許されよ
許されよ
罪を許せないことを
許されよ
元来 人は
自分自身の一部しか自在に操れておらぬ
鼓動は勝手に刻み続け
寝ている時に意識がなくても生きている
そんな我々が
自分以外をどうこうできる道理はない
人は人と生きていくが
群れているだけ
恐怖や打算や愛情
血縁やまあ
そんなものでつながっているにすぎない
罪を犯したものの
さまざまな取るに足りない理由や
二度と起こさないという裏付けのない確信に
なぜ被害を被ったものが
許さねばならないのだ
仕方なし
仕方なし
次は頑張るようにと
許す
そんな滑稽があるものか
だからこそ
許されよ
罪を許すことが出来ずとも
許されよ
罪を許さないことにも
許されよ
それでも
許される人がいるならば
もし
許されることがあったならば
心から罪を償い
許されよ