよ


なんて 無責任な

人にとっては激しく不快に感じるだろうことを思っている

お互い様だから

謝らないけれど



2015/09/25

ららら

ららら

今日も夜が来て

明日の朝が来る

ららら

知らない人たちが乗る車が

たくさん通り過ぎていく

ららら

そんな私も知らない人にとっては

知らない人なんだけどね

ららら

この人々が生きる場所には

色々な視点があるけれど

まだ多くの死角がある


知らないことだらけ

知らなくてもいいことも多いけれど

知ってみなくっちゃわからないものね


ららら

そんなこと考えながら

知らない人が死んでいるニュースを見て

私が死んでも

殆どの他の人にはそうだろうなあなんて

アナウンサーの話も聞かず

画面を見ながら

他のことを考えている


2015/09/17

この世のすべての知識が集まる樹

この世の知識のすべてが集まる樹に辿り着いた

その傍らに座っている老人は言う

『過去の知識はこの樹の根から吸い上げられ幹から葉へ渡りずっと上に有る』

『未来の知識はまだ根から幹へ吸い上げられる途中でずっと下に有る』

『現在の知識はどんどん過去になっていきあっという間に幹を伝い葉へ行くだろう』

私は結局何も知ることが出来なかった

この樹にたどり着くまでの長い月日や

これから戻る際に費やす同じだけの月日が

無駄に終わったということ以外は

2015/09/11

心を傾けてくれる人

聴こうとしなければ 聴こえない

心の声 声に出さない感情を

聴いてくれる人を大切にしよう

聴こえているってことは

心を傾けてくれているってこと


2015/09/08

笑顔を妬む不幸せな人 笑顔は罪か? 不幸せは正義か?

悲しみに打ちひしがれる人々と

喜びに満ち溢れている人々

様々な場所で

様々な様式で


無邪気にはしゃぐ人を

無意識に妬む不幸せな人


気遣いってなんだろう?

無駄に縛られる社会で

多くの不幸な人のために

笑顔が疎まれる不条理

少なくとも私には

不条理としか思えない

ほら 見なさい

あれだけ子供の頃に

騒いでも ものを壊しても

愛ある叱りを受けることなく

躾られずに育ってきた大人を


周りからどんなに変な目で見られても

自分がどう間違っているかを分かることが出来ない

可哀想な大人を



2015/09/01

猫も人も周囲を気にして生きている

周りに誰も居ない時と同じように

気軽に口ずさんでみたりもしたいと思う間にも


猫は今日も

車のボンネットで寝転んで

夏の夜を過ごしているのだろう

そして

人が通ると

音もなくどこかにいってしまうのだろう


猫も自由なようで

周りに誰も居ない時とそうでない時とで

振る舞いに違いがある


僕らと同じように




2015/08/29

本当

本当かどうかなんてわかりっこないのに

人は皆 本当 って言葉を使う



皆かどうかなんて確かめられないのに

僕が  って使ったのと同じように

2015/08/26

多分

納豆を混ぜることが上手い人と

そうでない人とで 

どのくらい人生を良く送れるのかが変わるのかなんて

興味ない

犬を飼う人のことはどうでもいいけれど

わざわざレジャーにまで連れて行く人のことは

おかしいなって思う

ペット可のレストランなんて行くことはない

納豆を出来るだけ泡立てて

犬にかけようとまでは

思わないけれど



2015/08/22

思い出先に立たず

良くても 悪くても

思い出は先には立てないし

熟成されてより良い思い出になる場合もあれば

【思い出されず】に変わるかもしれない

2015/08/12

It is only knocking no wall but I like it

何も考えていないようで

色々なことを考えて生きてきた

それが第三者に気付かれなくても関係ない

笑われたり

蔑まれても

私は私なりに人生を送れればそれでいい


同じ考えな人が多いだけの常識なんて

私には何の意味も無い

意見を合わせて得られる 偽りの一体感や安心は

心の奥の不安を何一つ消せはしないのだから


It is only  knocking no wall  but I like it

小さな頃に聞いた歌の一節

何年たっても頭からはなれない


It is only  knocking no wall  but I like it

ほんとうの意味は分からないけれど

私はこの言葉が 心の奥にストンと落ちてきた

理解のさらに先にある何かで

私はこの言葉を受け入れた


今日も何かを考えながら過ごす

良いとか悪いとかで片付けられない

私なりの人生を


2015/08/08

素晴らしいじゃないか

あなたが 何を思い

どう 生きたところで

ほかの何かが 大きく変わるわけじゃ無いけれど

僕が何を思い

どう生きたところで

特別な変化が 地球に残るわけじゃ無いけれど


僕らは各々

人生を送る


素晴らしいじゃないか


そんな自分達だけにしか重要じゃなかった 人生を

出逢いが 一つにしたなんて

僕らは出逢い人生をティッシュで こよりを作るように

太く 強い 人生を送れるようになった


儚いことに 変わりはないけれど

互いが互いを変えあえたことは 素晴らしいって

大きな土台を 作れたことは

決して意味のないことでは ないから







2015/08/07

電灯は電気がないと灯りません

コンセントを抜かれてしまった電灯のように

そこに『在る』だけの存在になってしまった僕は

過ぎていく時間を風のように感じている

でも そうだな

コンセントにささっていても

何かを照らすだけなんだよな


2015/07/27

正義を語ろう

自身が得た情報を

自身の経験と直感から判断された(自分では)もっともなことを

自身の表現で他の人々へ伝える


この過程を隅々まで洗い直し

それでも正しいと思えるのなら

君は正義を語ってもいい


もし

どこかが引っかかるけれど

それでも伝えたいことがあるのなら

私はそれこそが正義だと思う


2015/07/23

希望を口にしよう

お金がないとか

暇がないだとか

声に出しても嫌な気持ちにしかならない言葉を

僕らは使いがちだ


僕らは希望を口にしよう



2015/07/16

敢えて言おう 

黒人のきれいな声が
ヘッドホンから僕の耳へ
僕という世界が
歌の世界に包まれる

黒人と言った
尊敬を込めて

差別だの侮蔑などの批判も
僕のこの尊敬を何ら薄めはしないし
邪魔出来もしない

その黒人たちの歌は
すっと
身体を通り抜けていくのだけれど

波打つ何かを心に残していくのだ

事実その黒人らは

僕の心を

激しく動かしたのだ

2015/07/12

ビール!ビール!ビール!

世界が、地球が暑くたって寒くたって
僕の心はいつもクールでいるつもりさ
何℃かって何度聞かれても答えるのは
ハード(℃)なハートはソフトも大事
意味なんか後で心に落ちてくればいい

雨の雫やふらふら落ちる雪を眺めれば
心は晴れなくても腫れは収まるだろう
汗だくで頬張る焼き肉に追い打ちを!
一番効くのはビールかハイボールだな
きゅっと下がる体温はもはや虚数の域
何か悩みが解決したわけじゃないけど

どいつでも朝日でも恵比寿顔でもいい
ベルギーも渋くていいが米国もグッド
グローバルなビールは地球儀ジョッキ
くいっと飲み干して来る暗いマンデー
眠る頃まで忘れて笑って酔っ払おう!

2015/07/10

海ねこ 僕ベンチ

生暖かい風
磯の匂いが届きそうな
海の近くの山

打ち寄せる波はみえても
音が聞こえない違和感を感じながら
警戒を解かないまま
横に座っている猫を見ている

視線を気にしていない振り
目線は海を見ながらこころはこっちを見ていそうな


『ほら ここならいい景色が見えるから座ってな』
とばかりに設置されたベンチ
製作者の意図に反し猫を見ている

そして...

素晴らしいうらいの白いラインを作る海に目をくれずに
僕は猫をみていて
猫はその白いラインを視界に入れながらも
心は僕を見ている

海と
 
猫と

僕と

ベンチが作る不思議な関係




2015/07/08

ごちそうさま

きっと朝ごはん

納豆に追われる夢

焼き魚は焼かないと焼き魚にはならないというのに

炊きたての御飯は美味しそうな煙

何も入っていない素味噌汁

ごちそうさま

2015/07/03

どうでもいいけれど

何気なく目に止まった虫に
不意に過去を呼び覚まされる

何の事件もドラマもない記憶
グラウンドで走って遊んでいた何年も前の記憶が
鮮明に蘇る

小さな頃遊んでいた名も知らない仲間は
一体どこで何をしているのだろう

どうでもいいけれど

現在に戻り
駐車場の車に乗った

夏の無差別な太陽の光線は
たった何分かの間に
車内を熱室にしてしまって
汗がにじみ出てくる

そういえば
汗まみれで走り回った幼少期
あのエネルギーは一体どこへ行ってしまったのだろう

抜け殻のような身体で
わずかに残った生への渇望で
車を動かした

そんな大げさなことでは無いんだけれど




2015/07/01

梅雨をあなたへ

ずっと続く雨の音に耳が慣れてしまって
うるさくて眠れなかったはずなのに眠っていた

真夜中に目覚めた僕は
何を思えばいいだろう

誰も居ないところに風を送っている扇風機を消して
冷たい水を飲んでソファーに座ると

横殴りの雨音が意識に入ってきた

梅雨を to you
なんて独り言

今のは無し!

と誰かに弁解をしながら

もう一度眠った

2015/06/28

四季と人間の死期

四季と人生を重ね合わせると

繰り返しがない分切なくなってしまいます

冬のあとには春が来るけれど

人生の冬のあとには死が待っています


人の四季

できれば春や夏ばかりであってほしいけれど

どんな死期を迎えるかは 私達次第




2015/06/25

真夜中の独り言

真夜中に意味もなく独り言

音は空気に伝わって

そしてどこかに行ってしまうのだけれど

気持ちや

自分自身はそのまま

ここにいる

2015/06/16

命の砂時計は さらさらと時を刻むのだけれど

あーむかしぼくわですねー

生きるいみとか考えたりしない人を馬鹿にしていたわけですよ

馬鹿みたいにわらって

どうせ死ぬのにね って

ふと気づいたのは

どうせしぬのなら考えたって同じなわけだから

何も考えずに生きていくほうが

結果てきには合理的というか

頭がいいんじゃないかっておもったわけです

みんな頭いいね って


立ち止まって考えること

そのあいだ謳歌できる人生があったってこと

それぞれが持つ 命の砂時計

さらさらと落ちる砂


私はそれでも

何かを思わずにいられなくて

また

立ち止まってしまう


2015/06/12

猫の死骸できた山

見回す一帯がの死骸で埋め尽くされた山

臭いはない

頭蓋骨は真っ白になるまで乾燥していて

なぜか『供養』という言葉が浮かぶが

無造作に捨てられたそれらを再度見て

すぐに頭のなかから追い払う


太陽の光は

雲がない空から直接降り注ぐ

日に照らされた残骸

日常からすっぽりと抜け落ちた世界に

僕は足を止めたまま動くことができないでいる


ここは どこだ

ふと浮かんだのは

いつも過ごしている日常自体も 一体どこなんだろうってこと

 
深呼吸を した

何度目かの 深呼吸を







2015/06/09

自然は自然に人間と別れた

山の匂いを知っているか?

ただ 山の中で何もせず立って

山の気配を感じたことがあるか?










それぞれが混ざり合い

匂いや気配を作る 

山という空間に入り込んだ異物

『人間』を包む圧力

自然から仲間はずれにされた

人間への敵意を感じたことがあるか?


2015/06/03

季節と虫の物語

一人暮らしのアパートに
例えば椅子が2つあって
向かい合わせに置かれていたのなら

そこには希望というか
なにかの想いが込められているのかなって
想像に想像を重ねてみた秋の夜

コオロギの
鳴き声が遠くから
秋だから
と言わんばかりに聞こえてくる

セミの鳴き声だって
なんか夏のアピールみたいだから
僕はあんまり好きではないのだけれど

別に鳴いていただけで
季節なんかてめえら(人間)が決めただけだろうって
言われるかもしれないし 深く考えないことにして

そして僕は
耳鳴りのようなコオロギの鳴き声とともに
眠りの世界へ


2015/05/31

僕という人間を簡単に表現するとしたら

ありきたりな表現や
狙いすぎた演出が僕をいらいらさせる

望んだ出来事ばかりやってこないのが人生だとしても
やっぱり期待はしてしまうもの


まともに動かない古いプリンターは
捨てるのもめんどうなのでそのままにしてあるけれど

どこかで思ってしまうのは
気がついたら消えてたりしないかな ってこと


怠惰に消費していく残りの寿命

いろんなことを考えたり
同じくらいに
いろんなことを考えないようにしている僕は


晴れていたって別にどうだっていいのに

雨が続くと青空が恋しくなる人間だ

2015/05/21

脳海

にごったうみに

いろんなものがうかんでいる

すてたもの

すてるはずだったもの

すてたくはなかったもの


ゆられている

なみに

かぜに

2015/05/16

悲しい悲しい出来事が あなたに訪れたなら

悲しい悲しい出来事を

地球は太陽の周りを回っているからって理由で

乗り越えることが出来たなら

毎朝のコーヒーが

おいしくないことはないだろう


何も考えずに

公園のベンチで座って

春の日差しを受けて元気に遊んでいる

見知らぬ子どもたちを

眺めてみるのもいい


悲しい悲しい出来事は

思い出さなければ

あなたの胸を痛めることはないけれど

そんなに簡単に

忘れてしまうことはできないだろうから


キャベツの中には

平均何匹の虫がいるのだろうとか

そんなことを考えるのもいいかもしれない


2015/05/12

そういうときは そのままでもいいんではなかろうか

わざわざ行く気力はなくても

何も考えずに海を見ていたくなることはある

転がってばかりで背中が痛くなっても

何かをする気持ちになれない時もある

2015/05/02

第三者からの提言

あくまで第三者の意見として

店や施設のサービス云々をいう人は

大抵客として(つまり人として)の程度が低い人ばかりだ


最高のサービスを求めるのならば

先ず最高の客として振る舞いなさい

愛想のない客には 良いサービスは訪れることはない

心は高め合うものだと知りなさい

2015/04/25

爽やかに人を恨めたら

爽やかに人を恨めたら
さっぱりと粘着できたなら

きっと人々は
楽しく生きていけるかな

どうでもいいんだけど

冬と春の間の不安定な気温が嫌い

ケンカした二人の

仲直りまでの道のりのように

答えは決まっているのに
すぐにはたどり着けないっていう
もどかしい感覚のようで


2015/04/21

森の中

森の中で

森特有の静けさを味わう

外界から切り取られた空間で

その空間に浸る

休息とも 冒険とも呼べるひととき

2015/04/16

墓とは祀る人のための物なり

戦争があったとして
男が妻を置いて戦いに赴くとして
その戦いのうちに 命を失ってしまったとして

結果 その国が勝ったとして
男が死んでしまったその国に
妻は何の価値を抱くだろう

これは
何通りにもある中の
たった一つの考え方だけれど
他のどの考え方にも劣らないと
強く思える

遺骨もない墓に
跪き手を合わせる妻に

国は一体何をしてあげられるのだろう
男は一体何をしてあげられるのだろう

墓に落ちる涙や雨は

今日も

今週も

今月も

今年も

濡れては乾くを繰り返すばかり


形を持たない国は

また過ちを繰り返しながら

存在し続ける


2015/04/13

グランドバザール

みんなの心にグランドバザール

意味はあまり知らないけれど

なんか楽しそうな気がして


あなたの心にグランドバザール

ね?

ちょっと明るくなってきませんか?


ネットでなんでも調べることが出来る時代

調べたあとに

それが本当な情報なのか

あなた自身がそれを本当に理解できたのかは 別の話


だから僕は調べない


みんなの心にグランドバザール


青い空の下には

青い海が広がって

雲がちょっとしたアクセントに


そんな風景を想像しながら

グランドバザールは始まるのです

2015/04/10

変えるカエル

緑と黒の絵の具を混ぜて
ぐるぐる回したような気分

季節の移り変わりに

立ち止まって抵抗しているかのようだ

汚い組み合わせの渦から
突然大きなカエルが飛び出した

大きな黒い目がこっちを見て
不機嫌かい?って尋ねると
答えを聞かないまま 何処かへ跳ねていった

カエルが抜け出た場所からあふれる水が
絵の具を洗い流して
地面に染みを残して消えていった


2015/04/08

背表紙がいつも曖昧な題名の図書館

肩をかすめるように
とんぼが通り過ぎていった

そんな記憶が不意によみがえる

いつのことだろう

なぜ思い出したのだろう

自分で記憶を引き出そうとした訳じゃないから
困惑させられる

まるで
大きな図書館で
何も考えずに取り出した本のよう

一冊の本には
大なり小なりの物語

たまにはゆっくりと
心の図書館で過ごすのもいいかな

疲れたって言葉ばかり口にしていたもんな


悲しみにくれる 人の隣で呟く言葉

忘れる と言うよりは
思い出している ことを別の事を思うことで中断している状態

悲しみ は
いつもそうやって

思い出す ことが少なくなっていくことで
きっと 忘れていく と感じられるのだろう


四季は巡ることで
我々に認識され続けるのであって

巡らない 出来事はいつか
思い出されずに 脳の奥底へ


流れ続ける川も
次に流れる水があるから 川でいられるのであって

流れ落ちる涙は
いつか 止まるものだから

これは慰めではなくて
早くそうなってほしいという 呟き

今は 悲しんでいていいと思う

隣にいる僕は
気にしなくていい

気にすることで
悲しみの割合は きっと減ると思うのだけれど

なんて言っていいか分からないから
呟いているだけ


2015/04/02

醤油をください

醤油をください

ちょっと味がうすいので

あなたの料理がまずいでのはなく

私の好みの問題です


そこまで嫌な顔をするのなら言いますが

ほら 隣のお客さんも

なんか満足ではない様子ですよ?


本当は言わずにおこうと思いましたが

どちらかといえば不味い料理だったのです

ほら 今出て行ったお客さんも

残していってるじゃないですか


さあ 醤油を出しなさい

かければなんとかなりそうなので

私は努力してでも食べたいのです

お客さんの鑑じゃありませんか?


醤油を出せ

プロなら現状から逃げるな

悔しかったら

醤油をかけろ

2015/03/27

ことば

朝ってさ

morningって言ってもいいし

夜の次に来る奴って言ってもいいんだよ

伝わっていれば


決めつけないで

狭く

狭くなる


どんどん広がっていく

人生にしたいから

2015/03/24

悟りへの道?

それぞれの脳が感じている現実が
現実でいいと思うなら

相手を批判したりするのが馬鹿らしくなって

いい年してアニメ好きでも
結構な年でアイドル好きでも
分別がついている年で危険な国にいくのが好きでも

どうでもいいやって思えるかな?

他の人の言葉が
あんまり響かないくせに

人の心をどうこうしようっていうのが間違っているんだ
そう思えたなら

子どもの首もとの髪を伸ばしてる親や
人と話すたびにおどおど汗をかく人や
何もできないくせに妙にプライドの高い人を

どうでもいいやって思えるかな?


まだ僕には思えない
思えそうにないけれど

2015/03/23

春が来て少し経ったくらいの季節

生意気に
僕はのんびりしたいなんて思ってしまって
どうでもいいところで
どうでもいい時間を過ごしている

春になって
日々暖かくなっていくこの感じが好き

夏になって浮かれてしまう手前の
この春が好き

梅の花や
桜も見えない
どうでもいいところで
どうでもいい時間を過ごすのが
何より大事に思える自分が好き


2015/03/13

ペットショップにて

いいかい

もしだれかが

「人間は何だってできる」

なんて君に言ったとしても

そのまま信じてはいけないよ

いくら頑張ったって 死ななくなるなんてできないし

いくら頑張ったって 鳥に変身できるわけじゃない

「努力すれば人間のできる範囲は叶うから努力しようね」

くらいに考えるといい


僕がいいたいのは

理想だけに浮かれた大人になっちゃいけないってこと


できることについてはきちんとやっていこう

そして出来る限り楽しむことのできる人生を送ってほしい



なにもやっていないくせに大きなことをいう

言い訳ばかりの大人が多いから

そんな情けない大人にはなってほしくないんだ


君はウサギだけど

君に向けてじゃなく

全ての子どもに対して言いたいんだ


まあ できる範囲でっていうのは

ウサギの君にも当てはまるんだけどね


僕は君を飼わないで

このお店を出るのだけれど

恨まないで欲しい


聴いてくれてありがとう

さようなら

2015/03/12

ひととき ただのひととき

深い木目のテーブルに日差し
ブラインドが縞を作る
窓の汚れが際立って苦笑


僕には必要が全くない装飾をした軽自動車が
無駄に大きな音楽を漏らしながら走っていった


昨日の雨が作った
窓の汚れ越しに
遠くの山を眺めている午後


手に取ったコーヒー

僕はいつから
この苦味が好きになったのかを思い出せずに
深い木目のテーブルにまた置いた


日差しは雲で弱くなって

ブラインドが作る縞のコントラストが変わっていた


2015/03/02

残虐な殺人事件を映すテレビに

残虐な殺人事件がニュースで流れていた
いじめの果て 殺されたという

僕はなんとなしにそれを見ていたが
多く手向けられた花に
僕はなぜか怒りを感じてしまった

涙ながらに手向ける人々
こいつらは
この被害者が死んでしまう前に何をしていたのだろうって

死ぬまで何も出来ず
もしくは関心も払わなかった人に流れる涙に
一体何の価値が有るのだろうって

残虐な殺人事件のニュースが流れていた
僕は歯がゆくて仕方がない

殺した人に対しても

死ぬまで何もしなかった流されやすいだけの
安い涙や悔しさを垂れ流すテレビの演出に対しても

2015/03/01

明日

部屋の壁に貼った色紙

「明日は頑張る!」

毎日見るたびに

明日頑張る気持ちになる

明日は明日みてもその先の明日なんだけれど


2015/02/26

四角い月

屋根を通して月は見えないけれど
今日は四角な月の気分

何か大きな悩みがあるわけではなく
すべて満たされているわけでもなく

自宅なはずなのに
ここじゃないどこか本当の自宅に帰りたくなる

きっとどこか病んでいるんだろう

原因不明の熱病のようだ
きっと
治す場所がわからず医者はメスを投げるだろう

蝕まれていく自分を
四角の真っ赤な月が
太陽よりも遠くから見つめている

胸に手を当てても
心には届かないのは分かっているけれど
手は動く

どうしようなく
かといって諦めも出来ない
原因不明の心の熱病

ふと 手を空に向け 伸ばした

手のひらをも通りぬけ
月は僕を眺め続ける

目を閉じても
うつ伏せになっても

同じように

2015/02/20

ふと神妙な顔になってその男は

男女が深夜のファミレスで話している

僕がどうしても許せないのは
この世に生まれた命が
意味もなく他者に奪われることが蔓延していることなんだ

それは確かだけど
どうして今そんなことを?

そう
それは今のように突然現れるんだ
普段は抑えられているものが吹き出すみたいに

そう
けれどそれはどうしようもないことじゃない?

だからずっと解決できないまま残留し続けているんだと思う
一番問題なのは
自分自身がそれをどうでもいいと思っているのになくならないことなんだ


食後のデザートが置かれ
その後話は放って置かれた


深夜という時間帯は
人の心の奥底が露出される時間

目覚めた次の朝
その瞬間にも失われていく命に
思いを馳せず 
伸びをするのだろう

突然思い出したように説教されたくない説教

どんな理由で 
生まれてきたのかなんて
分かったところで 
どうにもならないことを探すより
目の前の現実を 
どうにかすべきなんだ

修正のきかなくなった 
望んでいない現実に目を背け
ありもしないところに
自分を探しに行く若者を 
少しでも減らさなければいけない

頑張ればなんでも出来るなんて
無責任で馬鹿な嘘に乗せられて
いつか本気を出せば 
って人はみな
残酷な結末を迎えている


地球はかつて
そんなところではなかった

日々を生き延びるために全力を尽くす
文字通りの生物たちが住む惑星だったのだ

原点回帰?
我々の原点はどこだ?

分かったところで
どうにもならないことを探すような
曖昧で詐欺的な言葉を使い
自分や他人を騙すのはもう止めるべきだ

日々を生きること

我々がやらなければならなことは
たったそれだけだというのに









2015/02/19

晴れ間を迎える心の持ちよう

あなたはいつも
幸せそうでいいよね
っていうけれど

悩みは
あなただけのものではありません

すさんでちょっと
言ってしまっただけかもしれないけれど

この強い風と雨は
世界のどこにでも
同時に降るものではないし

もし降ったとしても
屋内や屋外にいるひとが
同時に濡れてしまうわけではありません

わたしは例え濡れたとしても
笑って水たまりを跳ねるでしょう

あなたのように
濡れることにいちいち怒ってはいられないから

やがて誰にも同じように訪れる
晴れた空から降り注ぐ太陽の光に

誰よりも笑顔でお出迎えをしたいから

2015/02/18

この世界に起きている 数えきれない争いの中で

開きっぱなしのドア
閉まっていないと気になって仕方のない僕

ベッドに横になっているもうひとりの僕が
わざわざ温かい快適なベッドから出ていきたくないと抗議する

開きっぱなしのドア
温かい快適なベッド

この世界に数えきれなく存在する争いの中でも
限りなく最下位に近い無益な争い

そう独り言を行った後
どちらの僕もが思ったことは

争いは総じて無益なものだってこと


けれど 闘いは終わらない

ドアは開いたまま 僕は温まっているままで

2015/02/13

久しぶりの晴れ間に

久しぶりに現れた晴れ間
僕は望んでなんていないのに
なぜ 和やかな気持ちになるんだろう

眩しくて

昨日までの服装では暑いくらいで
僕は望んでいなかったのに
なぜ 穏やかな気持ちになるんだろう

コートを脱いでみたら

逆に寒くなって
温度調整が面倒くさいはずなのに
なぜ ひとりでに笑顔になっているんだろう

こんな日に
川辺はきれいに輝いているんだろうな

こんな日に
あの人の顔がより輝いて見えるのだろうな

それなら
望んであげてもいい

こんな心が踊る久しぶりの晴れ間を

望んであげてもいい

2015/02/12

つながる手

つながる手

子供がおじいさんに繋がれる手
ひたすら純粋な 何も求めない愛が子供を包む

子供と子供が繋がる手
成長するたびにいろいろな形の友情を見つけていく

男と女で繋がる手
純粋で不純な愛情というもので人はまた成長する

親と子が繋がる手
生まれてきてくれてありがとうと子供は祝福され育つ

つながる手

夫婦が再び繋いだ手
子供を育て 二人は残りの人生をゆっくり歩いて行く

そして

夫婦が最後に繋ぐ手は
悲しみと感謝が入り交じるだろう

独りになってしまった手には
人生で出会った大切な人たちが

繋がっていた



2015/02/06

幸せな自分を作るレシピ

人を多く貶す分 同じくらい多く人を讃えよう

悲しいことを考える分 同じくらい楽しいことも考えよう


バランスを意識的に取ることは

自分の内面の安定に繋がるはずだから


雨が君を濡らしても

その後にやってくる太陽が乾かすはず


悪いことばかり気に留めて

良いことは当たり前なんて思ってちゃ

不幸せな自分を自分で作っているようなもの


どうにもならない運命は仕方ない

どうにかできる自分から

先ず始めよう


幸せな自分を作るレシピ



2015/02/04

恋のライバル

この
素晴らしく楽しく幸せな瞬間も

人生の
死への階段を登っている途中に見えた風景だと
気づいてしまえば
ちょっと
複雑な思いをしてしまう

けれどやっぱり
僕らは楽しい時は何も考える楽しむべきなんだ

ねえ

君を僕は大好きだけれど
それはそれ以外の感情抜きに
言えているよ

人生はどうせ死ぬから 
なんて

だから何にだって意味はないんだ 
なんて

僕は絶対に 言いたくない

ねえ

君の好きがどのくらいの好きかなんて

きっと
僕にはどうでもいいくらい満足しているんだけれど

それでもやっぱり
同じ位好きでいてほしいなとは思う

適当に今思いついた言葉でいいのならば
恋のライバルでいたいんだ

ずっと

2015/02/02

のんびりやさんの大発見

何をするにもおっくうで
実際になにもしていない休日に
そろそろ何かしなくてはって
自分で自分の背中を押したとき

押す自分と
押される自分とに分かれていることに気づいた

分割されたり集まって一つになったりと
きっと人格は思ったより柔軟なものなんだな

勝手に納得しながら
切らしているトイレットペーパーを買いに出て

人格云々を考えていたこともすぐに忘れた


2015/02/01

音楽にあふれる人生

他のだれかがどうだって構わない

好きな音楽を聞いている時

私の心はやすまる


少なくとも 私はそう


じっと聞き入ったり

一緒に口ずさんだり

脳内再生をしたり


何もしていなくても

歩いている時でも

何かに急いでいる時も


少なくとも 私はそう


これからの人生をずっと

そっと付き添ってくれるはずの音楽に

2015/01/25

素晴らしき世界

思ったことが何でも叶う

そんな世界は地獄だ

何らかの不自由や 乗り越えるべき壁は

むしろ僕達が生きていくのに必要なもの


使い切れない金

頷くだけの取り巻き

何でも受け入れてくれる恋人


考えるだけで吐き気がする僕は

ちょっと痛い頭をかかえて

寒いと文句を言いながら 歯を磨く


身体を温めるはずの服は

逆に体温を奪っていくけれど 我慢

ドアを開けると 外の世界


僕の一日を始める


雪は降っていないけれど

十分寒いこの世界で


2015/01/20

僕らは人間なんだから

この世の全ては儚いものさと
君がグラスを傾けながら
悟りきったことを言ったとしても

次の朝
見上げた空が
雲ひとつない青空で
目から脳までその美しさが駆け抜ければ
感動せずにはいられないだろう

昼食後
レストランから車までの間
すれ違ったベビーカーから
小さな純粋な笑顔を向けられたら
口元と心は緩まずにいられないはずだ

認めていい
僕らは人間だ
何を考え
何をしようとも

僕らは人間なんだから


ふと訪れる 思いがけない感動に
目を背ける必要なんてない

笑顔は隠さなくていい

僕らは人間なんだから



ちょっと遠回りな満足の表現をしてみようか

こころを満たすこの瞬間

森の奥深くにひっそりと存在する大きな池で
目一杯深呼吸をしたような気持ちになる

鳥の気配
魚の跳ねる音

実際に見えなくても
感じればそれは存在

そしてふと
現実に戻って僕は

まだ続いているあなたの笑顔を見て
引き続きこころを満たされる

実際に見えるってことの
感じ取れる存在に感謝しながら


2015/01/16

椅子は椅子であり続けている ただ椅子であるからという理由で

誰も座ることのない椅子

果たして椅子と呼べるのだろうか

座ることは できる

ただそれだけでかろうじて椅子であり続けている

それでも もう

誰も座ることのない椅子


部屋の中に置いても

ベランダに置いても

浜辺に置いてみても 


誰も座ることのない椅子は

果たして椅子と呼び続けていてもいいのだろうか



2015/01/09

伝わる心 伝える心

あなたに伝えようとしていることが
ちゃんと伝わっているだろうか

あなたが伝えようとしていることが
ちゃんと伝わっているだろうか


伝える心

伝わる心


限られた時間

限られた言葉

きっと全てが伝わるわけじゃないだろうけど
少しでも多く伝わればいいって思う

ところでさ
今日マックで注文するとき

「コーラをブラックで」って 頼んでしまったんだ




2015/01/07

冬の砂浜(想像すればどこにだっていける)

砂浜

誰もいない砂浜

無造作に突き刺さった棒が

海風に吹かれ時折揺れる


住人を失った貝殻は

無駄に綺麗

誰かが履き忘れたビーチサンダルが

この上なくこの海の景観を損っている


スコップで掘っていけば

何がでてくるだろう

おびただしい数のスイカのかけら?

但し書き通りに持ち帰られなかった花火のかす?

果たされなかった恋の思惑?

なんだっていいのだけれど


誰もいない砂浜

突き刺さっていた棒は倒れ

砂浜にいつか飲み込まれるのだろう


スイカや花火のかすや恋の思惑は

手を伸ばしそれを受け入れるだろう

ようこそ いらっしゃい

これからもよろしく って





ひからびた

ひからびたゴキブリの死骸

踏みつけるとぼろぼろになった

それに何かを感じようとしたけれど

何も感じられなかった