2020/10/07

つぶつぶ

 つぶ


何かのつぶ


中に黒いなにかが入っていて


柔らかく


すぐに割れてしまいそうなつぶ


私はそれを置いていく


好奇心もなく


恐れも持たないまま


私はそれを置いていく

2020/10/01

Gyuuuum

明日が明日に思えない日

今日は果たして

僕にとって今日なのだろうか


分かるかい?


海沿いの

コンクリートの道沿いで

ただ突っ立って

を見つめる人の

1日の流れの速さが

僕のそれと

同じかどうかは置いておいて


夢の中で

足掻く僕は

僕なのだろうか


立ち止まって

ただ考える僕に

怪しげな遊園地が

おいでおいで


Gyuuuum

心が内側と外側から

締め付けられる気持ち


分かるかい?


笑うかい?


が何度も

よせてはかえす

ここにいつしか

僕が立ってしまうかもしれないことに




2020/04/07

鳴る

成せばなる

どれほどの決意で
どれほどの努力を
費やすかどうか考えずに
簡単に言うことでは無い
言えることでは無い

無責任な助言

頑張れって意味で
言えることでは無い

為せば鳴るとでも
言えばいいのだろうが

2020/03/25

思考の流れ

何にだって
何でもないものだって

わたしは
意味を持たせることができる

ただ
意味を持たせたいと
思うものだけに


小さなころに
ふと思ったことを

ふいに
何十年も後に
思い出したりして

何とも言えない気持ちになって
ただ
それだけ


わたしは

わたしを
いつも不思議に思っている

いつ死んで

この記憶ごと

ぷっつりと
消えてしまうという
存在のくせに

こんなにも日々

笑ったり
悲しんだり
怒ったりできるなんて


不思議な世界に
不思議なわたし

何でもない
何かなわたし


2020/03/12

なっとう

なっとうのような
ねばついた夕日

影が足元に
ながく
ながく

どこまでもついてくる

家路
誰との会話もない
家路に

2020/01/30

放牧

意味もわからず
理由も見当たらないストレスに
悩まされたなら

何もせず
心を放牧

青い草が
風に揺れる
いつも晴れな牧場に
心を遊ばせてみよう

夕暮れには
迎えに行って
『さあ 帰るよって』
優しく連れて行こう

少しは晴れた穏やかな表情で
明日を迎えられるはず

また
疲れたら
また

この牧場へ