2014/10/19

どちらかと いえ ば

気配のない死が

もうそばに待ち構えていたらと思うと

記憶をもったままの死と

記憶をうしなってからの死



どちらがいいのか比べてみた


どちらも

耐えきれない

けれど

どちらかと

いえば


あなたの記憶

は

持ったまま

死ねたら

いい

の

かな

2014/10/10

吐き気

無数に引き詰められた

真っ赤なタイルの間の白い線が

よく見たら蛆虫だったと知った時のような突然の吐き気に

さっきまでの

何事もなかった頃の自分との乖離に

心がなじめないでいる僕は


世界が刻一刻と

時間という絶対的な力に押され

何か変化し続けていることを

思い知らされた


希望的観測を集めた予感なんて

暇な時間に適当に書いた絵みたいなもの


効くかどうかもわからない薬を

プラスティックの臭いのする水で飲み干しながら

 布団をかぶって丸まった僕は

体温を奪われながらいつのまにか暖められ

起きたら忘れ去られてしまう悪夢に放りこまれた


2014/09/28

心残り

また何の抵抗もできないまま

今日が終わる


明日が今日になって

自由のない時間の流れに泣き寝入り


眠気が今日もまたやって来て

目が覚めたら朝になっているのだろう


悔しくて

眠気が来る前に寝たいくらいだ


2014/09/21

むしのね

虫たちのお話し声に

そっと耳を傾ける

秋

ぼくらは今年の終わりを感じはじめる

虫たちのお話し声に

耳を傾けながら

2014/09/17

結局のところ

結局のところ
あらゆる非難から逃げおおせることは出来なくて

どんなに悪意のない行動にも
人は何かを論(あげつら)い
自分の心の空白を埋めようとする
何も埋まるはずもないというのに

植物を食べ 牛の肉を食べながら
捕鯨の反対を声高々に唱えることもあれば

アニメのキャラクターから勝手に
男尊女卑を見出したりもする

自分を守る変な笑顔
攻め立てる険しい顔

統一性はない

自分には甘く
他人には辛いというルールがあるだけ

平等ってなんだろう
ふと呟いた鏡の向こうの僕は
考えるだけ無駄さって顔をして返答にならない返答をした

世界って一括(ひとくくり)でいう人ほど胡散臭い奴はいないねって



2014/09/03

にんげん

人は束になって生きてきたのです

それはいい意味で束になっていた

野生から抜け出しても忘れないで
私たちは協力する事が出来るって

全てを束ねることが出来なくても
夜の闇を身を寄せ合って過ごした
あの焚き火の事を思いだしたなら

束の間でもいいから灯火を集めて
困難を大きな焚き火で切り抜けて
生きていけたらなって思うのです

2014/08/26

少しでも楽しく芋を数えよう

芋を数える

数えたら籠に入れて

いっぱいになったら置いて帰る


生きることがこれ以上でもこれ以下でもないってことに

気付いた時にはもう歳を取りすぎていた


芋を数えよう

出来るだけ笑顔で