ゆめをみた
寝付けない子供
かかえあげて
愛おしんでいたら
目が覚めた
あなたからの
不意に聞かれた質問に答えたら
こどもと生き別れたこと
つられ泣きしたって
涙を流してくれたから
その日の夜に
ゆめをみた
あなたは
何かを重ねて
泣いたんだろう
なんとなく
想像がついたから
なおさら聞けなくなった
こっちは思い出したくないこと
思い出させられたっていうのに
枯れた涙が
漏れ出したっていうのに
また
忘れなきゃ
忘れなきゃ
やってられないのだから
ゆめをみたこと
思い出した
心のずっと隅に
追いやったはずだった
やっと
思い出さなくなった日が
増えてきたのに
かわいかった
いとおしかった
ずっと
成長を見れたはずだった
私はただ
愚かだった
また
思い出の過去と
成長を想像した現在と
これからも会えない未来に
さようならをしないといけない
夕焼けより
朝焼けが好き
胸焼けはきらい
ブランチより
モーニングが好き
夜食で太るのがきらい
世界より
ワールドって響きが好き
宇宙まで広げるのは恥ずかしくてきらい
過去を振り返るより
現在で踏ん張るのが好き
都合の良い未来に逃げるのはきらい
ふと起きた
太陽も上がっていない朝
そっと窓を開けて
目覚めていない空気を吸い込むのが好き
眠れなくて
月にも見放された夜
ずっと目を閉じても
身体を這い回る不安な気持ちがきらい
わたしには
楽しく満たされてもいい
幸せに違いない時でも
不安や疑心に駆られてしまう癖がある
胸焼けや
夜食で太ることや
宇宙まで話を広げることや
都合の良い未来へ逃げることより
誰か助けてって言ってばかりで
自分で這い上がることをしない
わたしがきらい
AIには心がないといわれますが
心って何でしょう
人が人に「おまえはこころがない」といいます
心がない人っているんですね
どこにも
ここにも
こころにも
なんかのCMでありそうですね
心って
どこにもあるんですね
蟻にも
車にも
肩車にも
心はあるのでしょうか
知りたい気持ちは
留まるところを知りません
おっと
知りたい心は
とどまるこころを知りません
の方がよかったですね
それでは
こころ(ここら)で失礼いたします
あなたと
今日はまわりみち
田んぼ道をゆっくり
夜空を眺めながら
昔ここで
三連続の流れ星みたんだ
一人でずっと
座り込んで流れ星
過ぎ去ったそらを見ていた
何か僕には
大きな幸せが訪れるんじゃないかって
予感がさらさらと降り注いできて
それから始めた
まわりみち
きっと三連続の流れ星
あらわれない
だけどあのときの
心が洗われた感じを
また味わいたくて
まわりみち
さわさわと
風が稲を揺らして
きらきらと
夜空は星を鳴らす
そろそろと
猫が道を横切っていった
24時をまたいで
まわりみち
今日のここまでと
明日のこれからが
繋がっていた
かえりみち
一人で歌いながら
うちまで帰った
いつかの幸せに
うまく歌えるように
あの頃のまわり道
今日はあなたと一緒
付き合ってくれてありがとう
まわりまわって
あなたと出会えて
あの頃と今が繋がった
やっと終わった
流れ星が教えてくれた
あなたという幸せまで
続けた長い
まわりみち
多くの人が
宇宙に視線を投げかける
そんなに宇宙にいきたいの?
知りたいの?
行かなきゃいけないの?
知らなきゃならないの?
此処にある
今知っている世界で
時を大切にいきることのほうが
大事じゃない?っておもう
見つけられなかったもの
探しながらいきて
見つからないまま死ぬなんて
ロマンの一言では
あまりにも片付けられない
そんなに宇宙にいきたいの?
行かなきゃいけないの
うーわかんない
今そこの目の前にある世界から
逃げているとしか
思えない僕は
俯いてばかりの
日々を過ごしている
湧き水
湧いたばかりのぼくはただただ澄んでいた
何もわからないまま旅は始まって
人は個であり群であるって
下る途中で気付かせられながら
何かにぶつかって何かを覚えながら
誰かに出会って誰かと別れながら
時にはゆっくり時には急に曲がりくねりながら
いつか
海へとたどり着くのだろう
ねえみんな
僕たちのたどり着く海はどんなところなんだろうね
何かが同じで何かが違って
いるのだろうけれど
でも
海であることは変わりない
もうそろそろこの旅にも疲れたところ
海は近くもある遠くもある
もうすこし
下り続けなくちゃいけないみたいだ
湧き水だったころの澄んだなにかは
もうどこにも残っていないけれど
これまでのすべてが今の自分になっていること
悪くない
まあ
そう思えるだけ
少しはましな人生だったのかな
急に出てくる
過去のクリティカルな出来事
僕の脳
いつまでこんなもの
記憶にしまってんだろう
おどろいた
思い出して
また傷つくだけ
なんのために?
って
良いことより圧倒的に多い
悔しいこと悲しいこと
記憶のシステムは
いつもユーザー想い
どよめいた
ふと口から出てくる
あの時好きだった歌
その頃の記憶が
後から湧いてきてしみじみ
ときめいた?
僕の脳
こんな時にこんなことを
なぜ取り出してくるのだろうって
いらだった!
涙に似た
目から出てくる液体を
流れるままに任せながら
ねえ
僕はなんのために
生まれてきたんだろうね
悔しいこと悲しいこと
もういいよう
楽しいこと嬉しいだけで
過ごしたいよう
そんな都合の良いこと
あるわけないか
都合の悪いことばかり
起きるのにね
だからなんか
死んだ先に
天国を求める人の気持ち
ちょっとわかる
空を見上げる視線
その先には
何を映したらいい?
叶わないことばかり
もう
願いたくないよう
世の中には
成功した人たちの
『夢は叶う』
ばっかり
ねえ
本当に
僕はその人たちと同じ世界に
生きているんでしょうか?
って
本気で考えてしまう
そうだあいつら
『諦めなければ』って
予防線はってらあ
苦笑い
立ち上がって
立ち尽くして
うずくまる
そして浮かぶのは
良い記憶ではない
よね
救いって
手で水を掬うのに似て
多くのものをこぼすけど
一滴でも何か
残ればいいやって気持ち
どうか分かってほしい
そしてまた
人生を歩きます
死んで初めて解放される
記憶を無駄に重ねるために