2025/07/03

ほんとうのこと

ほんとうのこと
いつも信じられなくて
自分で想像した出来事に
記憶を書き換えてしまっている

山ほどの嘘で
固まった過去
虚しさだけ
積み重なって

残酷なことばかり
多く記録する物測り
消えて久しい明かり
居なくなった記録係

進むも
戻るも
険しい道
ほとんどのこと


2025/06/06

だれからも いらない子

雨が止んで

少し外で歩く


僕はきっと

だれからも いらない子

一緒にいる人

みんな苦しんで

逃げていく


裏切られても

加害者なんだって

僕が悪いから

仕方ない報いなんだって


そっか

じゃあ僕は

ひとりでいいや

僕に苦しめられるのは

僕だけにしなくっちゃ


水たまり

ただ眺めてたら

水が揺れて

僕の顔も揺れて

誰かわからなくなった


叫んでも

周りの人が

驚いてこっちを見るだけ


僕は僕がなんなのか

いまさら

分からなくなった


ねえなんで

ひとってひとなの?


悩みってなんのために

この世界に存在するの?


大きな声で

叫ぶけど

どこにも声は

届かないらしい


僕はだれからも いらない子

荒野に猫は

生き抜いて


雨がふってたんだ

太陽が嘘くさく輝いて

迷惑


雨がふって

僕の何かを

流してくれないかな


僕ごとどこかに

流してくれないか!









2025/05/28

へいこう

並行世界では
知らない自分が
知らないことをしているんだろう

それって自分?

何が違ったら
自分じゃなくなってしまうんだろう

粉を集めて麺にすると同じように
何が集まって自分になっているのだろう

分からないことだらけに
閉口してしまうけど

分からないことって実は
分かってはいけないことなのかも

何も思考が進まない

子供から大人になって
出来ることが多くなったって

出来なくなることが多くなっていること
気付かない振りしてる

どこにも僕らは進んでいない

並行世界の自分も
それに気付いてるといい
けれど


2025/05/27

空白が多いとき

座れる石

その上でぼーっと

後ろ向きなことを考える

電灯に影が伸ばされて


ああでも


自分のこと

分かってもらえないって嘆いてるけど


誰かのこと

分かってあげたことがあったっけ


世界がどうとか

嘆いてるけど


自分もその一部のくせに

神様かなんかのつもり?


ああ

自分にも叱られる始末

涙は風で飛んで飛沫


その分少し軽くなって


立てる意思

その上でそーっと

身体を持ち上げた

電灯に背中を照らされて







2025/05/16

実際

幸せな人生を送りたかった

なんの苦労もない

人生を


けれど

実際

とにかく大変だった

思い通りに行くことって

思い通りに行かないってことだけ


這いつくばって

泥の味を知る

でも

良いことが不意に

身を襲う時もあって


トータルでは

良い人生って言えそうだけど


本当は

雲の上で

ティーカップを傾ける

人生が良かったんだよ


実際は

なんの変哲もない

私だけの特別な

人生だったって

死ぬ前に思えたらいい


実際

どうなるか

わからないけれど





2025/05/11

コンサデュアウス

朝日
眩しく照らす
僕の背中を

影が僕の
前を行く

僕が影に
ついて行っているように
ぴったりと
依存しているように

コンサデュアウス

ゴミ箱に入っているものは
なんだってゴミなんだって

じゃあ
僕の中にある想いや悩みは
全部僕ってことじゃないか!

僕から滲み出ている
この影は
僕じゃあない

何について行っている?
何に依存しているというのか

朝日が僕の
何かを取り出した

切り離せば
何か変われるかな

朝日に向かえば

影が後ろに

置いていけるものなら
置いていきたい

コンサデュアウス

僕は歩く
朝日に向かって

影がそっと
ついて来る

影が僕に
置いていかれないように
ぴったりと
僕に依存するように

2025/04/29

どこでもうたを

土器でぶん殴られたような

ドキドキに

宇宙が揺れた

僕の宇宙中が

震撼

新幹線

ドリルで地面に潜る

突き抜けるまで

神官

祈るひたすらに

この宇宙が

いつまでも続きますように


人間

いつか死ぬ

地球

いつか死ぬ


宇宙は?

ねえ?


僕は歌う

ただ

自分のために


僕の世界は

僕がいないと

存在できないから


僕は

僕であるために

歌う


どこでもうたを

土器のような震撼

新幹線のドリル

神官の祈り


たらららと