2017/10/22

然り

然り

なるようになる
物事

然り

不可逆な時間に
叶わぬ希望を持つ人共

然り
然り

記憶の中に
切り取られた青映える松の木

砂浜の
砂と靴が擦れ合う音も
表現出来ない私共

それも然り

2017/10/15

うさんくさい

うさんくさい男が
交番前をふらふらと通る

少し厳しい目線の警官

何をするわけではないが
うさんくさい男は

みんなの目線を集め

みんなの緊張を高め

どこかへいった


2017/10/04

食いつなぐ人

日々食いつなぐ人
買い物の度
財布の中と相談する

フードコートで食事する家族を尻目に
割引の惣菜を漁る

夕暮れ
買い物袋をかごに入れた自転車で
少し汗をかきながら帰る

おかわりの声に
もう無いのって返事をしながら
心のなかで
深い溜息

人生

楽しいこともあるけれど

耐えたり
忍ぶことばかり

ずっと買い替えていない
冷蔵庫を開けながら
思う

あなたの 名前

あなたの名前は
あなたが決めたものではないけれど
そうであると
生まれたときから思い込まされたもの

ときには
自分を自分の名前で呼んだりする


誰かに名乗る
あなたの名前
あなたが決めたものではないけれど
名刺に印字して渡したりする

あなたがあなたで決めたものではないのに
それがあたかも自分を表すものとして扱われる

なんだろう

当たり前なのに
何か違和感

あなたの名前は
あなたが何であるか表すものでは無いのだけれど
あなたを表すものとして
通用してしまう

あなたは何?
名前以外で表される
あなたとは

何なのだろう

2017/10/01

何か違う

お金が無くて
技能もなくて
働く気力もない人に
貧困に喘ぐ国の
生きるために必死な人々の話をしたって

何か違う

お腹が一杯でも
少しかじりたくて
やっぱり残したお菓子
貧困に喘ぐ国の
生きるために何でも口にする人々の話をしたって

何か違う


冗談で
お腹と背中がひっつくと行った人に
本当にやせ細った人々の話しを持ち出して
叱ってみても

何か違う

安易に例出される人々
それだけでもう
愚弄

意識に染み付いた
良くはない何か
剥ぎ取ることは難しいのかも