2014/07/23

正しく間違ってる世界

先行き不安なまま
何とか生きている人たちに

きらびやかな街で落とされる
大きな額のお金はどう写るのだろう

『あなたたちにはお金で困らせたくなかったのに、ごめんね』
泣きながら子供に謝る母親は
毎晩うずく身体を病院に連れていけずに
その後癌で亡くなった

『国民の生活を守ります!』
そんな人たちの選挙にどれだけのお金がかかっているというのか

やりきれない

私たちの住む世界は
正しく間違っている

2014/07/17

結局言いたいことがわからない呟きに

すべてに終わりと始まりがあるように
そのすべてには途中がある

下らない音楽にも

下らない聴衆

すべてに始まりと終わりがあるように
そのすべてには途中がある

下らない終わりには
それなりの下らない途中がある

すべて

終わってから語られること

2014/07/08

井戸

心の奥底の井戸
水は枯れ
底は見えない

風切り音がただ
唯一の客

僕は思うんだ

どんなに笑顔を作っていても

井戸は水で溢れることはないだろうって

風切り音が今日も
僕の井戸で行き交う

2014/07/01

馬鹿みたいに



僕らは抗うこともできずに
太陽の光を浴びせられた

吹き出す汗は勝手に流れ落ち
にもかかわらず
身体は水分を欲した

馬鹿みたいな暑さに
僕らは笑いながらじゃれあった
馬鹿みたいに

吹き出す笑いは勝手に流れ出し
にもかかわらず
僕らは真剣に愛し合っていた

そして今も
また巡ってきた夏に

馬鹿みたいな暑さに
僕らは笑いながらじゃれあっている
馬鹿みたいに