つぶ
何かのつぶ
中に黒いなにかが入っていて
柔らかく
すぐに割れてしまいそうなつぶ
私はそれを置いていく
好奇心もなく
恐れも持たないまま
私はそれを置いていく
明日が明日に思えない日
今日は果たして
僕にとって今日なのだろうか
分かるかい?
海沿いの
コンクリートの道沿いで
ただ突っ立って
波を見つめる人の
1日の流れの速さが
僕のそれと
同じかどうかは置いておいて
夢の中で
足掻く僕は
僕なのだろうか
立ち止まって
ただ考える僕に
怪しげな遊園地が
おいでおいで
Gyuuuum と
心が内側と外側から
締め付けられる気持ち
分かるかい?
笑うかい?
波が何度も
よせてはかえす
ここにいつしか
僕が立ってしまうかもしれないことに
成せばなる
どれほどの決意で
どれほどの努力を
費やすかどうか考えずに
簡単に言うことでは無い
言えることでは無い
無責任な助言
頑張れって意味で
言えることでは無い
為せば鳴るとでも
言えばいいのだろうが
何にだって
何でもないものだって
わたしは
意味を持たせることができる
ただ
意味を持たせたいと
思うものだけに
小さなころに
ふと思ったことを
ふいに
何十年も後に
思い出したりして
何とも言えない気持ちになって
ただ
それだけ
わたしは
わたしを
いつも不思議に思っている
いつ死んで
この記憶ごと
ぷっつりと
消えてしまうという
存在のくせに
こんなにも日々
笑ったり
悲しんだり
怒ったりできるなんて
不思議な世界に
不思議なわたし
何でもない
何かなわたし
なっとうのような
ねばついた夕日
影が足元に
ながく
ながく
どこまでもついてくる
家路
誰との会話もない
家路に
意味もわからず
理由も見当たらないストレスに
悩まされたなら
何もせず
心を放牧
青い草が
風に揺れる
いつも晴れな牧場に
心を遊ばせてみよう
夕暮れには
迎えに行って
『さあ 帰るよって』
優しく連れて行こう
少しは晴れた穏やかな表情で
明日を迎えられるはず
また
疲れたら
また
この牧場へ