朝
まっぷたつに
パンを引き裂いた
片一方はマーガリン
もう片一方はイチゴのジャム
昼
まっぷたつに
箸が折れた
片一方は持つところ
もう片一方ははさむところ
さて
私のこれからの話をしよう
こっちのみちと
あっちのみち
どっちも大変でしかないけど
ちょっと残るものが違うみち
私のこれからがまっぷたつ
決められないまま
悩みは続く
私の未来には
マーガリンもジャムも
一緒にはできないみたい
持つところとはさむところも
一緒には残せないみたい
夜
この溜め息を
まっぷたつにできるくらいの
決める勇気が
沸き起こらないものかと
まつふたつの
私の未来が
早く選べと
夢に出てきた
ぬぐう
ぬぐう
汗を
涙を
こんなに走って
汗が出ないわけがない
こんなに悲しくて
涙がでないわけがない
立ち止まったら
もっと大きな悲しさに
追いつかれてしまいそうだ
力がつき
脚はついに
とまってしまった
水分がつき
汗も涙も
とまってしまった
水を飲もう
身体が冷たくなる
水分がもどってくる
そして私は
くちをぬぐって
悲しみをぬぐった
優しいひとが教えてくれた
「明日は雨」
愚かな僕は傘を持たず
雨に濡れた
優しいひとは笑ってくれた
「心は晴れ」
僕はつぶやいた
そしてあなたは
また笑ってくれた
今度は違う意味で
君と結婚したい
君の血痕死体
幸せは始まる前から
恐怖の殺戮劇に変わる
誰が?
何のために?
電動ノコが落ちている
あの子は誰の子?
拾い上げた少年に視線が集まる
電動ノコが振り上げられて
飛んで行った首死線が越えられぬ
今は
魂の行き先なんか考えられない!
キャンプ場はもう
蜘蛛が散り散りの様相
もう期待するのはよそう
当たるのは悪い方の予想
宇宙の神秘も
今は浸っていられないや
血滴るこの現場には
今生きることへの渇望しかない
通り雨と
通り魔は同じじゃない
血の雨まではなんとかイコール
そんなこと言ってりゃ血のスコール
君は血痕死体
君と結婚したい
真っ赤に染まったウエディングドレス
このフォレストに夜な夜な発見される
新婚旅行はどこへ行こうか
心魂侶行のその果てへ
毎日なにかから逃げて逃げて
心の病みが深くなっていく
決断しているのに
向き合えないこと
よくあって困る
そんなこと
誰かに相談しても
受け止めてくれる人なんていないし
答えは自身の心次第ってしか
言えないもの
だから
どこにも吐き出せず
たまっていくだけ
毎日愚痴が漏れ暗い暗い
心の闇は濃くなるばかり
ねえこれって
出口へはどう進んだらいいの
そもそもこれに
出口なんてあるのかなあ
諦めてこの深いやみに
いっそ自分から沈んでみようかとも思う
生きるって
こういうことなの?
それならそんなこと
続けてもなんの意味もないよね
みんなは
擦り切れて
ボロボロになって
いったいどこに辿り着こうとしているの?
笑顔ってまぼろし
苦しい顔で
見えない光を探している
そんな顔も
闇では見えない
生きることは病むこと
しぬこと
叫びが空気を切り裂いて
ねえこの胸の苦しみは
いったいなんのため
何があるのこの先に
年老いて
醜くなった心で
輝く水面に映る太陽を眺めながら
落とすため息は何色だろうか